安倍首相の訪米、特に上院下院合同会議での演説は、今後の日本の行方を大きく方向付ける可能性がある。特に懸念されるのは、歴史認識問題についてどのように安倍首相が語るのかという点であり、ローズ大統領副補佐官、ＮＳＣのメディロスアジア上級部長らは、「同じ内容であるならば新たな談話を出す意味がない」との、最近の安倍首相のテレビでの発言を念頭に、歴史認識問題で過去の談話を継承するよう促した。また南米を訪問中のパククネ大統領は、雑誌のインタビューで演説では歴史問題を直視するよう求めた。さらに、米国の超党派議員２５人が、安倍首相の演説で歴史問題に言及するよう要求する書簡を、佐々江賢一郎駐米日本大使に渡した。韓国からは元従軍慰安婦らが、韓国系ロビイスト達の手引きによって続々とワシントン入りしており、演説を議会で傍聴する可能性があるという。安倍首相の演説は、歴代の日本の首相として初めて行うという歴史的に名誉なものである一方、さながら安倍首相が歴史修正主義者なのか、そうでないのかを判定するリトマス試験紙のような役割も持ち始めており、その発言内容が世界に注目されている。

4月25日『ガーディアン』（英国）、『チャンネルニュースアジア』（シンガポール）、『スターオンライン』（マレーシア）は、ロイターによる従軍元慰安婦のインタビューを紹介し、「従軍元慰安婦は、安倍首相が米国議会で行う演説で、前任者の談話を踏襲するよう要求した」と伝えた上で、「私にはまだやることが残されている。日本からの公式謝罪によって、自分自身の尊厳と名誉が回復されるまではまだまだ死ぬことができない」との、涙ながらの従軍元慰安婦の発言を紹介した。...

4月25日『ガーディアン』（英国）、『チャンネルニュースアジア』（シンガポール）、『スターオンライン』（マレーシア）は、ロイターによる従軍元慰安婦のインタビューを紹介し、「従軍元慰安婦は、安倍首相が米国議会で行う演説で、前任者の談話を踏襲するよう要求した」と伝えた上で、「私にはまだやることが残されている。日本からの公式謝罪によって、自分自身の尊厳と名誉が回復されるまではまだまだ死ぬことができない」との、涙ながらの従軍元慰安婦の発言を紹介した。
4月25日『ＴＶ朝鮮』（韓国）は、「（バンドン演説では）過去の歴史に対する謝罪ではなく、言い訳に終始した日本の安倍首相の訪米を控え、米国の議員２５人が過去の談話を踏襲し、歴史についての謝罪を要求する連判状を回し、佐々江賢一郎駐米日本大使に渡した。 またホワイトハウスも、従軍慰安婦問題を最終的に解決する道筋をつけるよう、日本に圧力をかけた」と報じた上で、「安倍首相の歴史修正主義者的な態度に米国の政界からだけでなく、ホワイトハウスまでもが警告メッセージを送っている」と報じた。
4月25日『東亜日報』（韓国）は、「安倍首相が６泊７日の米国訪問を開始するが、ワシントンを舞台に日本の過去の歴史認識問題に火がつくとみられる」と伝えた上で、安倍首相の上院下院合同会議での演説では、真珠湾攻撃などに言及し対米戦争についての反省を行うとみられているが、アジアへの侵略については形式的なものに留まる可能性が高い」と報じた。

活発な海洋進出を繰り返す中国を念頭に、日本を取り巻く環境が変化しているとして、日本政府は２０１５年度の防衛予算を過去最大の４兆９８００億円とすることで閣議決定した。これらの中には、離島が占拠された場合の上陸作戦を担う部隊の整備や、与那国島や奄美大島への自衛隊の拠点整備の費用、佐賀へのオスプレイの配備費用、新哨戒機やＦ３５戦闘機の購入などが盛り込まれている。中国や北朝鮮に囲まれた日本という島国に住む日本人としては、この防衛予算増額はごく自然な成り行きに感じるが、海外からはやや冷ややかな視線でとらえられているようだ。各国は日本政府の防衛予算増額について、以下のように報じた。

1月14日付『ＡＦＰ通信』（フランス）は、「東アジアの緊張が高まる中、日本が過去最大の防衛予算を承認」との見出しで、「中国に対し懸念している近隣諸国の中でも、日本は特に中国に対して慎重な姿勢を崩していない。自衛隊の強化は、平和憲法の縛りを形骸化させたい安倍首相の野望が根底にあると指摘する声もある」と報じた。
1月14日付『ＢＢＣ』（英国）は、「日本政府、過去最大の防衛予算４兆９８００億円を承認」との見出しで、７３１の機体番号がついた戦闘機にのってポーズを決める安倍首相の写真を掲載した。...

1月14日付『ＡＦＰ通信』（フランス）は、「東アジアの緊張が高まる中、日本が過去最大の防衛予算を承認」との見出しで、「中国に対し懸念している近隣諸国の中でも、日本は特に中国に対して慎重な姿勢を崩していない。自衛隊の強化は、平和憲法の縛りを形骸化させたい安倍首相の野望が根底にあると指摘する声もある」と報じた。
1月14日付『ＢＢＣ』（英国）は、「日本政府、過去最大の防衛予算４兆９８００億円を承認」との見出しで、７３１の機体番号がついた戦闘機にのってポーズを決める安倍首相の写真を掲載した。この写真は、以前日本軍の７３１部隊を彷彿させるとして物議をかもした写真であり、ＢＢＣが安倍首相のスタンスに警戒心をもっていることをうかがわせる。
1月14日付『ＡＰ通信』（米国）は、「第二次世界大戦中の敗戦後に作られた憲法が、平和主義へのコミットメントを謳っているにも関わらず、安倍首相は日本の自衛隊により強い力を持たせようとしている」と報じた。
1月14日付『スターオンライン』（マレーシア）は、「中国の軍拡に対抗するという安倍首相の野望を反映し、３年連続で防衛予算を増額させた」と報じた。

page12345678910