中国は、欧米が一斉にウクライナ軍事侵攻のロシアを非難しているのに、友好関係にあるためか煮え切らない態度に終始している。そのため、かねて対立してきた米国のみならず、「一帯一路経済圏構想(BRI)」の下での連携を図りたい欧州連合(EU)からも、批判する声が高まっている。そこで、EUとの関係修復のためには手段を択ばず、この程、国交樹立50周年を迎えたオランダとの関係を殊更強調することで、EU宛に連帯をアピールしようとしている。
5月19日付
『新華社通信』は、「習国家主席とオランダ国王、国交樹立50周年を祝福」と題して、1958年のEU設立時の6つの原加盟国のひとつであるオランダとの国交樹立50周年を両国首脳が祝福していると報じている。
習近平国家主席(シー・チンピン、68歳、2012年就任)及びオランダのウィレム・アレクサンダー国王(55歳、2013年即位)は5月18日、国交樹立50周年を祝福するメッセージを交換した。...
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5月19日付
『新華社通信』は、「習国家主席とオランダ国王、国交樹立50周年を祝福」と題して、1958年のEU設立時の6つの原加盟国のひとつであるオランダとの国交樹立50周年を両国首脳が祝福していると報じている。
習近平国家主席(シー・チンピン、68歳、2012年就任)及びオランダのウィレム・アレクサンダー国王(55歳、2013年即位)は5月18日、国交樹立50周年を祝福するメッセージを交換した。
習氏はメッセージの中で、国交樹立以降、両国間の関係は多くの分野で実のある成果をもたらしていると表明した。
習氏は2014年、(中国主導のBRIを欧州まで拡大することを目論んで)国王と共に二国間の総合的協力体制構築のために連携を強化していくことを誓い合ったとし、オランダは、中国・EU関係を更に拡大していく上での“ゲートウェイ”としての役割がより重要となってきているとも言及していた。
習氏は今回、新型コロナウィルス感染問題発生以降、中蘭両国は両国民の感染症対応のために相互に協力し合ったとも強調した。
その上で習氏は、両国及び両国民の利益に繋がるよう、持続的で健全かつ安定的な相互関係促進のためにアレクサンダー国王と一緒に努めていきたいと付言した。
一方、アレクサンダー国王は、過去50年を通じて、両国関係は経済・貿易のみならず、人的及び文化交流が活発化する程大いに発展してきたと述べた。
その上で同国王は、今後とも双方の努力で以て、両国間関係は更に総合的に発展していこうとも言及した。
なお、両首脳とは別に、李克強首相(リー・クーチアン、66歳、2013年就任)は同日、オランダのマーク・ルッテ首相(55歳、2010年就任)と祝福メッセージを交換した。
両氏とも、両国間の関係強化のために一層努力していくことを相互に確認している。
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