米国防総省の報道官デーブ・イーストバーン少佐が今月2日に発表した声明によると、世界各地に点在する米軍基地内において中国通信大手の華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)製のスマートフォンをはじめとする携帯電話について、基地内の小売店では販売停止を指示したという。同氏は「ファーウェイやZTE製の機器が、省の人員や情報、活動において容認できないリスクをもたらす可能性がある。これに照らし合わせると省内で機器を販売し続けることは賢明ではない。」と安全保障上リスクを及ぼす可能性があると理由を挙げた。
軍の兵士たちは、私用で使う機器までは制限されておらず、ファーウェイやZTE製品を基地の外で購入することはできる。ただ、セキュリティーには十分注意するよう呼びかけられている。声明では安全保障上のどのようなリスクが伴うのかまで詳細は明かされていないが、兵士らの基地内外での動向や、基地運営の情報などが漏洩する可能性が指摘されている。
両社に対しては以前より米政府から厳しい対応がなされていたが、今年に入り、その傾向が加速している。今年2月には米諜報機関FBIやCIAの高官が議会で両社の製品を使わないほうがいいと呼びかけており、4月には対イランや北朝鮮の経済制裁の違反や虚偽の報告があったとし、処分を受けている。
ファーウェイの広報担当者は中国政府からは独立した形で経営をしており、政府からスパイ行為などを命じられたことはないと明言。すべての国においてセキュリティーやプライバシー、工学といった面で最高の水準を満たしていると述べた。ZTEは今回の件に対してコメントを出していない。
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