ハロウィンの仮装パーティがすっかり定着した日本。ハロウィンが終わるとショーウィンドウはクリスマスムードに様変わりだが、アメリカにはもう一つ大切な行事が残っている。”サンクスギビング(感謝祭)”だ。11月最終木曜(今年は26日)に家族が集まりご馳走を囲む、日本でいうところの正月休みのような行事で、翌日の金曜は”ブラックフライデー”と呼ばれショッピングモール等では大々的なクリスマス用のセールが始まる。この感謝祭の伝統料理の七面鳥、今年は鳥インフルエンザで価格がやや上昇しているが大きな影響はない見込みだ。感謝祭は名前のとおり、収穫に”感謝”する日。感謝の心が心臓病のリスクを減らし健康的な生活に一躍買うとの研究報告がある。一方、出費がかさみ、気を使う感謝祭が却って現代人のストレスにもなっているとの世論調査もある。
11月16日付け
『Market Watch』によると、米国農業会連盟による食料品価格調査では、今年初めに米国中西部を襲った鳥インフルエンザの流行により七面鳥16ポンド(約7.2㎏)あたりの価格は、昨年の 21.65ドルから今年は23.04ドルに高騰した。
米国農務省によると、11月時点の七面鳥の国内生産量は昨年同時期の57.6億ポンドからわずかに下げて55.7億ポンドに落ち着いた。これは、中西部の農場がインフルエンザの流行に見舞われたが、他の地域での生産が部分的にそれを補填したためだ、と米国農業会連盟副チーフエコノミストのジョン・アンダーソンは述べている。...
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11月16日付け
『Market Watch』によると、米国農業会連盟による食料品価格調査では、今年初めに米国中西部を襲った鳥インフルエンザの流行により七面鳥16ポンド(約7.2㎏)あたりの価格は、昨年の 21.65ドルから今年は23.04ドルに高騰した。
米国農務省によると、11月時点の七面鳥の国内生産量は昨年同時期の57.6億ポンドからわずかに下げて55.7億ポンドに落ち着いた。これは、中西部の農場がインフルエンザの流行に見舞われたが、他の地域での生産が部分的にそれを補填したためだ、と米国農業会連盟副チーフエコノミストのジョン・アンダーソンは述べている。
スイートポテト、カボチャパイミックス、スタッフィング(七面鳥の詰め物)等の副菜の材料費も微増した中、七面鳥の価格上昇は大きく、今年の10人分の感謝祭の食事の平均合計金額は昨年の 49.41ドルから50.11ドルとなった。しかし、感謝祭が近づくと小売店の安売りセールにより価格が下がる可能性もある、とアンダーソン氏は述べている。
11月23日付け
『TIME』で感謝の心をもつとよい事を裏付ける複数の調査結果を掲載している。
1.心臓病のリスクが減る。
186人の心臓に障害を持つ男女の調査で感謝の気持ちと精神的な幸福度を判定したところ、より高い感謝の気持ちを持つ人は質の良い睡眠、心不全の症状の悪化を招く炎症が少ないことが分かった。また感謝の気持ちが大きいほど幸福感が高いことが分かった。
別の調査では8週間にわたって被験者に、感謝した事を書き留めるように指示したところ、その期間、重要な炎症バイオマーカーの循環レベルの低下、心拍変動の増加を示した。これは心拍数の変動により心臓病のリスクを低減する効果がある、と実験を行ったカリフォルニア大学サンディエゴ校家庭医学・公衆衛生のポール・J・ミルズ教授は著書で述べている。
2.よく眠れる。
睡眠障害のある人は、ベッドに入る前に感謝の気持ちを書き留めるとよい。
2011年の研究では、心配事等で気が高ぶって眠れないと悩む大学生を対象に夕方15分最近楽しかった出来事や今後楽しみにしている事等を書くように指示した結果、精神状態が安定しより質の高い睡眠が取れるようになった。
3.何事にも楽観的になれる。
2003年の調査では、被験者を3つのグループに分け、第1グループには「感謝した出来事」を一週間にわたって書かせ、第2グループには「嫌な出来事」について書かせ、第3グループには「普通の出来事」について書かせ実験を行った。数週間後、「感謝した出来事」について書いた第1グループの人々が最も楽観的であり、精神的に安定していることが分かった。この第1グループは他のグループよりも運動にも積極的であり、楽観的に過ごす事は精神的にも社交上も利点がある事が証明された。
4.感謝の心を持つと健康になる。
スイスの雑誌「人格と個人差」によると、1,000人のスイスの成人を対象にした調査で、感謝の心と健康が相関していることが分かった。感謝の気持ちのある人はより健康的な行動をし、健康上の心配に直面しても助けを求めることが顕著であった。他の研究では、感謝している人は、よりアクティブな活動を行う傾向にあると示唆された。
11月23日付け
『NPR NEWS』でもTIME誌同様、ポール・J・ミルズ教授による心臓病のリスクの調査結果が紹介されている。
11月21日付け
『Forbes』では、エミー・モーリン寄稿の「アメリカ人が感謝祭に感謝できない意外な理由が調査で明らかに」と題し、ハリス世論調査を紹介している。その調査によると、アメリカ人の5人に3人は感謝祭にはサッカー観戦を見たり、ストリーミングで動画を見たり、本を読み、ペットと過ごす事を優先したいと答えた。71%が休日にストレスを感じており、ストレスの原因は一位がプレゼントの買い物、2位が家族と過ごす時間、3位が料理と続いた。また、12%が家族との有意義な会話よりスマートフォンを使用したいと回答したとしている。
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