イスラム教過激派組織「イスラム国(IS)」の掃討作戦を実施してきた米国が主導する有志連合は15日、ISは2014年に「カリフ制国家」の樹立を宣言したイラクとシリア内での支配地域の内、95%を失ったと発表した。
「我々の有志連合が2014年に結成されて以来、ISはかつてイラクとシリアで支配していた地域の95%を失った。」と有志連合の米国特使であるブレット・マクガーク氏が15日遅く、ヨルダンでの会合後に述べている。
ISはシリアとイラクに同時に侵攻し、両国国境にまたがる「カリフ制国家」の樹立を一方的に宣言した。支配する地域は英国とほぼ同じ面積となり、多くの外国人兵士を引きつけることとなった。
しかし、米国が主導する有志連合の軍隊などが掃討作戦を行い、ISは今やかつて支配していた地域の殆どを失った。...
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「我々の有志連合が2014年に結成されて以来、ISはかつてイラクとシリアで支配していた地域の95%を失った。」と有志連合の米国特使であるブレット・マクガーク氏が15日遅く、ヨルダンでの会合後に述べている。
ISはシリアとイラクに同時に侵攻し、両国国境にまたがる「カリフ制国家」の樹立を一方的に宣言した。支配する地域は英国とほぼ同じ面積となり、多くの外国人兵士を引きつけることとなった。
しかし、米国が主導する有志連合の軍隊などが掃討作戦を行い、ISは今やかつて支配していた地域の殆どを失った。有志連合は14日、イラクとシリアで過去3週間に行った空爆により、外国人戦闘員の募集や武器の調達などに関わったISの幹部ら4人を殺害したことを発表しており、ISが戦闘員の募集や訓練を行ったり、イラク、シリアなどでテロ攻撃を実施したりする能力をも失わせたとしている。
マクガーク氏は「750万人以上の人々がISから解放された。」と声明で述べ、ISの財政状況は「これまでの最低の水準にある」ことも明かした。
ISの独立国家樹立の夢は戦闘に相次いで敗れて破綻し、西側諸国の注目は、ISの外国人戦闘員が帰国して、襲撃事件を起こさせないよう阻止することに移ってきている。
マクガーク氏は、ISの外国人戦闘員のシリアへの流入はほぼ止まったとしており、国境を超えようとする際に身柄を確保される者が増えていると指摘している。「我々は協力して国境や空の警備を強化し、法律の施行、経済制裁や情報共有を行って、ISが各国に戻って襲撃事件を起こさせないようにしている。」と同氏は述べた。
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