比ドゥテルテ大統領、やや低下でも依然高い支持率(2017/04/06)
リサーチ会社「パルス・アジア・リサーチ」の世論調査によると、昨年7月にフィリピンの大統領に就任したドゥテルテ大統領は、就任直後は86%の支持率、昨年12月で83%だった支持率が今年3月にはやや低下したが、76%が依然として大統領やその政策を支持しているという。地域別支持率では、首都マニラを中心とするルソン島では最も支持率が下がったが、大統領の地元ミンダナオ島では最も高い支持率だった。富裕層では支持が上昇し、貧困層では、最も支持率が低下したという。
ドゥテルテ大統領を巡っては、世論調査と同じ時期にあたる先月中旬、下院議員により超法規的殺害や腐敗を理由に弾劾の申し立てが出されているが、議会は政権寄りの下院議員が多数派を占めており、委員会を通過するのは難しいだろうと見られている。
4月5日付米国
『ABCニュース』(AP通信引用)は「ドゥテルテの支持率は低下しても人気は維持」との見出しで以下のように報道している。
「水曜発表の「パルス・アジア・リサーチ」の世論調査(3月)によるとフィリピンのドゥテルテ大統領を信頼していた支持者の数が減少したが、4分の3の回答者は弾劾の申し立て中でも変わらず信頼を寄せているという結果。1200人の回答者のうち76%がドゥテルテ支持と回答、昨年12月の調査で83%だった当時より7%の減少となった。...
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4月5日付米国
『ABCニュース』(AP通信引用)は「ドゥテルテの支持率は低下しても人気は維持」との見出しで以下のように報道している。
「水曜発表の「パルス・アジア・リサーチ」の世論調査(3月)によるとフィリピンのドゥテルテ大統領を信頼していた支持者の数が減少したが、4分の3の回答者は弾劾の申し立て中でも変わらず信頼を寄せているという結果。1200人の回答者のうち76%がドゥテルテ支持と回答、昨年12月の調査で83%だった当時より7%の減少となった。先月中旬には麻薬犯罪容疑者に対する超法規的殺害や腐敗を巡り弾劾裁判を求める申立書がゲーリー・アレハノ下院議員により提出された。これらの行為により国民の信頼を裏切り、また法に定められる多額の銀行預金額の申請を怠ったとの理由。しかしながら、大統領は下院で圧倒的多数派のため弾劾の申し立ては困難を極めると見られている。」
4月6日付フィリピン
『Inquier.net』は「ドゥテルテ支持、政策支持はやや減少」との見出しで以下のように報道している。「ドゥテルテ大統領の支持率は昨年12月と比べやや落ちたものの、今も健在。リサーチ会社によると、首都マニラを中心とするルソン島で、更に貧困層を中心に最も支持率・政策への評価は低下した。富裕層では、どちらの回答も上昇しているという。一方、大統領の地元ミンダナオ島では最も高い支持率だった。
エルネスト・アベラ大統領報道官は声明で「国民は大統領の国の繁栄へのビジョンを依然支持している。弾劾に瀕する中の調査にもかかわらず、高い支持率がそれを証明している」と述べている。
アクィリノピメンテル3世上院議長は、支持率低下は新大統領のハネムーン期間が過ぎたことを示すが、国民は大統領とその指導力、ユニークな手法を愛している事を示す」としている。
支持率の低下を受け、アントニオ・トリヤネス4世上院議員(退役海軍)は、「フィリピン国民は光を見始めている。支持率低下を見て安堵した、来月には更なる低下を見せると期待する」と声明。」
4月5日付フィリピン
『フィルスター』は「パルス・アジア世論調査:ドゥテルテ支持の国民減少」との見出しで以下のように報道している。「就任後数か月が経過し、パルス・アジア・リサーチによる世論調査によると、ロドリコ・ドゥテルテ大統領の政策評価と支持率は下落した。大統領の支持率はミンダナオ島では90%、ビサヤでは84%で最も高い水準となった。(2~3%の下落)最も支持率が低下したのは、ルソンで67%、(前回の77%より)、首都マニラでは、5%減少で74%となった。また、富裕層での支持率は(12%)上昇、一方の貧困層からの支持率は(7~11%)低下した。
リサーチ会社社長は、ドゥテルテ氏の支持率はアキノ前大統領の2011年3月期の支持率と同じレベルで、大統領の支持率はこれまでも就任からの時間が経過するほど下降しており、今回の支持率低下に特別な理由があるとは考えられないと強調した。」
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迷走するフィリピン外交(2016/10/25)
今月25日から来日するフィリピンのドゥテルテ大統領は、中国を訪問し「中国が頼り、アメリカと決別する」と発言し、米国と世界を不安にさせたが、米国側はフィリピンと引き続き同盟関係を維持し麻薬問題でも支援を行うが、米国の利益を損なわせないとするなど駆け引きが続いている。ドゥテルテ大統領も来日を前に「米国との同盟関係は続いている」と日本のメディアに語るなど、来日での言動に世界から注目が集まる。
10月25日付米
『ABCニュース』(AP通信引用)は「フィリピンのドゥテルテ氏は世界の関係を損なっている、米国」との見出しで次のように報道している。
アジア外交担当トップ、ダニエル・ラッセル東アジア・太平洋担当国務次官補は、比ドゥテルテ大統領の発言により、比政府の思惑が非常に不透明な状態が米国や世界の関係を損なっていると発言。ラッセル国務次官補は、物議を醸す発言の数々は米比、他各国、政府内だけでなく、民間企業や米国内のフィリピン人コニュニティでも明らかに不安を招いており、これは好ましくない事態だとし、フィリピンとの同盟関係を続ける努力と麻薬犯罪を含め支援を行う考えを示した。...
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10月25日付米
『ABCニュース』(AP通信引用)は「フィリピンのドゥテルテ氏は世界の関係を損なっている、米国」との見出しで次のように報道している。
アジア外交担当トップ、ダニエル・ラッセル東アジア・太平洋担当国務次官補は、比ドゥテルテ大統領の発言により、比政府の思惑が非常に不透明な状態が米国や世界の関係を損なっていると発言。ラッセル国務次官補は、物議を醸す発言の数々は米比、他各国、政府内だけでなく、民間企業や米国内のフィリピン人コニュニティでも明らかに不安を招いており、これは好ましくない事態だとし、フィリピンとの同盟関係を続ける努力と麻薬犯罪を含め支援を行う考えを示した。東南アジア訪問でダニエル国務次官補は、フィリピンのヤサイ外相と麻薬取締にともなう殺害について会談、また、ジョンケリー国務長官も電話で「両国の近況」について会談した。
ドゥテルテ政権内は官僚内でも混乱を起こすほど、一貫性がなく物議を醸しているが、米国との同盟を解消したいのではなく、ただ米国至上主義の外交政策とは決別したいという。
ジョン・カービー国務省報道官は、米比の軍事協定に言及。ヤサイ外相は米比軍事演習継続可能かとの質問にノーコメントとした。南シナ海のスカロボー礁を米比軍が監視すれば、中国への抑止の目となる。米比関係の緊張を解き和解を望むが、それを優先し米国の損害となる事態は好ましくない、とラッセル氏。ドゥテルテ大統領は先週中国との会談後スカロボー礁はフィリピンに戻される可能性があるとしていたが、中国側の条件には言及しなかった。当件で中国外交部ルカン報道官はノーコメント、中比間の政治交渉次第で解決されるとした。
10月24日付
『ロイター通信』は「フィリピンのドゥテルテ氏、日本訪問をひかえ対米策を軟化」との見出しで次のように報道している。
米国との「決別」を宣言した比ドゥテルテ大統領は、米国に背を向け中国に近づくフィリピン外交を懸念する日本を訪問予定だが、日本のメディアに対し「同盟関係は続いているので心配はいらない」と発言。この発言は安倍首相に歓迎されることだろう。岸田外務大臣は火曜ドゥテルテ大統領と会談する予定。
翌日に安倍首相は高官との正式会談後、2者会談の予定。
「日経新聞」は、ドゥテルテ大統領は(中国で米国との同盟解消に言及したのは)個人的意見を言ったもので、米国との決別は政府としての見解ではない、と述べ、中国とは貿易関係の同盟を結ぶ予定だという意味だと報道。しかし一方、「読売新聞」は、同氏は米比合同軍事演習をやめ、軍事協定を解消したいと強調したと報道。
安倍首相は残念だが日本のフィリピンへの貢献は変わらないとし、ジョン・ケリー米国務長官は米比関係解決の自信を示している。
10月25日付フィリピン
『フィルスター』は「ヤサイ外相: 独立外交は同盟解消ではない」との見出しで次のように報道している。
パセイ市で開かれた国連デーの行事演説で、ヤサイ外相は、自治権をもつ国は自国の現状にあわせ、自国で決断を下す権利がある。フィリピンは柔軟性と戦略バランスを保ち、国際法に従い、国益に最良の方法をとる。独立したプラグマティックな外交で、自国の利益を優先し同盟を拡大すると強調した。また、フィリピンは国際コミュニティに関わりながら、対立や相違を克服し近隣他国と共通の目的のため同盟や協力をしつつ一方、緊急の課題を解決する、とした。
国連について外相は、「国連は、国々の共通の課題への大綱を示し、有効な解決を模索するべきだ」とした。国連を巡っては、ドゥテルテ大統領が国連を脱退すると発言し、後に冗談だとしていた。
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