米議員による伝統的な野球のチャリティ親善大会に向け練習中に、スティーブ・スカリス下院共和党幹部が銃で撃たれて重傷を負った。銃撃犯は昨年の大統領選挙でサンダース民主党議員のボランティア活動をしていた支持者だという。そのことで保守派糾弾の盛り上がりを批判するなど政党対立へ発展するきざしがあり危惧されている。
米議員では、6年前にガブリエル・ギフォーズ元(民主党)下院議員が頭を銃撃され一時重体となったがリハビリを続け、以後「銃規制」支持を訴え続けている。一方スカリス氏は、全米ライフル協会(NRA)から最高グレードに格付けされるほど絶大的な銃の擁護派である。
6月14日付米国
『CNNニュース』は「スティーブ・スカリス襲撃は既に政治対立に発展」との見出しで以下のように報道している。
「バージニアで起きた襲撃事件はすぐに政治に結びつくものとなった。
トランプ大統領の支持者クリス・コリン共和党議員は襲撃は反トランプ左派によるもので「民主党は反抗論調を押さえるべきだ」と主張。「今日から銃をポケットに入れて歩く」等とラジオインタビューで述べた。...
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6月14日付米国
『CNNニュース』は「スティーブ・スカリス襲撃は既に政治対立に発展」との見出しで以下のように報道している。
「バージニアで起きた襲撃事件はすぐに政治に結びつくものとなった。
トランプ大統領の支持者クリス・コリン共和党議員は襲撃は反トランプ左派によるもので「民主党は反抗論調を押さえるべきだ」と主張。「今日から銃をポケットに入れて歩く」等とラジオインタビューで述べた。
この事件が政治問題へ発展することとなったのは、事件後「CNN」が襲撃犯はイリノイ州のジェームス・T・ホッジキンソンといい、彼のソーシャルメディアへの書き込みから反トランプ主義者で昨年の大統領選挙でバーモント州のサンダース民主党候補の選挙ボランティアもしていたと報道してからである。
サンダース議員は声明で、「ひどい事件に嫌悪感を覚える。はっきりさせておくが、いかなる場合でも暴力はゆるされない。最も強い言葉でこの行為を非難する」としている。
ホッジキンソンのフェースブックには、プロフィールでサンダースを「アンクルサム」と呼び、事件2日前には「トランプ氏は最低だ」と汚い言葉でののしる書き込みがあった。また、地元の情報誌には郵便局前のデモで「富裕層に課税を」というカード持った写真が掲載されている他、新聞には彼が多くの反共和党団体に属しており、その中には団体名を「共和党をつぶす」というものもあるとあった。
トランプ大統領はこの事件に対し政治的な声明はしていない。ライアン議長は「党員への襲撃は我々皆への襲撃である」とし、ペロシ院内総務も下院の団結を呼びかけた。
FOXに出演したニュート・ギングリッチ元下院議長は襲撃事件は氷山の一角だとし、左派への反対派の盛り上がりを批判、「保守派の大学生はキャンパスでの襲撃を危惧している」と述べている。更に、はっきり主張せずとも政党対立への関連性を示唆する意見は散見された。」
同日付米国
『NBCワシントン』は「前回国会議員が襲撃されたのは6年前、銃がこれまでになく波紋を呼ぶ」との見出しで次の様に報道している。
「バージニアで野球の練習中に襲撃を受けたスカリス院内幹事だが、6年前にはガブリエル・ギフォード元議員が頭部を撃たれている。ギフォード夫妻は事件以来銃規制擁護活動をしてきたが、一方のスカリスはその経歴からして同じ道をたどる可能性は低い。スカリスは憲法修正第2条(個人の銃保持・保有を保障する)の絶大な支持者で全米ライフル協会(NRA)から最高グレードであるA+に格付けされている。
米国は銃規制賛成派と反対派に分裂しており、これが銃撃事件後表面化し、議員の間で賛否が繰り広げられている。」
同日付
『ロイター通信』は「超保守派スティーブ・スカリス米議員が襲撃され負傷」との見出しで以下のように報道している。
「下院多数派院内幹事として投票をまとめ、共和党内の多数派を取り仕切る立場にあるスカリス議員が野球練習中に腰を打たれ重傷。下院議員の保守強硬派グループであるフリーダム・コーカス(自由議員連盟)をまとめる立場であるが、共和党主導の議案への阻止にしばしば苦労していた。スカリスは熱心なトランプ支持者であり、ライフル協会からも最高位を受け、ルイジアナの超保守派からの支持も厚く、75%の支持を受け再選されている。
出場予定だった野球大会は、1世紀以上前から続く民主・共和党議員によるチャリティ活動である。ライアン議長は声明で、ショートを守っていたスカリスは皆も知っているように野球大会に出場できなくて残念に思っていることだろうと述べている。」
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