18歳のマエド・ホジャブリさんはインスタグラムにダンス動画を投稿し逮捕された。ホジャブリさんは自室でペルシャ音楽に合わせてダンスする動画の他、ジャスティン・ビーバーやシャキーラなどの人気アーティストによる歌に合わせてヘッドスカーフなしで踊る動画など約300件を投稿しており、ある投稿の再生回数は100万回近くにのぼる。
イスラム圏では、公の場での女性のヘッドスカーフ使用が義務であり、踊ることは禁止されている。...
全部読む
18歳のマエド・ホジャブリさんはインスタグラムにダンス動画を投稿し逮捕された。ホジャブリさんは自室でペルシャ音楽に合わせてダンスする動画の他、ジャスティン・ビーバーやシャキーラなどの人気アーティストによる歌に合わせてヘッドスカーフなしで踊る動画など約300件を投稿しており、ある投稿の再生回数は100万回近くにのぼる。
イスラム圏では、公の場での女性のヘッドスカーフ使用が義務であり、踊ることは禁止されている。
7日、イラン国営テレビは、ホジャブリさん拘束の報道に続き、「他の人たちに真似することを勧めたわけではない。注目を浴びたいからやったわけではない。」とホジャブリさんが泣きながら訴えるビデオを流した。
9日、改革派聖職者のモハメド・タッギー・ファゼル・メイボディ氏は、十代の子の声明を放映したテレビ局を批判し、少女に自白させ、それを放映することは、家族の「顔に泥を塗る」ことだと声を上げた。
「イスラム教は女性や家族のプライバシーに重きを置いているが、国営テレビはこの宗教的伝統を無視し、人の評判でもてあそんだ」と、元イラン大統領モハンマド・ハータミーと考え方を同じくするメイボディ氏はソーシャルメディアに投稿した。同氏はホジャブリさんの動画の適切性については直接コメントしなかったが、政治腐敗などの重大な問題を止めることのできない当局を皮肉った。
テヘランで活動するファッション写真家のレイハーン・タラヴァティ氏は、2014年に米国のポップスター、ファレル・ウィリアムスのヒット曲「ハッピー」に合わせて踊る自分の動画を投稿して拘束された経験がある。ホジャブリさんの拘束について、ツイッターで意見を表明した。「あなたは私が23歳のときに「ハッピー」を踊った私を逮捕した。ホジャブリさんを18歳で逮捕し、その次の世代には何をするのか。」
イランの女性らは少女に支持を表明して、自らもダンス動画を撮影し、「ダンスは犯罪ではない」「自由のためのダンス」といったハッシュタグを付けて投稿した。
一方、テヘラン大学の評論家で哲学博士であるエルハム・カドコダイ氏は、ソーシャルメディアに投稿される内容は「明らかに公的領域の一部」であり、「いかなる国家もその領域に法律を施行することが予測できる」と主張した。カドコダイ氏はホジャブリさんの動画やイランのような国でのソーシャルメディアの使用に関する議論に関しては、いくつか考慮すべき要素があると指摘した。イランには独自の文化、伝統、他国とは「異なる」諸規範がある。「国によって社会的、文化的課題に対するアプローチは異なるという現実を受け入れるべきだ」と話した。
イラン系アメリカ人ジャーナリスト、ネガー・モルタザヴィ氏は、ホジャブリさんの逮捕と拘禁は、ヘッドスカーフ使用義務化の問題とともに、「非常に政治色の強い問題」となっていると話す。ヘッドスカーフのまとい方が「十分に良くない」、あるいはヘッドスカーフが「カラフルすぎる」といった理由で「道徳」警察に逮捕された知人もいるそうだ。ホジャブリさんは「単なる無邪気な10代の少女で、政治的な意味合いはなく、ただ踊りたかっただけなのに。」と語った。
閉じる