オーストラリアと米国:中国を警戒・パプアニューギニアとの安保協力強化を検討(2022/04/27)
オーストラリアと米国は、南太平洋のソロモン諸島が中国と、安全保障に関する協定を結んだと発表したことを受け、ソロモン諸島とオーストラリアの間に位置するパプアニューギニアとの安全保障上の関係を強化することを検討している。
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『シドニーモーニングヘラルド』は、オーストラリアの東海岸から2000キロ弱離れたソロモン諸島のインフラを中国軍が保護することを認める合意を受けて、米国とオーストラリア当局者は、近隣の太平洋諸島諸国とのパートナーシップを強化することに焦っている、と伝えている。
5月に連邦議会総選挙を控えるオーストラリアでは、労働党のアンソニー・アルバネーゼ党首が、スコット・モリソン首相がこの取引を阻止するために十分な働きをしてこなかったと攻撃し、太平洋地域での対外援助支出を増やすと発表した。...
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『シドニーモーニングヘラルド』は、オーストラリアの東海岸から2000キロ弱離れたソロモン諸島のインフラを中国軍が保護することを認める合意を受けて、米国とオーストラリア当局者は、近隣の太平洋諸島諸国とのパートナーシップを強化することに焦っている、と伝えている。
5月に連邦議会総選挙を控えるオーストラリアでは、労働党のアンソニー・アルバネーゼ党首が、スコット・モリソン首相がこの取引を阻止するために十分な働きをしてこなかったと攻撃し、太平洋地域での対外援助支出を増やすと発表した。
一方、米代表団は先週、フィジー、パプアニューギニア、ソロモン諸島の太平洋島諸国を歴訪し、各国の指導者や政府関係者と会談を行った。クリテンブリンク米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は、パプアニューギニアと米国の安保協力を強化したいという意向が双方にあると述べ、両国の間で今後数カ月かけて議論が行われる計画だと述べた。
豪政府高官筋によると、オーストラリアも数カ月前からパプアニューギニアとの安全保障上の結びつきを強化することを検討していたという。しかし、米『エポックタイムズ』によると、パプアニューギニアなど、他の太平洋諸国も、中国から安全保障協定を採用するよう同様の「圧力」に直面しているという。
中国は以前、パプアニューギニアのブーゲンビル島自治区に関心を示し、「一帯一路構想」の旗印のもと、同地域へのインフラ投資として10億米ドル(約1278億円)を提供すると報じられたことがある。現在ブーゲンビルは2027年までにパプアニューギニアからの独立を達成する方向で動いている。また2018年には、中国共産党はパプアニューギニアの海軍基地の再開発も申し出たが、オーストラリアと米国との取引に敗れた。
モリソン首相は、この地域での影響力をめぐって中国共産党政府と競い合うことの難しさを警告している。首相は26日、ラジオ番組で、「我々はこの地域のすべての国々に懸念を抱いている。太平洋諸島には20の国があり、20の地域で中国共産党の影響力に対抗することを検討している。我々は太平洋の島々のすべてに大使館がある、世界で唯一の国である。この地域は激しく争われており、我々は常に前向きに取り組んできた。しかし、同じルールに従わない中国政府を相手にしているのだ」と語った。
中国とソロモン諸島の安全保障協定の締結を受けて、日本政府も上杉外務政務官をソロモン諸島に派遣している。『ロイター通信』によると、林外務大臣は、ソロモン諸島のソガバレ首相が26日、日本の代表団に対し、中国による自国への軍事基地建設を認めるつもりはない、と述べたことを明らかにした。
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オーストラリア南部で大規模停電(2016/09/29)
今月28日、オーストラリア南部の州で、強風と豪雨により、広範囲が停電に見舞われ、交通機関が大混乱に見舞われた。ほぼ回復しているが一部は復旧中だという。停電は、猛烈な風のため送電線が3箇所で切断され、送電塔が倒壊したことが原因だとされる。豪南部の電力は主に再生可能エネルギーで賄われ、風力発電が4割を占める。今年石炭発電所が廃止されたことから火力発電によるバックアップが不足していたことが停電を引き起こした可能性があるとされている。オーストラリアでは石炭発電所が主流で、国民一人あたりの二酸化炭素排出最大国の一つだったが、近年、再生可能エネルギーが徐々に普及。2020年までに再生可能エネルギーを33テラワット時に倍増する意向で、実現すれば太陽光発電、風力発電、水力発電が総エネルギーの4分の1となる。
9月29日付豪
『シドニーモーニングヘラルド』は「南オーストラリアで大停電」次のように報道している。
・水曜午後3時半ころから数時間、50年に一度の異常気象のため、南オーストラリア全体が数時間停電に見舞われた。交通機関では大混乱を招いた。
・地元メディアによると、信号機は止まり、豪の経済と交通の要所であるセントラル・ビジネス・ディストリクト(CBD)の交通網は麻痺し、建物の非常警報が鳴り響き、住民はスーパーで蝋燭やマッチを買占めた。...
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9月29日付豪
『シドニーモーニングヘラルド』は「南オーストラリアで大停電」次のように報道している。
・水曜午後3時半ころから数時間、50年に一度の異常気象のため、南オーストラリア全体が数時間停電に見舞われた。交通機関では大混乱を招いた。
・地元メディアによると、信号機は止まり、豪の経済と交通の要所であるセントラル・ビジネス・ディストリクト(CBD)の交通網は麻痺し、建物の非常警報が鳴り響き、住民はスーパーで蝋燭やマッチを買占めた。
・午後7時半にはアデレード近郊一部で電気は復旧、多くの地域では木曜早朝まで停電が続くと見られる。
・南豪のジェイ・ウェザリル首相は、停電は暴風雨により送電線が3箇所で切断され、送電塔の倒壊により送電網が遮断されたために起きたと説明。南オーストラリアのニック・セノフォン知事によると、国の電力の4割をまかなう風力タービンが強風で停止された。首相は南部の停電は「良くある事」だとメディアに述べた。
同日付豪
『ABCニュース』は「南豪の停電はどのようにして起きたのか?」との見出しで以下のように報道している。
・記者会見で南豪のジェイ・ウェザリル首相は悪天候により送電塔の一部が破損したと説明。大きな破損がシステム全体に影響したとした。最初は天候による破損だとしていたが、天候により基礎部分が破損。電力発電は正常に行われていた。
・南豪電力はネットワーク遮断が原因か調査中とし、インターコネクタの問題の可能性があるとしながらも、電力システムが遮断されたのは保護のためではないかと見ている。
・南豪の電力は風力発電、太陽光発電、火力発電でまかなわれている。石炭による発電は今年完全に廃止され、ピーク時に比べバックアップ用電力が減少。同地域では再生型電力とヴィクトリア州からのベースロード発電が主軸。
9月28日付
『ロイター通信』は「豪の州全域の停電で再生発電の是非に疑問浮上」との見出しで次の様に報道している。
・オーストラリア当局によると、停電は木曜朝までに9割復旧したが、強風と豪雨により停電が続く恐れもあるという。停電は強風で州北部の首都アデレードの主電力線が切断され、発電所がダメージを受けたことが原因。
・石炭発電所が主流で、国民一人あたりの二酸化炭素排出最大国の一つだったオーストラリア。近年では再生可能エネルギーが徐々に普及。南豪はワイン生産の基盤で、再生可能エネルギーへの依存が高い州の一つ。州の電力供給で風力発電は4割を占める。
・豪バーナビー・ジョイス副首相は「再生可能エネルギーへの依存が高すぎることで電力の安定供給に支障をきたしているのではとの問題を議論すべき」だと述べる。南オーストラリアのニック・セノフォン知事は、火力発電によるバックアップがあれば今回の停電は避けられたのかの可能性を調査するべきであると述べている。
・オーストラリアは大規模再生可能エネルギー発電を2020年までに33テラワット時に倍増する意向で、実現すれば太陽光発電、風力発電、水力発電が総エネルギーの4分の1となる。
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