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【Globali】
イラクの深刻な干ばつでテロ組織再び台頭の恐れ、専門家の報告(2018/09/03)
『AFP』『ガーディアン』などの英文メディアは、イラクで深刻な干ばつが進行しており、このまま対応しなければイスラム過激派が再び台頭してくる可能性があることを報じている。
今月1日に公表された報告書は、今年7月に専門家作業部会が国連安全保障理事会に提出したもので、イラクの干ばつやその他の気候変動に関連する安全保障問題に取り組まなければ、イスラム過激派が復活する可能性があるというものだ。専門家らは報告書の中で「水資源の限界や気温の上昇、その他異常気象が組み合わさって、基本的な資源を圧迫し、イラクの人々の安全な暮らしをむしばむ」と報告し、こうしたリスクの監視や管理の欠如が「イスラム国(ISIS)やポストISISとなるテロ集団が支持を拡大し、力を再び取り戻すリスクが増大する」と警告した。...
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今月1日に公表された報告書は、今年7月に専門家作業部会が国連安全保障理事会に提出したもので、イラクの干ばつやその他の気候変動に関連する安全保障問題に取り組まなければ、イスラム過激派が復活する可能性があるというものだ。専門家らは報告書の中で「水資源の限界や気温の上昇、その他異常気象が組み合わさって、基本的な資源を圧迫し、イラクの人々の安全な暮らしをむしばむ」と報告し、こうしたリスクの監視や管理の欠如が「イスラム国(ISIS)やポストISISとなるテロ集団が支持を拡大し、力を再び取り戻すリスクが増大する」と警告した。イスラム国は昨年の政府による大々的な攻撃を受ける前の2014年にはイラクの領土の3分の1を占領するほど力が増大していた。
現在イラクでは1931年以降最低の水位まで干ばつが進んでおり、川の水流もここ数十年で40%も縮小している。報告書ではこれらは気候変動のほか、隣国からの水の流れの減少、紛争によりインフラが損傷を受け、灌漑システムが弱まっていること、経済的投資不足などによるものだとしている。またイラク政府が隣国と水資源の分配に関する正式な取り決めをしておらず、雨不足やダム建設計画もあってチグリス川の周辺住民700万人が立ち退きを余儀なくされる可能性があるとも指摘されている。「国による適切な水管理が存在しないことはこれらの重大な脅威を悪化させる」としている。
専門家はイラク国内の国連機関に気候変動のリスクを監視、報告するなどの支援を求めている。
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