話題の仮想アートは「フォーエバー・ローズ」と名付けられ、視覚的概念アーティストのケビン・アボッシュ氏とインターネット上で仮想の贈り物を取り扱うプラットホームを運営する団体GIFTOが共同制作したものだ。世界で150名以上が購入に興味を示したが、運営団体は10名に購入の権利が与え、落札金額を等分することを決めた。2月14日に購入者を決定する投票が行われ、10名が決定し、100万ドル(約1億円)で落札された。購入者にはORCAファンドやTLDCキャピタルなど仮想世界のビジネスに投資をするコレクターが選ばれ、等分された金額を仮想通貨で支払った。
仮想アートは、仮想通貨などに使われる技術「ブロックチェーン」をアートに応用したもので、普通のアートと異なり、実際に見たり触ったりすることはできない。ただ、収益を慈善事業に使う目的があることから、ブロックチェーン技術と美術、慈善事業の融合が期待される。落札者の一人であるプロジェクト・ケアリング・チェーンの創設者モーリー・ワン氏は「ブロックチェーンの技術は慈善業界全体を変革する大きな可能性を秘めている。我々は、世界で最初の仮想慈善アートという歴史的な出来事の一員になることができて誇りに思う。」と話した。
購入者は、アボッシュ氏が描いたバラの絵に基づいて作られたデータERC20を10分割して、保有を示す証拠として保持することができる。購入者はそれらを他者に売ったり、贈り物にしたり自由にできる。アボッシュ氏はCNNの取材に対し「人は実際に見たり触ったりできるものに価値を見出してきたが、最も価値のあるもの、例えば愛情というようなものは感じることはできても見ることはできない。フォーエバー・ローズは芸術の本質的なものの要素に念頭を置いている。」と述べた。
今回の収益は若者向けに無償でコンピューター教育を行う団体に寄付されるという。
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