仏ニースの教会でイスラム過激派による襲撃テロ、3人死亡
フランス南部ニースの教会内で29日午前9時ごろ、武装したイスラム教徒の男性による襲撃があり、女性2人と男性1人が死亡した。容疑者の男性は警察に撃たれ、病院に運ばれた。
『フランス アンフォ』によると、武装して黒い服を着た容疑者が29日午前9時(現地時間)にニースのノートルダム寺院に入り、70代の女性と聖職者である男性の喉を切り裂いて殺した。40代の女性も寺院内で切り付けられ、近くのレストランに非難したが死亡した。犯人は「アラー・アクバル(アラビア語で神は偉大なり)」と叫びながら犯行に及んだことが明らかになっている。
『ルフィガロ』によると、ダルマナン内相は25日、警察及び全国の知事に向けて、キリスト教のシンボルへの「襲撃」を呼びかけるイスラム教徒のプレスリリースを引用し、テロに備えて厳戒態勢を敷くよう求めていた。...
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『フランス アンフォ』によると、武装して黒い服を着た容疑者が29日午前9時(現地時間)にニースのノートルダム寺院に入り、70代の女性と聖職者である男性の喉を切り裂いて殺した。40代の女性も寺院内で切り付けられ、近くのレストランに非難したが死亡した。犯人は「アラー・アクバル(アラビア語で神は偉大なり)」と叫びながら犯行に及んだことが明らかになっている。
『ルフィガロ』によると、ダルマナン内相は25日、警察及び全国の知事に向けて、キリスト教のシンボルへの「襲撃」を呼びかけるイスラム教徒のプレスリリースを引用し、テロに備えて厳戒態勢を敷くよう求めていた。アルカイダの非公式報道機関であるTHABAT通信社はプレスリリースで、フランスで「個々のジハード」を実行するよう呼びかけを行っていた。
警視庁と政府は、礼拝の場所がターゲットになることを警戒していた。教会だけでなく、マクロン大統領とフランスへの理解を示していた穏健派のイスラム教指導者やそのモスクも攻撃の対象となるという見解を示していた。その上で、「個人または集団での襲撃、刃物などの武器または銃器を使用するリスク」を考慮した上で、地域の状況にあわせたセキュリティ体制を実装していく方針を明らかにしていた。
『レゼコー』は、29日にフランス全土でヴィジピラート計画(テロ警戒計画)が最高水準に引き上げられ、軍、行政機関、医療機関、民間団体、市民等を巻き込み包括的にテロ対策が実装されていくと報じている。特に礼拝所や学校を守るためにパトロール隊を3,000人から7,000人に増員されることも発表された。
『エルサレムポスト』によると、、フランスのイスラム評議会の代表者は、ニースの襲撃を強く非難し、「犠牲者の追悼とその愛する人たちとの連帯の印として、私はフランスのすべてのイスラム教徒に29日のムハンマド生誕祭のすべてのお祝いを中止することを求める」と述べた。
イギリスのジョンソン首相は、ソーシャルメディアを利用し、「今朝、ノートルダム教会での野蛮な襲撃に関するニュースを聞いて愕然とした」、「私たちの思いは犠牲者とその家族と共にあり、英国はテロと不寛容に対してフランスと一緒にしっかりと立ち向かっていく」と述べた。
オランダのルッテ首相は、ツイッター上で「私たちはフランスの人々に言う。過激主義との戦いにおいて、あなたは一人ではない。オランダはあなたの側に立っている。」というフランス語のメッセージを投稿した。
欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長も、「不快で残忍な攻撃」に対し、欧州全体がフランスと連帯し、「野蛮さと狂信主義に直面しても、団結して断固とした決意を貫いていく」と述べている。
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サウジアラビア、トルコ製品に対するボイコット運動を展開
イスラム過激派に対するフランスの対応をめぐり、イスラム圏にフランス製品をボイコットするよう呼び掛けているトルコのエルドアン大統領。実は、エルドアン大統領も自身の外交政策に反発しているサウジアラビアのトルコ製品のボイコットに直面している。
『RFI』は、サウジアラビアは、10月上旬から、トルコに対し無言の攻撃を開始したと報じている。トルコの製品、企業、投資に対するボイコットの呼びかけが、政府ではなく、サウジアラビア商工会議所協会の会長によってツイッターで発表された。サウジアラビアは、アラブ諸国で政治的・軍事的な活動を積極的に展開しているトルコに対する対抗策として、このような経済的攻撃に出ているという。
トルコのビジネス界ではこの貿易上の報復の影響が感じ始められており、ビジネス界からは、ボイコット運動を終わらせるための友好的な和解を求める声が上がり始めている。...
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『RFI』は、サウジアラビアは、10月上旬から、トルコに対し無言の攻撃を開始したと報じている。トルコの製品、企業、投資に対するボイコットの呼びかけが、政府ではなく、サウジアラビア商工会議所協会の会長によってツイッターで発表された。サウジアラビアは、アラブ諸国で政治的・軍事的な活動を積極的に展開しているトルコに対する対抗策として、このような経済的攻撃に出ているという。
トルコのビジネス界ではこの貿易上の報復の影響が感じ始められており、ビジネス界からは、ボイコット運動を終わらせるための友好的な和解を求める声が上がり始めている。
トルコが世界のファッションの重要な工場であることから、繊維産業が最も深刻な影響を受けているという。欧米ブランドがサウジアラビアのお店で販売するために、トルコで製作された衣類をサウジアラビアに輸出しているが、そうした発注が減り始めた。トルコ製品は税関で足止めを食らうため、サウジ市場に入るまで時間がかかるようになってしまったことが理由だ。スペインの人気ブランド「マンゴー」も、トルコのサプライヤーに対し代替品を探していると伝えたという。
新鮮な農産物の輸出業者も、サウジの国境で足止めされるため貨物が傷んでしまい、困っているという。また、トルコはカーペットや化学製品、鉄鋼も輸出しているが、こうした製品もサウジアラビアの税関で足止めされる対象となり関係するトルコ企業にとって厳しい打撃を受けている。
『ザ テレグラフ』によると、サウジアラビアの大手スーパーマーケットのアル・サダハングループがキャンペーンへの支持を表明するなど、ボイコットの動きはここ数週間サウジ国内で活発化しているという。これに続いて、乳製品会社のタミミ・マーケッツがトルコ製品へのボイコットに参加を表明した。また、多くのオンラインファッション小売業者も加わった。
しかし、サウジアラビアへの輸出額は約26億ドル(約27千億円)で、トルコにとって15番目の輸出市場にとどまっているため、ボイコットが壊滅的な影響を与える可能性は低いと考えられる。
一方で、トルコ製品に対するボイコットが他の中東諸国でも行われ始めているという兆候が見られる。モロッコはトルコのスーパーマーケットの商品に制限を設け、輸入税を大幅に引き上げたことが報じられている。モロッコはトルコにとって主要な輸出市場であるが、2006年に調印された二国間協定を巡りエルドアン大統領と衝突しており、モロッコ政府は自国の経済的利益を損なっていると主張している。
ワシントンのアラブ湾岸諸国研究所の上級研究員フセイン・イビシュ博士は『エルサレムポスト』によるインタビューで、「経済学という言語は、各国が実践している最も強力な言語である 」と述べた。米国と中国の間、ロシアと欧州連合の間で「貿易戦争や経済制裁が政治的な道具として使われているが、それをサウジアラビアもやっている」と指摘している。
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