ハンガリー、与党圧勝でオルバーン政権続投(2022/04/04)
3日に行われたハンガリーの議会選挙で、現職のオルバーン首相は、フィデス=ハンガリー市民同盟党の圧倒的な勝利により、4期連続、通算5期目の政権を獲得した。野党6党は、オルバーン首相の失脚を目指した活動を展開していた。しかし、投票日当日には支持率が低下し、議会の3分の2の多数を確保したフィデスに敵わないことが明らかになった。
仏の
『ユーロニュース』は、ハンガリーでは、ウクライナでの戦争はフィデスへの支持を強めたと伝えている。そして、オルバーン政権はLGBTQなどに対する政策をめぐって欧州と争っている政府を国民が強く支持しているとして捉えるだろうと指摘している。一方で今回の選挙結果は、ハンガリーが政治的に分裂していることを示しており、6つの統一野党が最大の投票率を獲得した首都ブダペストと、与党が勝利した国の残りの部分に分かれたと伝えている。...
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『ユーロニュース』は、ハンガリーでは、ウクライナでの戦争はフィデスへの支持を強めたと伝えている。そして、オルバーン政権はLGBTQなどに対する政策をめぐって欧州と争っている政府を国民が強く支持しているとして捉えるだろうと指摘している。一方で今回の選挙結果は、ハンガリーが政治的に分裂していることを示しており、6つの統一野党が最大の投票率を獲得した首都ブダペストと、与党が勝利した国の残りの部分に分かれたと伝えている。
豪『abc.net.au』は、集計がまだ終了していない中、オルバーンのフィデス党が選挙に勝つかどうかではなく、どの程度の勝利になるかが焦点だと伝えている。国政選挙事務局によると、約91%の票が集計され、フィデス党が53%を獲得し、親欧州の野党連合であるユナイテッド・フォー・ハンガリーは34%強を獲得しているという。
オルバーン首相は「全世界は今夜ブダペストで、キリスト教民主主義政治、保守的市民政治、愛国主義政治が勝利したことを見た。我々はヨーロッパに、これは過去ではなく未来であると伝えているのだ」と語った。
ハンガリーの6つの主要野党がイデオロギーの違いを乗り越えてフィデスに対抗する統一戦線を形成したため、今回の選挙はオルバーン首相が2010年に政権を取って以来最も接戦になると予想されていた。有権者は199議席の国会議員を選出する。
今回の選挙では、急進的な右派政党「わが祖国運動」が6%以上の得票率を獲得し、議席獲得に必要な5%の基準値を上回るというサプライズもあった。
オルバーン首相は、当初、社会的・文化的な対立軸で選挙戦を展開していたが、2月のロシアのウクライナ侵攻を機に選挙戦のトーンを劇的に変え、選挙を「平和と安定か、戦争と混乱か」の選択だという選挙キャンペーンを展開した。
野党が紛争状態にある隣国を支援し、EUやNATOのパートナーと歩調を合わせるよう求めたのに対し、オルバーン首相は、ハンガリーは中立を保ち、ロシアのガスや石油を有利な条件で輸入し続けるなど、モスクワとの緊密な経済関係を維持すると主張した。
移民、LGBTQの権利、「EU官僚」を激しく批判するオルバーン首相は、欧州と北米の右派ナショナリストからの支持を集めており、自らをイスラム系移民、進歩主義者、「LGBTQロビー」に対する欧州キリスト教の擁護者として位置づけている。
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カブール空港近くの爆発テロの実行犯ISIS-Kとはどういう組織なのか(2021/08/27)
アフガニスタンの首都カブールの空港近くで起こった爆弾テロ。イスラム過激派組織「イスラム国(ISIS-K)」が犯行声明を出し、さらなる攻撃を予告している。ISIS-Kとはどのような組織なのか。
豪
『abc.net.au』と英
『スカイニュース』によると、「イスラム国ホラーサーン(ISIS-K)」は、かつてシリアとイラクの北部に広大な領域を保持していた、テロリスト集団「イスラム国」の分派である。この分派は、イラクとシリア以外の地域でのISISグループの勢力拡大の一環として2015年頃に初めて出現した組織で、主にホラーサーン地方と呼ばれる地域を拠点としている。ホラーサーン地方は、歴史的にはアフガニスタン、パキスタン、中央アジア、イランの一部にまたがっている。...
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豪
『abc.net.au』と英
『スカイニュース』によると、「イスラム国ホラーサーン(ISIS-K)」は、かつてシリアとイラクの北部に広大な領域を保持していた、テロリスト集団「イスラム国」の分派である。この分派は、イラクとシリア以外の地域でのISISグループの勢力拡大の一環として2015年頃に初めて出現した組織で、主にホラーサーン地方と呼ばれる地域を拠点としている。ホラーサーン地方は、歴史的にはアフガニスタン、パキスタン、中央アジア、イランの一部にまたがっている。
7月に発表された国連安全保障理事会の報告書によると、ISIS-Kには数千人の戦闘員がいると推定されているが、外国軍の撤退による治安の悪化でこの数字が増える可能性もある。
オーストラリア政府によると、この組織は、暴力を奨励し異教徒を標的とする厳格なイスラム原理主義による統治を目指しているという。タリバンと敵対しており、タリバンのイスラム教解釈は柔らかすぎると考えている。
この対立は、ISIS-Kが、タリバンが外国軍と合意したカブール空港からの退避に応じる可能性が低いことを意味する。ISIS-Kは、昨年、母親と新生児を含む24人が死亡した産科病院での壊滅的な銃撃事件の犯行声明を出している。カブールでは、5月に学校の外で起きた一連の爆発事件で、女子学生を中心に少なくとも80人が死亡したほか、金曜日の礼拝中にモスクの外で爆発が起き、12人が死亡した。
米国の安全保障シンクタンクである戦略国際問題研究所(CSIS)によると、同グループは2015年から2017年の間に、アフガニスタンとパキスタンで100件の民間人への攻撃を行っている。車両や爆弾ベストを着た個人を使った自爆テロを行うことで知られているが、多くの場合、その後に銃を持った人物が発砲している。
ISIS-Kは、アフガニスタンからの外国軍撤退のきっかけとなったカタールのドーハでの話し合いを含め、タリバンが米国との交渉に積極的であることを批判している。カブール空港の攻撃に対する犯行声明では、「タリバン民兵は、長年にわたってアメリカ軍の利益のために働いていた何百人もの外国人従業員、翻訳者、スパイを退去させている」と非難している。
米『デイリー・ビースト』によると、世界のジハード主義運動では、半世紀にわたって内戦が繰り広げられており、複数の大陸、数十の国で行われているという。近年、ISIS-Kはその領土のほとんどを失っている。一部は、今は亡きアフガニスタン政府に、残りの領土はタリバンに奪われた。
しかし、テロリストグループが共通の敵と戦っている場合、攻撃対象や残虐性のレベルで互いに競い合おうとし、一方のグループが交渉して穏健な姿勢をアピールしようとすると、より弱い過激派は、注目を浴びるような攻撃を行い、テロリスト運動の主導権を奪おうとする動きが常に見られてきたという。ISIS-Kがより危険な存在であると認識されているため、パキスタンとロシアなどがタリバンと協調してISISに対抗してきたものの、今回タリバンがアフガニスタンをほぼ完全に支配していることから、ISIS-Kが行動を起こすのは必然だったと言える。
今回タリバンが、国の大部分を占領することに成功した。ISISにとっては、タリバンがまだ固めていない領土に進出し、自分たちのものにする機会でもある。彼らが成功するためには、アフガニスタンの地元住民を説得して自分たちの目的に参加させるか、タリバンやアルカイダのより過激な部隊からの離脱者を確保していく必要がある。彼らが自分の信頼性を証明するには、注目を集める攻撃を行うのが最も効果的であるため、誘拐や身代金要求などと並行して、今後テロ攻撃は増えていくと予想される。
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