マクドナルドは3月末、5月より英国1,300店舗で紙製ストローに切り替えることを発表した。顧客がストローを使いたいと申し出た場合のみ、店員はストローを渡す。英国マクドナルドのポール・ポムロイCEOはスカイニュースに対し、「ストローは人々の関心の一つであり、その通りだ。ストローを注文カウンターから後方に移した。次はカップに乗せる蓋に取り組みたい。」と話した。
マクドナルドの対応は遅い方で、英国ではすでに多くの飲食チェーンやスーパー、マリオット・インターナショナル・ホテル、ロンドン・シティ空港がプラスチック製ストローを撤去しており、プラスチック廃棄物の減少に一定の成果を上げている。...
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マクドナルドは3月末、5月より英国1,300店舗で紙製ストローに切り替えることを発表した。顧客がストローを使いたいと申し出た場合のみ、店員はストローを渡す。英国マクドナルドのポール・ポムロイCEOはスカイニュースに対し、「ストローは人々の関心の一つであり、その通りだ。ストローを注文カウンターから後方に移した。次はカップに乗せる蓋に取り組みたい。」と話した。
マクドナルドの対応は遅い方で、英国ではすでに多くの飲食チェーンやスーパー、マリオット・インターナショナル・ホテル、ロンドン・シティ空港がプラスチック製ストローを撤去しており、プラスチック廃棄物の減少に一定の成果を上げている。
米国では都市レベルでプラスチック製ストローを禁止する動きがある。シアトル、フォートマイヤーズ、マリブなどは、レストランでストローを出すことを禁じている。
ストローに焦点をあてて世界のプラスチック廃棄物問題に取り組むストローフリー・オルグ(StrawFree.org)の創設者ダイアナ・ロフリン氏は、「もはや対処することを避けられない問題である。ストローはその最前線にいる。」と話す。ロフリン氏は、毎年海に最終的にたどりつく8百万トンのプラスチック廃棄物のうち、ストローはほんの一部だが、プラスチックの使用を減らすための第一歩として簡単な方法だと考えている。
カリフォルニア州マリブにあるカフェでは、パスタをストローとして使用し始めた(グルテンフリーのものを注文することも可能)。スムージー店などストローが必要な飲食店では、パイレックス、竹や金属製の再利用可能な代替品をロフリン氏は提案する。
プラスチック製ストローが批判されるなか、製造業者はリサイクルを強調する。
「我々は最近の消費者の懸念をすべて理解している。」とテトラパックの環境担当副社長マリオ・アブリュー氏は述べる。テトラパックは主に食品包装を製造しているが、多くの飲料容器にはストローが付いている。「プラスチックを使用しているとの認識があるため、対策を講じている。」と言う。法人顧客向けには、飲み終わったらストローを容器に押し戻してパッケージごとリサイクルに出すメッセージを表示するようアドバイスしている。アブリュー副社長は、「ストローより良い選択肢があれば、我々はそれを利用したい。」と言う。耐久性があり、安全で手頃な代替品が利用できるようになるまでは、ストローを使用しリサイクルを促進することにとどまる。
英国でプラスチック製食器類を製造するプラスティコのジョン・リーヴズ欧州販売担当は、紙製ストローやバイオプラスチック製ストローはコストがかかり、バイオプラスチック製ストローは、一般が考えるほど環境にやさしくはないと主張する。
生分解するストローの多くはポリ乳酸(PLA)から製造される。リーブズ氏は、PLAストローは工業用堆肥化施設でのみ分解でき、英国の施設ではPLAストローを受け付けていないと話した。結果的に生分解できるストローは処理できず埋立地に運び込まれる。生分解するというラベルは、単なる「罪悪感を抱かずに済む梱包」だとリーブズ氏は言う。
紙製ストローにはこのような短所はないが、プラスチックと比べて耐久性が低く高価である。
堆肥化施設が生分解するストローを処理できたとしても、企業が「生分解する」と誤った表示をするという問題もある。消費者がそういったラベルの製品を好んで購入するからである。ニューヨーク州サウスホールドの固体廃棄物コーディネーターのジム・バンチャック氏は葉製のごみ袋に生分解するとされたごみを入れて実験をした。「本当に矛盾している。袋は分解できたが、プラスチックは小さなかけらに分解されただけであった。たとえそのかけらが見えにくいほど小さいものであったとしても、化学成分が環境に浸出したり、何も知らない動物が食糧にしてしまったりすることがある。」と話した。
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