中国の楼継偉財政相は3月7日、現在開催中の全国人民代表大会に合わせて記者会見を行い、2016年の財政赤字の目標をGDPの3％とし、2015年の2.3％から拡大すると述べた。 赤字が拡大する理由については、2016年の経済成長率目標である6.5％～7.0％を達成し中国経済の構造改革を強力に推進するためとした。また、卸売物価の低下が法人税収の減少をもたらしていることも赤字拡大の要因とした。

先週格付機関のムーディーズは中国国債の格付の見通しについて、経済構造改革実現の不確実性、政府債務の増大、外貨準備の減少を理由に、「安定的」から「引下げ含み」に変更したが、中国の政府債務の対GDP比率は約40％と日本の230％は勿論のこと他の先進国の債務比率と比較しても未だかなり低いレベルである。因みにムーディーズの格付は中国がAa3で日本がA1と日本より1ランク高いレベルにある。

中国は地方政府の債務の増加についても懸念されており、2015年末で16兆元（約280兆円）に達したと発表された。楼財政相はこれらの地方債は漸次金利の低い債務に借り換えされており中央政府のコントロールが効いているので全く問題ないと発言した。

3月8日付『チャイナデイリー（中国日報）』は、「穏やかな財政赤字増加は管理可能」という見出しで、楼財政相が7日記者会見で中国は債務残高を管理しながら財政赤字を増やすことが可能と述べたと報じた。財政赤字比率3％は安全なレベルであり、経済成長目標の実現に資するという政府研究機関関係者のコメントを報じている。

3月7日付『ロイター通信』は、「財政相：中国歳入減少も政府債務増加の余地」という見出しで、楼財政相の記者会見を報じた。...

3月8日付『チャイナデイリー（中国日報）』は、「穏やかな財政赤字増加は管理可能」という見出しで、楼財政相が7日記者会見で中国は債務残高を管理しながら財政赤字を増やすことが可能と述べたと報じた。財政赤字比率3％は安全なレベルであり、経済成長目標の実現に資するという政府研究機関関係者のコメントを報じている。

3月7日付『ロイター通信』は、「財政相：中国歳入減少も政府債務増加の余地」という見出しで、楼財政相の記者会見を報じた。世界第2位の経済の成長を支えるためには3％の財政赤字は一部アナリストを失望させたとも報じている。

3月7日付『ブルームバーグビジネス』は、「最高の財政赤字目標の中、景気刺激策で中国国債価格下落」という見出しで、中国が景気を支えるために政府の債務を増加させることを懸念して中国国債価格が下落したと報じた。楼財政相は記者会見で、巨大インフラプロジェクトへの投資で経済を支えるために歳出を増やすと発言したと報じている。