カナダ、フリーダム・コンボイ主催者を保釈(2022/03/08)
カナダ政府のワクチン義務化に抗議していたフリーダム・コンボイの主催者の一人タマラ・リッチさんが、2週間半拘留された後、保釈が認められた。2月17日に逮捕された後、保釈申請をしたものの拒否されたが、再審議後、釈放が認められた。
カナダ紙
『ナショナル・ポスト』によると、上級裁判所のジョンストン判事は、別の判事が2月22日にリヒさんの保釈を拒否する決定を下した際に「法律の誤り」を犯したと述べた。判事は、リッチさんが直面している容疑は、保釈が認められる他の犯罪よりも「軽い」と述べ、釈放を認めた。
「憲法の自由のための司法センター」の代表であるジョン・カーペイ氏は、犯罪歴がなく、暴力犯罪で起訴されてもいないリッチさんの拘留は 「非常に珍しい」と指摘している。...
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『ナショナル・ポスト』によると、上級裁判所のジョンストン判事は、別の判事が2月22日にリヒさんの保釈を拒否する決定を下した際に「法律の誤り」を犯したと述べた。判事は、リッチさんが直面している容疑は、保釈が認められる他の犯罪よりも「軽い」と述べ、釈放を認めた。
「憲法の自由のための司法センター」の代表であるジョン・カーペイ氏は、犯罪歴がなく、暴力犯罪で起訴されてもいないリッチさんの拘留は 「非常に珍しい」と指摘している。カーペイ氏は、「麻薬取引や銃器の不法所持、暴力犯罪で告発された人々は、裁判の前に自由を与えられるのが普通である」と述べ、リッチさんはむしろ「政治犯」であると指摘している。
リッチさんは、コロナ関連の義務化に抗議しないこと、いかなる形態のソーシャルメディアも使用しないこと、自宅に戻ることを条件に、総額2万5千ドル(約220万円)の保釈金で釈放された。
リッチさんは、トルドー首相が緊急事態法を発動し、警察が3週間にわたって国会議事堂前を占拠していた群衆を分散させるために動き出す前日、2月17日に逮捕され、損害罪で起訴された。
拘留後、与党自由党の候補者として立候補した経歴を持つオンタリオ州裁判所のジュリー・ブルジョワ判事が、リッチさんの保釈を拒否したことで、リッチさんの弁護士が偏見の申し立てをした。
カナダメディア『CBC』によると、この申し立てに対し、ジョンストン判事は、最初の判決に偏見の証拠はなかったと判断して却下した。しかし、判決の中で、リッチさんは仕事を持ち、雇用主からは「優秀な従業員」として認められており、「犯罪とは無縁」の生活を送ってきたことを指摘し、街並みがほぼ元に戻ったオタワでのリスクは今や「最小化」されたとして保釈を認めた。また、リッチさんの裁判は数ヶ月間行われない可能性が高く、有罪になった場合でも、拘留期間は刑期を上回ることになると指摘し、「長期の収監に直面することはないだろう」と述べた。
カナダ紙『カナディアン・プレス』は、リッチさんはワクチン義務化に対する抗議運動の「火をつけた火種」的な存在として注目され、フリーダム・コンボイの「代表的な顔」の一人であったと伝えている。
逮捕以来、支持者たちはリッチさんを政治犯であると主張し、週末には収容先のオタワの刑務所の外で釈放を求めて集会を開いていた。この運動は英国にまで及び、7日にロンドンでジョンソン首相と会談したトルドー首相は、首相官邸前で、リッチさんの解放を要求する支持者たちに出迎えられたという。
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カナダが北極地域の10カ年戦略計画を発表(2019/09/12)
カナダのジャスティン・トルドー政権は10日、資源が豊富な北極地域の開発に関する10カ年の戦略計画を公表した。同地域におけるカナダの軍事的な存在感を強め、激化する国際競争に対応することなどの内容が含まれている。
『AFP通信』や地元の
『カナディアン・プレス』などが報じた。今回カナダ連邦政府が公表した同国の北極地域の開発方針に関する計画は、長い間公表が待たれていた。大部となった戦略計画書は、経済開発、保健、インフラなど8つの優先目標を提案している。スティーブン・ハーパー前首相の保守党政権時の方針は、主に北極地域での主権に対する安全保障上の懸念や脅威を強調するものであったが、これをより広範な内容に変更した。
北極地域は、潤沢な埋蔵量の石油や豊富な森林資源を蓄えるとともに、北極諸島の間を通る北西航路によって、欧州とアジア間を結ぶ近道として利用される重要な海域を擁している。...
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『AFP通信』や地元の
『カナディアン・プレス』などが報じた。今回カナダ連邦政府が公表した同国の北極地域の開発方針に関する計画は、長い間公表が待たれていた。大部となった戦略計画書は、経済開発、保健、インフラなど8つの優先目標を提案している。スティーブン・ハーパー前首相の保守党政権時の方針は、主に北極地域での主権に対する安全保障上の懸念や脅威を強調するものであったが、これをより広範な内容に変更した。
北極地域は、潤沢な埋蔵量の石油や豊富な森林資源を蓄えるとともに、北極諸島の間を通る北西航路によって、欧州とアジア間を結ぶ近道として利用される重要な海域を擁している。戦略計画書は、近代的な1,000人乗りの外国クルーズ船が初めて北西航路全体を航行し、2017年にはカナダの北極地域の海上交通量が前年対比22%増加したとしている。
同計画書は、米国などの他国が国際水域と見なす北西航路をめぐり、「カナダはその主権を行使する立場を維持している。」と宣言したが、その上で「カナダの北極地域では、豊富な天然資源や戦略上の位置づけを共有しようとする国家や非国家のプレイヤーによる、国際的な関心や競争が増大している。」と指摘した。
そして同計画書は、「気候変動が、技術の進化と相まって、北極地域へのアクセスを容易にした」と説明し、政府の主要な目標は、カナダの「北極地域以北において、カナダ軍の存在感を高める」ことだと訴えている。
同計画書は、2017年から完成が待たれていたものであり、連邦政府と北部諸州政府や先住民族との長い間にわたる詳細な協議を経てこのほど完成した。しかしながら、現在の議会の任期終了まで数週間という時点での公表であり、多くの目標達成のための具体的な方法が明らかにされていない。
カナダでは10月21日に総選挙が予定されている。トルドー首相率いる与党・自由党は、アンドリュー・シーア氏が党首を務める主要野党・保守党とほぼ互角の厳しい戦いを強いられているという。
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