今月22日に始まった政府機関の一部閉鎖は、トランプ大統領がメキシコとの国境での壁建設のために、50億ドル(約5,540億円)の予算措置を要求したことがきっかけだった。これには民主党と一部の共和党議員が反対している。壁建設の費用の合計額は、230億ドル(約2兆5,500億円)と見積もられている。
ロイター通信・イプソスの調査によると、米国人の成人の47%が、政府機関の一部閉鎖の責任はトランプ氏にあると回答したのに対し、民主党の責任と回答した人は33%だった。...
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今月22日に始まった政府機関の一部閉鎖は、トランプ大統領がメキシコとの国境での壁建設のために、50億ドル(約5,540億円)の予算措置を要求したことがきっかけだった。これには民主党と一部の共和党議員が反対している。壁建設の費用の合計額は、230億ドル(約2兆5,500億円)と見積もられている。
ロイター通信・イプソスの調査によると、米国人の成人の47%が、政府機関の一部閉鎖の責任はトランプ氏にあると回答したのに対し、民主党の責任と回答した人は33%だった。7%の人は共和党に責任ありと回答している。また、国境の壁建設費を議会の歳出法案に盛り込むことを支持する人は35%にとどまり、壁建設費の予算化をめぐって政府機関の一部が閉鎖されたことについてトランプ大統領を支持する人は、わずか25%だった。
ホワイトハウスのサンダース報道官は27日、「大統領は、政府支出のためのいかなる予算案も、国境の安全保障のための資金を十分に手当てする内容でなければならないことを明確に示してきた。」と声明で述べたが、トランプ氏提案の壁については触れなかった。
米上下両院では、政府機関の一部閉鎖を解除するため、既に下院を通過している来年2月8日までのつなぎ予算について、与野党が27日遅く協議した。上院での投票に持ち込むためには、民主党の一部の支持が必要だが、特段の歩み寄りなく数分で散会した。閉鎖は来週も続き、越年が確実となってきた。まだ閉鎖の影響はさほど出ていないが、各政府機関は今後の影響に備えるよう、各種の情報を開示し始めた。
与野党は、双方とも閉鎖の責任は他方にありとして非難合戦を続けている。トランプ大統領は今月11日、民主党幹部とホワイトハウスで会談した際、壁建設費を同党が認めなければ政府閉鎖も辞さないとして、「国境の安全のためなら、喜んで政府を閉鎖する。」とけん制した。民主党はこの発言により、世論を味方につけられると自信を持っており、強気の姿勢をくずしていない。今回の調査結果も追い風となりそうだ。
ロイター・イプソスの調査は、12月21~25日、全米でインターネットにより英語で行われた。民主党員946人、共和党員846人を含む2,440人の成人から回答を得ている。
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