WMOは、米国の海洋大気庁(NOAA)と航空宇宙局(NASA)、英国の気象庁、欧州中期予報センター、日本の気象庁の5つの主要な国際気象機関のデータを統合し、2015年から昨年までの3年は、史上最も気温が高かった3年間だったと結論づけている。
さらに、単年度で見ると、2016年はエルニーニョ現象の温暖化効果の影響で平均気温が上昇し、観測史上最も気温が高かった年であり、2017年はエルニーニョ現象が起きていない年としては最も気温が高い年で、同現象が起きた2015年を僅かに上回ったという。...
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WMOは、米国の海洋大気庁(NOAA)と航空宇宙局(NASA)、英国の気象庁、欧州中期予報センター、日本の気象庁の5つの主要な国際気象機関のデータを統合し、2015年から昨年までの3年は、史上最も気温が高かった3年間だったと結論づけている。
さらに、単年度で見ると、2016年はエルニーニョ現象の温暖化効果の影響で平均気温が上昇し、観測史上最も気温が高かった年であり、2017年はエルニーニョ現象が起きていない年としては最も気温が高い年で、同現象が起きた2015年を僅かに上回ったという。
「個別の年度のランキングよりも、長期的な気温の傾向の方が遥かに重要であり、傾向としては、気温は上昇基調にある。」とWMOのペッテリ・ターラス事務局長は声明で述べている。21世紀は今のところ、最も暑い気候が続いており、観測史上最も気温が高かった18年の内の17年を占めているが、中でも「過去3年の温暖化の程度は例外的だった。」とターラス氏は続けた。
北極の氷の量が大きく減少し、熱帯の珊瑚礁も高い海水温で白化現象が起き、深刻な状況に直面するなど、温暖化の影響は地球全体に及んでいる。WMOは気候に関連した各地の自然災害の甚大化にも注目しており、昨年米国では記録的な水準に達し、多くの国がハリケーンや台風などの暴風雨、洪水、渇水などにより大きな被害を受けた。
2017年の地球表面の平均気温は摂氏1.1度、産業革命時点での水準を上回ったとされているが、この結果を受けて専門家は、地球は2015年の「パリ協定」で示された一連のレッドラインに近づきつつあると警告した。同協定は気候変動に関する国際的枠組みであり、産業革命前からの世界の平均気温上昇を「2度未満」に抑えることとしているが、加えて「1.5度未満」を目標としている。
最近では、比較的気温が低くなると言われる、エルニーニョ現象が起きていない年でも、最高気温を更新するような現象が起きており、温室効果ガスの排出増加という人為的な原因が加わったことが大きいとされる。WMOでは、このままだと2060~70年頃までに、2度上昇のレベルに達する危険性があると警告している。
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