米メディア;日本が2年振りに死刑執行と報道(2021/12/23)
古川禎久法務相(56歳)は12月21日、死刑囚3名の死刑を執行した旨発表した。これは2019年以来2年振りのことだが、トランプ政権下で17年振りに再開させた米国とともに、西側先進国の中では唯一の存在となっている。
12月22日付
『UPI通信』:「日本、2019年以来3名の死刑執行」
日本は12月21日、2019年以来2年振りに下記の死刑囚の死刑を執行した。
藤城康孝死刑囚(65歳):2004年に親類・隣人7人を刺殺。2009年5月に一審で死刑判決が出たが、上告の結果2015年に最高裁で確定。
高根沢智明死刑囚(54歳):2003年にパチンコ店従業員2人に対して強盗殺人。2005年7月に死刑確定。...
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12月22日付
『UPI通信』:「日本、2019年以来3名の死刑執行」
日本は12月21日、2019年以来2年振りに下記の死刑囚の死刑を執行した。
藤城康孝死刑囚(65歳):2004年に親類・隣人7人を刺殺。2009年5月に一審で死刑判決が出たが、上告の結果2015年に最高裁で確定。
高根沢智明死刑囚(54歳):2003年にパチンコ店従業員2人に対して強盗殺人。2005年7月に死刑確定。
小野川光紀死刑囚(44歳):高根沢死刑囚の共犯。2009年6月に死刑確定。
古川禎久法相は、“慎重な上にも慎重な検討を加えた上で”死刑執行を命じた、と述べた。
日本は前回、2019年12月26日に3名の死刑を執行していたが、岸田文雄首相(64歳)政権下では初の実施となる。
その前年の2018年には、カルト集団オウム真理教の13名の死刑囚含めて合計18名の死刑を執行していた。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(AI、注後記)死刑問題専門家のチアラ・サンジョルジョ氏は、新政権下での対応の変化の可能性を潰し、“人権を無視するという従来の日本政府の所業を継続させる許されざる行為だ”と糾弾した。
これに対して、木原誠二内閣官房副長官(51歳)は、“(残念ながら)凶悪犯罪が継続的に発生している現状下、死刑制度を撤廃することは適当ではないと考える”とコメントした。
更に同副長官は、“多くの日本人は、極悪非道の犯罪の場合、死刑は止むを得ないことだと思っている”とも付言した。
(注)AI:国際連合との協議資格をもつ非政府組織で1961年設立。本部はロンドン。良心の囚人を支援、救済する運動がスタートではあるが、現在は良心の囚人関連以外にも国際法に則った難民の保護・救済活動や死刑の廃止・人権擁護などを啓発する運動を実施。団体名「アムネスティ」は “大赦” の意。1977年、ノーベル平和賞受賞。
(補足)AI発行の2021年4月「死刑執行2020」報告書によると、2020年に死刑を執行したのは18ヵ国で前年比▼2ヵ国減少、また、直近10年で最少となり、漸減傾向は継続。主な死刑実施国は、イラン(246人)、エジプト(107人)、イラク(45人)、サウジアラビア(27人)、米国(17人)、ソマリア(11人)、イエメン(5人)、インド及びオマーン(4人)等、合計483人。但し、AIが把握できない中国(国家機密、数千人の死刑執行の可能性)、北朝鮮、ベトナム等でも死刑執行継続。
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韓国与党、メディア懲罰法案強行採決で言論弾圧か(2021/08/20)
韓国国会の委員会は19日、報道機関に大きな罰則を与える可能性のあるメディア法の改正案を可決した。この法案に反対する人々は、この動きを独裁政権における報道の自由の抑圧になぞらえている。
『UPI通信』によると、韓国の与党「民主」党が率いるソウルの国会文化体育観光委員会は19日、最大野党である「国民の力」党の議員50人以上がこの法案の廃案を求める抗議行動を行う中、「報道機関の仲裁に関する法」の改正案を強行採決した。
反対派のイ・ダルゴン議員は、精神的苦痛を含む実際の損害の5倍分を原告が訴えることができるという今回の改正は、法律の粗雑な書き直しであると述べた。イ議員によると、委員会は当初、今回の改正で原告が実際の損害の3倍だけを訴えることを検討していたという。...
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『UPI通信』によると、韓国の与党「民主」党が率いるソウルの国会文化体育観光委員会は19日、最大野党である「国民の力」党の議員50人以上がこの法案の廃案を求める抗議行動を行う中、「報道機関の仲裁に関する法」の改正案を強行採決した。
反対派のイ・ダルゴン議員は、精神的苦痛を含む実際の損害の5倍分を原告が訴えることができるという今回の改正は、法律の粗雑な書き直しであると述べた。イ議員によると、委員会は当初、今回の改正で原告が実際の損害の3倍だけを訴えることを検討していたという。
「フェイクニュース」法と呼ばれているこの法案は、韓国の現政権が、ニュース記事の誤報が公人を含む市民の評判を落とすことへの懸念を示したことを受けて作成された。しかし、「国民の力」党のチェ・ヒョンドゥ議員は、この法案が、与党が過半数を占める国会で可決された場合、韓国の「世界メディア自由度ランキング」は現在の42位から180カ国中80位に下がる可能性があると述べている。
報道によると、野党は修正案作成への参加を拒否したため、与党議員は野党の意見を取り入れずに法案を審議した。韓国のメディア団体は、19日に委員会が修正案を承認したことを非難した。韓国ジャーナリスト協会とその他の団体は共同声明で、今回の改正は、公人の不正確な報道や不正確な表現を構成するものについて、「不明確で恣意的な解釈」の余地があると述べている。
韓国『コリア・ヘラルド』によると、報道仲裁法は、人々の権利、利益、評判を侵害する報道に関する紛争を調停することを目的としているが、与党が強行採決した改正法案は、懲罰的損害賠償の導入など、虚偽の報道に対する処分を厳しくしており、野党やメディアは、この改正法案はメディアの監視役を弱めることになると反対している。
改正法案の原案では、高級官僚や大企業の経営者も、悪意のある虚偽の報道や操作された報道に対して損害賠償を請求できることになっていた。しかし、反対の声を受けて、与党はそれらを除外した。過半数の議席を持つ民主党は、19に常任委員会の承認を得て、8月25日の本会議で法案を可決することを目指している。
これに対し「国民の力」党は、議題調整委員会を設置して法案の通過を阻止しようとしている。また、24日には青瓦台(大統領府)前で総会を開き、法案の撤回を要請する予定だという。
進歩的な「正義」党も、法案が常任委員会を通過して本会議にかけられた場合、反対すると述べている。同党報道官は、「報道仲裁法」は、力を持つ人々が批判から身を守るための手段となり、憲法上の表現や言論の自由が制限される懸念があると述べている。
韓国の4つのメディア団体は、「民主党の報道仲裁法改正案は、被害救済どころか、メディア統制や言論の自由の侵害に直結する可能性が高い」との声明を発表した。世界新聞協会もこれに加わり、韓国政府と民主党に法案の即時撤回を求めた。
世界新聞協会代表のヴィンセント・ペイレーニュ氏は、「世界で最も権威主義的な政権のいくつかが推進しているこの種の規制は、政治的・経済的な権力に対する批判を封じ込めるために用いられる都合のよい手段であることが多く、その結果、報道の自由を損なうことになる。もしこの改正案が推進されれば、韓国政府は、改革という名のもとに自由な批判的議論を抑制する同種の改革を行った最悪の権威主義政権の仲間入りをすることになるだろう」と声明で述べた。
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