フランス当局は、言語の独自性を保とうとする取り組みの一環として、ビデオゲームで使われる英語の用語を一部フランス語に置き換えるという。スポーツを競技として捉える際の名称である「eスポーツ」は、意味が少し違う「コンペティションビデオゲーム」に置き換えられるという。
5月31日付仏
『ザ・ローカル・フランス』:「フランス政府、英語のゲーム用語禁止へ」:
フランス当局が31日、ビデオゲームで使われる英語の用語を統制することで、言語の独自性を保とうする数世紀に渡る闘争を再開させている。
今回の改定では政府職員への適用が強制されており、フランス語に置き換えられる用語の例としては、「プロゲーマー」(賞金や報酬を得る職業ゲーマー)はフランス語にそのまま直訳されるが、「ストリーマー」(動画配信者)などの用語は、「ライブプレーヤーホスト」などと意訳され、「eスポーツ」を意味が少し違う「コンペティションビデオゲーム」(jeu video de competition)に置き換えるよう指示されている。...
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5月31日付仏
『ザ・ローカル・フランス』:「フランス政府、英語のゲーム用語禁止へ」:
フランス当局が31日、ビデオゲームで使われる英語の用語を統制することで、言語の独自性を保とうする数世紀に渡る闘争を再開させている。
今回の改定では政府職員への適用が強制されており、フランス語に置き換えられる用語の例としては、「プロゲーマー」(賞金や報酬を得る職業ゲーマー)はフランス語にそのまま直訳されるが、「ストリーマー」(動画配信者)などの用語は、「ライブプレーヤーホスト」などと意訳され、「eスポーツ」を意味が少し違う「コンペティションビデオゲーム」(jeu video de competition)に置き換えるよう指示されている。
この改定プロセスに関わった文化省大臣は、ゲーム業界は一般人の「理解の妨げ」となるようなわかりにくい英語表現に溢れていると指摘し、専門家により既存の用語が精査された上で、国民がより容易にコミュニケーションを取れるよう改定を行うとしている。
フランスは、定期的に海峡を渡ったイギリスや、更に大西洋を経て米国から入ってくる言語データベースに常に警戒感を持っている。数世紀続くフランスの言語監視評議会「フランスアカデミー」が2月、「看過できない言語の乱れ」として、フランス高速旅客列車 OUIGO(ウィゴー)や、「ビッグデータ」、「ドライブイン」などの直輸入される用語について警告を発している。
一方、こうした当局の努力も虚しく、フランス国内では日常会話に英語用語や表現が浸透しているのが現実で、特にメディアやテクノロジー分野で顕著となっている。アカデミーが定期的にフランス語用語を導入しようとしても、国民は無関心だったり、嘲笑するのがオチである。一番酷い例では、「WIFI」を「ワイヤレスでのインターネットアクセス」と言い換えたが、これも浸透しなかった。
同付米『ビジネス・インサイダー』:「フランス、英語のゲーム用語をフランス語へ置き換え強制」:
フランスでは、ゲーム業界で使われている英語のゲーム用語を禁止し、フランス語に置き換えるよう指示している。
AFP通信によると、その用語の中には、プロゲーマーをフランス語に相当する「joueur professionnel」としたり、「クラウドゲーミング」を「jeu video en nuage」とするなど、単純に直訳された用語も含まれているが、一方で、「ストリーマー」が、ライブプレーヤーホストを意味する「joueur-animateur en direct」となるなど直訳できない用語もあるという。
公務員の間では、これらの新語適用が必須になるという。フランス文化相は、フランス語へ置き換えることにより、英語が使われていたときよりも人々のゲーム業界への理解が深まるだろうとしている。また、新語により、ゲーム業界に関するコミュニケーションがスムーズになると期待しているとし、また、同様のコンセプトのフランス語が、ゲームのウェブ雑誌で既に使われいるかも精査した上での判断だと強調している。
世界的な英語普及の影で、フランスでは政府レベルで、フランス語を促進させる取り組みが活発で、2020年には、フランス語強化委員会がフランス語への置き換えリストも作成されている。
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