8月28日付英国
『デイリーメール』は「モンタナ州で自殺危機。予算減で精神疾患患者も増加」との見出しで以下のように報道している。
モンタナ州は米国一自殺者が多く、問題解決への有効的な対策も極度に不足しているという。自殺者は、人口10万人当たり26人の割合で、1999年比では38%増加。(全米平均は13.5%。)
米国保健資源管理局によると、米国の農業州では、人口100万人当たりの精神疾患を専門とする医療機関が25%未満と圧倒的に不足しているという。...
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8月28日付英国
『デイリーメール』は「モンタナ州で自殺危機。予算減で精神疾患患者も増加」との見出しで以下のように報道している。
モンタナ州は米国一自殺者が多く、問題解決への有効的な対策も極度に不足しているという。自殺者は、人口10万人当たり26人の割合で、1999年比では38%増加。(全米平均は13.5%。)
米国保健資源管理局によると、米国の農業州では、人口100万人当たりの精神疾患を専門とする医療機関が25%未満と圧倒的に不足しているという。
モンタナ州では、多くの家庭が銃を保有している。アルコール消費量は高く、冬の日照時間は短い。更に追い打ちをかけたのが、政府の精神疾患に関する保健部門の予算大幅削減。100以上の精神病専門の医療機関、10の健康プログラムが閉鎖を余儀なくされたという。このように多くの要因が重なって自殺者が多くなっているという。
スティーブ・ブロック知事は、対策に乗り出し、メンタルヘルス予算を2011年以来数百万ドル単位で上げようとした。しかし、全米精神病連盟によると、同州の予算は、他州と比べてまだまだ低いという。
医師によると、同州には精神病への偏見が強く、対策への意識が薄い為、支援がなかなか得られないのだという。
また、自殺者は州平均より、先住アメリカ人の間で22%高い(2005~2014年)く、退役兵士の割合も高い(2013~16年で200人)。また男性は積極的に他人に助けを求めない傾向もあると医療関係者は指摘する。
8月29日付米国『NBC』は「モンタナ州全米一の自殺率。保健予算削減も影響」との見出しで以下のように報道している。
モンタナ州では自殺は長期的問題であり、事態はいっそう深刻化している。2016年、10万人当りの自殺者は25.9人と、全国平均の倍近くだった。1999年比で38%の増加率で、全国の30%増よりも高い割合である。モンタナ州は、面積当たりの人口密度が低く、面積では米国4位だが、人口では44位。精神科を備えた病院は、4分の1未満である。銃社会で、アルコール消費量の高さやうつとの因果関係が指摘される冬期間の日照時間の短さや高地であることも、問題に拍車をかける。人に助けを求めることを弱さの表れだとし、これを良しとしないモンタナの気質も関係しているという。
モンタナのある男性によると、地元の高校では、年に1人は自殺者がいて、その後、軍に所属し今度は複数の友人も自殺で亡くしたという。1人でも十分すぎるのにである。
2013~16年の間に、200人以上の退役軍人が自殺している。特に男性は「問題があるから誰かに話を聞いてほしい」と助けを求めない。2005~14年、同州で先住民族の自殺者率は、同州全体より22%高く、そのうち青少年では、州全体の2倍以上だった。
同州のメンタルヘルスクリニックは、高まるニーズに対応しきれていない。そこに更に、保険局は、予算削減の打撃を受けた。メディケイドの払戻金が約3%削減され、低所得者の患者を受け入れるとクリニックの収入が減る事などから、クリニックは次々に閉鎖されているという。
知事はメンタルヘルスを最優先課題だとしている。やや解消してはいるものの、まだ他州と比べると低いのが現状であり、自殺者は増加の一途をたどっている。
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