エストニアでは、今月ロシア経由の難民が国境検問所で急増していることで、ロシアを批判している。周辺国のフィンランドやノルウェーでも検問所閉鎖を行ったり閉鎖を検討しているという。
11月23日付
『ロイター通信』:「エストニア、ロシア国境での難民流入でロシアを批判」
エストニアの内相が23日、ロシアとの国境に難民を誘導する「ハイブリッド攻撃作戦」に関わっているとしてロシアを批判。
エストニアの内相によると、今月16日、主にソマリアやシリアからの約30人の難民がロシア経由でナルヴァ国境検問所にて同国に入国しようとしたが、難民申請者はおらず入国はしていないという。...
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11月23日付
『ロイター通信』:「エストニア、ロシア国境での難民流入でロシアを批判」
エストニアの内相が23日、ロシアとの国境に難民を誘導する「ハイブリッド攻撃作戦」に関わっているとしてロシアを批判。
エストニアの内相によると、今月16日、主にソマリアやシリアからの約30人の難民がロシア経由でナルヴァ国境検問所にて同国に入国しようとしたが、難民申請者はおらず入国はしていないという。
エストニアはロシア経由の難民急増に備え、国境閉鎖や、検問所以外から入国を試みる難民への対応を準備しているとしている。内相は、「残念ながら、ロシアの国境職員や他の機関が関与している兆候がみられる。率直に言うと、.東欧の国境での難民問題はハイブリット作戦なのだ」と述べている。
エストニアは、難民は各所の検問所に、「7から11人の集団単位で到着し、ロシアの国境警備隊が20日、準備した機器を使って難民らがエストニアの検問所で拒否されるのを撮影していた」とする。その映像は数時間以内に、ロシアメディアで放映されていたという。EU入国書類のない人々の流入をとめるようエストニア側の職員がロシアの職員に要求している。
近隣国のフィンランドでも21日、ロシア当局が500人以上の難民に直接関わっていたと発表。その多くはイエメン、ソマリア、シリア、イラクからの難民で、過去2週間はロシア経由で急増している。
20日、ロシアは不法移民を意図的にフィンランド国境へ誘導していないと否定。ロシア国境警備隊はルールに則り任務を行っていると反論した。
エストニア・ロシア間の国境の状況は、ラトビアやリトアニアとベラルーシとの間の問題に類似する。この2国とポーランドは、2021年以来、中東やアフリカからの難民が急増しているとしてベラルーシを批判している。
同日付英『Guardian』:「エストニア、欧州の国境で難民を利用するロシアを批判」:
エストニアは、東欧の国境の難民増加をロシアが利用していると批判している。
エストニアのハンノ・ペヴクル国防相は、ストックホルムで開催された国防相会談で、ここ数週間で数百人の難民がロシアの作戦により入国しようとしているとし、ラトビアのアンドリス・スプルーズ国防相は更に、ロシアのプーチン大統領を「操られた指導者」だと批判した。
フィンランド国境警備隊によると、今年11月以降、約800人の難民がフィンランドに入国。同国は1箇所を除き検問所を閉鎖しており、欧州国境沿岸警備庁(Frontex)の支援を求めている。
エストニアはフィンランドの対応を称賛。ストックホルムでの記者会見でペヴクル国防相は「難民のルートに関わらずこれは国家的策略だ。ロシア国内ではロシア連邦保安庁の許可なく立ち入り可能な国境地域はない。冬に自転車で数百人の難民がフィンランドの検問所に入っている状況なのだ」と述べた。
スプルーズ国防相は、フィンランドやエストニアの国境での難民問題で「誰が黒幕かは疑いがない。立役者は傀儡のプーチン氏だ」とした。
国境での緊張の高まりと同時に、トルコが外相会談での加盟承認を否定したことで、スウェーデンのNATO加盟は更に先延ばしとなった。会談ではウクライナ支援の継続や、海洋インフラの防衛も議題となった。
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