青少年はネット中毒になりやすく、それに没頭しすぎると成績を落とすなど負の面もあるが、IT環境が整いつつある現代、それらが学習に繋がる側面も持っており、やみくもに禁止するのも考えものである。我々のソーシャルメディアの利用の仕方は変わってきており、長時間のネット使用はもちろん問題であるが、上手に付き合っていく方法が求められている。
4月17日付英国
『BBC』は「オンラインでチャットしながら作文を書けるのか?」との見出しで以下のように報道している。
ティーンの若者は「勉強しながらチャットや動画を見る」、そんなマルチタスク技能を身に着けているのか。
試験前に親が「携帯を消しなさい」とうるさい時、携帯をしながら勉強できると言い訳が可能なのだろうか。
そんな事は幻想だと専門家はいう。若者はスマートフォンに対して「中毒反応」を見せるもので、常に新着通知を気にし反応しようとする傾向にある。...
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4月17日付英国
『BBC』は「オンラインでチャットしながら作文を書けるのか?」との見出しで以下のように報道している。
ティーンの若者は「勉強しながらチャットや動画を見る」、そんなマルチタスク技能を身に着けているのか。
試験前に親が「携帯を消しなさい」とうるさい時、携帯をしながら勉強できると言い訳が可能なのだろうか。
そんな事は幻想だと専門家はいう。若者はスマートフォンに対して「中毒反応」を見せるもので、常に新着通知を気にし反応しようとする傾向にある。電源を消すことができず、睡眠不足や精神不安定になる結果、学業がおろそかになってしまう。この懸念は国際的な研究に裏打ちされるものである。
MITを含む研究チームによるボストン地区の学生を対象とした調査によると、「青少年のメディア並行作業と学業不振には一定の因果関係があること」が分かったという。また、別の調査では、英国の携帯電話を禁止した学校での学生の成績推移を追ったところ、学生の成績が上がり、特に成績が低い子や低所得家庭の子で最も効果が顕著だったという。別の研究では、オンラインで並行作業をする人が反応が早いわけでなく、逆に生産性が低く、記憶力テストでも成績が悪かったという。
それが事実なら、スマホ中毒の若者は携帯から物理的に隔離しなければいけないのだろうか。問題は、レポート等を書く際、同時にチャットなどをすることでどっちつかずの状態になることである。SNSが編集中のレポートと同じ画面に見えている状態は、遊び場と図書館が一体となっているようなものである。「Youtube」は仕事を先延ばしにするサウンドトラックのようなものだが、世界中で非公式に使われる編集サービスのようなものでもある。「Google」は、ウェブ上の無料の教育テキストに繋がる最初のページとの側面もある。ただやみくもに「消しなさい」というのも間違えであると専門家はいう。
親が出来る良い方法は、子どもがネットに長時間かまけているようなら「ネットの調子はどう?」と聞き、対立せず丸め込むのが良い。もしかしたら、級友とテストについてチャットしているのかも知れず、勉強と切り離せないグレーな部分もあるだろう。
その反面、このようなネット上の交流は「ファーストフード」のようなもので、瞬時に得られる報酬が重なることで、長期的に属するグループへの不満や抑圧が生じやすくなる恐れもあり、「良い面も悪い面もある」という。
一方、今年の報告書によると、我々のソーシャルメディアの利用の仕方は変わってきており、青少年のメディア使用が主に「一人でコンピュータ機器を使ったもの」に変わってきているという。(家族全員が同じテレビを見る習慣は過去のものになってきている)。
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