国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、昨年世界で執行された死刑は16カ国で1,153人となり前年比で3割増加したという。その急増は主にイランでの増加だが、情報が公開されていないものの、中国ではその数が数千人に上るとされている。
5月29日付
『Yahooニュース』(英BBC):「2023年世界で死刑執行増加、イランで顕著」:
2023年世界の死刑執行数が過去8年で最高となった。アムネスティ・インターナショナルの年次報告書によると、中東諸国で死刑執行が急増しているという。
世界16カ国で合計1153人で、前年比30%超の増加となった。麻薬犯罪での死刑を強化しているイランだけで全体の74%を占めており、サウジアラビアが15%となった。...
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5月29日付
『Yahooニュース』(英BBC):「2023年世界で死刑執行増加、イランで顕著」:
2023年世界の死刑執行数が過去8年で最高となった。アムネスティ・インターナショナルの年次報告書によると、中東諸国で死刑執行が急増しているという。
世界16カ国で合計1153人で、前年比30%超の増加となった。麻薬犯罪での死刑を強化しているイランだけで全体の74%を占めており、サウジアラビアが15%となった。
この数には、毎年数千人が死刑となっているとされる中国は含まれていない。中国は情報を公開していないが、世界で最も死刑の多い国であると考えられている。同様に死刑を採用しているとされている北朝鮮やベトナムの統計も明らかになっていない。
死刑執行数が1634人とされる2015年以来、合計数は最大となっている。昨年イランでは、少なくとも853人が死刑となったとされ、2022年の576人、2021年の314人から増加している。半数以上が麻薬関連犯罪によるものだった。イラン当局は人権を完全無視し、麻薬関連犯罪での死刑を増やし、少数派や貧困層への差別を助長している。
世界的な増加の一方、現在死刑を行う国の数は最低となっている。ベラルーシ、日本、ミャンマー、南スーダンでは2022年の執行は行われていない。一方、パキスタンは昨年、麻薬犯罪での死刑を廃止、マレーシアでは強制死刑制度を撤廃している。スリランカでは、死刑再開を懸念し、大統領が死刑執行許可証への署名を拒否したことが確認されている。
西欧諸国では唯一死刑が行われている米国での数も顕著となっており、2022年の18人から2023年は24人に増加。アイダホ州とテネシー州では銃殺刑の執行法案が提出され、モンタナ州議会では、薬物注射での使用薬物の拡大が検討されている。
同日付米『アムネスティ・インターナショナル』:「世界の死刑執行過去10年で最高」:
アムネスティ・インターナショナルは28日発表の「世界の死刑に関する年次報告書」で、2023年の死刑執行は過去10年で最も多く、中東での増加が顕著となったとしている。
アフリカのサハラ以南で死刑が廃止された国はないが、ケニア、リベリア、ジンバブエでは死刑廃止が検討されている。ガーナでは廃止法案が可決したが昨年時点で法制化はされていない。
米国ではテキサス州、フロリダ州、オクラホマ州、ミズーリ州、アラバマ州の5つの州で死刑が執行された。加えて、2023年には2019年以来となる連邦政府による死刑を含め、25人が死刑となった。
最も多いのが中国で千人以上、次いでイラン、サウジアラビア、ソマリア、米国となる。2022年は20カ国だったが、2023年は16カ国となっている。女性への死刑は4カ国で執行され、中国、イラン、サウジアラビア、シンガポール。
中国では国家機密のため、執行数は不明となっているが世界で最も多くの死刑執行があるとされる。中国国営メディアは麻薬密売や収賄などの犯罪を厳罰に処すとしている。北朝鮮では、朝鮮語を使用しない国民への処罰として死刑を含めた新法が制定されており、ミャンマーの軍事政権は軍部の支配下で死刑を継続させている。
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