不法移民を保護しその一部権利を認める「聖域都市」サンフランシスコでは、移民にも選挙権が認められているが、その選挙登録者数が全く伸びていないという。その原因はトランプ政権の移民取締強化で身元が照会され、国外退去となる等の可能性等が懸念されているためであるという。
10月23日付
『AP通信』は「非市民も投票権のあるサンフランシスコで、投票者がほぼ無しに」との見出しで以下のように報道している。
不法滞在や外国人にも選挙権を認めている最大都市サンフランシスコだが、トランプ政権が彼らの身元を確認し、国外退去させられるとの懸念からか、選挙登録したのは僅か25人だった。
サンフランシスコでは、2016年の選挙により移民でも学校役員となることを認める法律が承認され、教育機関役員選への立候補のみが認められている。...
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10月23日付
『AP通信』は「非市民も投票権のあるサンフランシスコで、投票者がほぼ無しに」との見出しで以下のように報道している。
不法滞在や外国人にも選挙権を認めている最大都市サンフランシスコだが、トランプ政権が彼らの身元を確認し、国外退去させられるとの懸念からか、選挙登録したのは僅か25人だった。
サンフランシスコでは、2016年の選挙により移民でも学校役員となることを認める法律が承認され、教育機関役員選への立候補のみが認められている。同じ選挙でトランプは大統領に就任、それ以降、不法移民への取り締まりを強化している。同市行政官によると、これまでにない程移民コミュニティへの敵意が生じている状況から彼らが投票するのを辞めているのだという。
中国系米国人選挙教育委員会は、選挙登録キャンペーンを大学キャンパス内、低所得者地域、イベント時や中華街で行っているが、彼らの情報(非市民は選挙登録の際、住所と生年月日を登録する)が政府に提出され、強制送還等の結果となる可能性もあるので、皆トランプ政権の反移民策を恐れているという。
市の選挙管理部も、申請書やチラシで移民税関執行局等の機関への照会の可能性を呼びかけている。
聖域都市であるサンフランシスコは、政府移民局への協力が限定されており、移民保護のためトランプ政権を提訴するなど政府との対立も辞さない姿勢を示してきた。
同市条例では、移民にカリキュラム承認、教員や職員雇用、約90万ドル予算を管理する学校経営権を与えている。サンフランシスコ学校区の正式統計はないが、非市民の親子5.4万人の学生の29%が非英語圏出身で、過半数の生徒は中国語、スペイン語が第一言語であり、政府の統計によると、市内の88.5万人のうち、少なくとも4万人は、不法滞在者だという。
他に、メリーランド州では、住民の15%が外国出身者少なくとも6都市で非市民に市政選挙権を与えている。
マサチューセッツ州では、いくつかの市で非市民選挙権付与法案が提出されたが、州議会の承認が得られず断念。移民問題は非常に意見の分かれる問題だが、サンフランシスコでは、政治情勢が変われば登録数も回復するとみられている。
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