ロシアのウクライナへの侵攻は、エネルギーや食糧だけでなく、テクノロジー業界にも影響を及ぼしている。ロシア最大のSNS企業「VK」が25日、西側の制裁によりロシアではほとんど機能していないGoogleのモバイルアプリストア「Play Store」に代わる自作のアプリストア「RuStore」を立ち上げた。
『ロイター通信』は、ロシア国内での新しいアプリストアの立ち上げは、ロシア政府が欧米のライバル企業に代わる国内デジタルサービスを数多く創出しようという目的のための最新の動きだと伝えている。
VKはしばしば「ロシアのフェイスブック」と呼ばれ、RuStoreと名付けられたこのストアのベータ版がAndroidユーザー向けに提供される。世界2大アプリストアのAppleとGoogleは、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、ロシアのユーザーへのアクセスを制限している。...
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『ロイター通信』は、ロシア国内での新しいアプリストアの立ち上げは、ロシア政府が欧米のライバル企業に代わる国内デジタルサービスを数多く創出しようという目的のための最新の動きだと伝えている。
VKはしばしば「ロシアのフェイスブック」と呼ばれ、RuStoreと名付けられたこのストアのベータ版がAndroidユーザー向けに提供される。世界2大アプリストアのAppleとGoogleは、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、ロシアのユーザーへのアクセスを制限している。一方ロシア当局は、国内のデジタル代替手段の迅速な開発を推進し、メタのInstagramやFacebook、あるいはTwitterやGoogleのニュースプラットフォームへのアクセスを制限するなど、オンライン空間に対する支配力を強めている。
RuStoreは、ロシア情報技術・通信省のほか、ロシアのテクノロジー企業Yandex、同国最大の金融機関Sberbank、サイバーセキュリティ企業Kaspersky Labの支援を受けて開発されたという。VKは、政府のサービス業務の一部を含む100以上のアプリケーションがストアで利用可能であり、さらに毎日追加されていると発表した。VKのウラジミール・キリエンコCEOは、「RuStoreは、ユーザーとソフトウエア開発者の双方から需要があると確信している。ロシア最大のアプリストアになるために必要なものがすべて揃っている」と述べている。
しかし、ロシアは、ウクライナ侵攻直後、数週間の間に数多くのIT専門家の国外移住に直面し、現在政府はハイテク企業の所得税減税と優遇融資、従業員の徴兵猶予を約束し、彼らをロシアに引き留めようとしているという。
アンドロイド版ソフトウエア開発者のためのフランス語ニュースサイト『Android.Developpez』によると、RuStoreからダウンロードされるアプリは、Kaspersky Labのセキュリティソフトを用いて、悪意のあるコードが含まれていないことを確認できるようになっているという。RuStoreは今後数週間から数ヶ月のうちに、即時通知プラットフォーム、決済システム、アプリケーションレビューも含める予定だという。そして年内には、マーケティングツールや分析ツールも提供することを目標にしている。ロシアのメディアによると、すでに一部の開発者が個人アカウントを開設しており、RuStoreに自分のアプリをアップロードすることができるようになっているという。
なお、ロシア当局は、ロシアで販売されるすべてのスマートフォンにRuStoreをプリインストールすることを要求したと伝えられている。
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