中国では、これまでの経済成長の勢いが削がれ、2015年は、1990年の3.84%以来の低成長率である6.81%を記録した。更に、昨夏以降断続的に続く株式市場の乱高下に遭い、世界経済にも暗い影を落とし始めている。しかし、そういう時であっても、また、厳しい時であるからこそ、多くの都市部出稼ぎ中国人は、春節を故郷で家族と祝うことが楽しみのようである。そして、今年の2月7~13日の春節休暇の期間も含め、延べ29億人と推定される民族大移動が1月24日から始まったと各国メディアが伝えている。
2月3日付米
『Foxニュース』(
『CNNニュース』引用)は、「春節の混雑もあって、数万人が鉄道駅で足止め」との見出しで、次のように報じた。
「・今年の春節時の民族大移動は1月24日から約40日間続くが、延べ29億人が飛行機、鉄道、車などで移動。
・鉄道だけで3億3,200万人が移動すると言われるが、中国南部の広州駅では、折からの吹雪で列車が立ち往生したこともあって、一時期は10万人が足止め。...
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2月3日付米
『Foxニュース』(
『CNNニュース』引用)は、「春節の混雑もあって、数万人が鉄道駅で足止め」との見出しで、次のように報じた。
「・今年の春節時の民族大移動は1月24日から約40日間続くが、延べ29億人が飛行機、鉄道、車などで移動。
・鉄道だけで3億3,200万人が移動すると言われるが、中国南部の広州駅では、折からの吹雪で列車が立ち往生したこともあって、一時期は10万人が足止め。2月2日に5万人 となったが、2月3日でもまだ3万3千人が列車待ち。
・広州鉄道公社は、旅行客に列車発車時刻の3時間以上前には駅に来ないよう通知し、また、6,200人もの警備員を配備して混雑緩和に努力。」
2月4日付英
『ザ・ガーディアン』紙は、「春節に寒波襲う」との見出しで、以下のように伝えた。
「・中国南部にはまれな25センチメーターの積雪と寒波が襲い、広州駅で一時10万人が足止めされ、また、中国中西部湖北省(フーペイ)の武漢(ウーハン)空港では67便が欠航。
・春節における世界最大の民族大移動の時期と重なったため、中国全土で混乱。
・また、中東にも寒波が襲い、クウェートでは気温が摂氏零下3度で、降雪も記録。」
同日付米
『NYSEポスト』オンラインニュースは、「新年に女性一人のフライト」との見出
しで、次のように報じた。
「・中国の春節を迎えた2月2日未明、中国南方航空の武漢発広州行きのフライトは、乗客の女性一人を乗せて就航。
・同フライトは137人乗りボーイング737-700機だが、中国南部を襲った降雪と寒波により、定刻より10時間遅延し出発が深夜となったことから、一人の乗客以外は全て他フライト等へ変更したため、さながらチャーター便化したもの。」
また、同日付中国
『シナ(新浪)ニュース』は、「北京で、春節を祝い6万2千の提灯」と
の見出しで、以下のように伝えた。
「・北京政府は春節を迎えるに当り、市内の174の道路、27の公園や観光名所、そして28の商業地区に6万2千もの提灯と7,100の中国式注連飾りを飾った。
・また、市内中に730キロメーター余りに及ぶ電飾も設置しライトアップ。
・今年の新年は2月8日に当り、当局は2月6日~13日の間、毎夜ライトアップ。」
日本でも、年末年始の帰省や旅行客で飛行機、鉄道、高速道路が軒並み混雑するが、中国
の春節大移動は半端ではないことが覗える。なお、人口2千万人を擁する北京でも、市民
の約3分の1が旅行等で市外へ移動するため、年中渋滞している高速道路や混雑のひどい
地下鉄はガラガラとなり、また、悪名高いスモッグもひどくなくなるという。
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