米世論調査、民主党支持の学生は共和党支持者を軽蔑する傾向が浮き彫りに(2021/12/14)
11月18日から22日にかけて、全米の2年制および4年制大学を代表する学生850名を対象に世論調査が行われた。アメリカの党派間分裂に関する質問をしたところ、特に民主党支持の若者が他政党を支持する人に対し強い拒否感を持っていることが明らかになった。
米オンラインニュースサイト
『ナショナルファイル』と
『アクシオス』によると、この世論調査は、調査会社の「ジェネレーション・ラボ」がオンラインニュースサイトの
『アクシオス』と共同で実施したもので、自分が支持する大統領と対立する大統領候補に投票した人についてどう行動するかを調査した。
世論調査の結果、バイデン政権の民主党を支持していると回答した学生の70%以上が、トランプ元大統領の共和党を支持する疑いのある人とはデートすらしないと回答した。...
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米オンラインニュースサイト
『ナショナルファイル』と
『アクシオス』によると、この世論調査は、調査会社の「ジェネレーション・ラボ」がオンラインニュースサイトの
『アクシオス』と共同で実施したもので、自分が支持する大統領と対立する大統領候補に投票した人についてどう行動するかを調査した。
世論調査の結果、バイデン政権の民主党を支持していると回答した学生の70%以上が、トランプ元大統領の共和党を支持する疑いのある人とはデートすらしないと回答した。逆に共和党支持者であると回答した人の間では31%にとどまった。
さらに、民主党支持者の若者の41%が、共和党員が経営する企業での買い物や支援を拒否すると回答した。また37%は、共和党員の友人も持たないと回答し、30%は、共和党員の経営者の下では働かないと回答した。一方、共和党支持の学生は、「民主党の会社では買い物をしない」「民主党員のために働かない」と答えた人はわずか7%にとどまり、他の人の政治的見解が友人選びに影響すると答えた人もわずか5%だった。
他の年齢層を対象とした同様の調査でも、同様の結果が得られているものの、若い民主党支持者の間で他政党を支持する同級生を嫌悪していることを公言していることが、多くの人を驚かせている。
米『ニューズウィーク』によると、2020年4月に発表されたピュー・リサーチ社の世論調査でも、民主党支持者の70%がトランプ支持者とはおそらく交際しないと回答し、そのうちの45%は「絶対に交際しない」と回答していた。
世論調査では、党派を問わない男女別の回答も報告された。その結果、女性の方が交際相手を選ぶ際に政治的な選択をする傾向があることがわかった。自分が支持する候補者とは対立する候補者に投票した人であってもデートすると答えた女性は41%にとどまったのに対し、男性は67%であった。
『ニューズウィーク』は、この世論調査は、現在アメリカで見られる党派間の大きな隔たりをよく表していると伝えている。民主党支持の大学生の多くは、共和党があまりにも現実離れしているという見解から、共和党員と関わりたくないと考えている。
『アクシオス』は、「一部の民主党支持者は、中絶、LGBTQの権利、移民などのアイデンティティに関わる問題で、政策の違いだけでなく、人権が問題になっていると主張し、譲れない立場を表明している」と述べている。また、「党派間で分裂し、それぞれの側が平行した政治的、文化的、メディアの世界に住んでいるので、米国の不和と不信の未来をより可能性の高いものにしている」と指摘している。
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米軍幹部、アフガニスタン撤退は戦略的失敗だったと認めバイデンに反論(2021/09/30)
米軍幹部は28日の上院公聴会で、アフガニスタンからの米軍撤退は、いくつかの誤った判断による「戦略的失敗」だったことを認め、撤退は大成功であったと宣言していたバイデン大統領に異論を唱えた。
マーク・ミリー統合参謀本部議長、ケネス・マッケンジー中東軍事司令部長官、ロイド・オースティン国防長官という米軍の最上級の軍人たちが28日、アフガニスタンの米軍撤退に関する公聴会で証言した。仏
『レゼコー』によると、彼らの口からは「私たちは、アフガニスタン軍の崩壊というリスクを完全に過小評価していた。」という発言が何度も聞かれた。
タリバンが数ヶ月、あるいはそれ以前から、地元の役人を集めたり、脱走させたりする交渉を行っていたのに対し、ミリー統合参謀本部議長は、アメリカの諜報機関が、タリバンがカブールを占領する11日前になっても、「1975年のサイゴンにはならない」と考え、政権が冬、ないしは春まで持ちこたえると確信していたことを認めた。...
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マーク・ミリー統合参謀本部議長、ケネス・マッケンジー中東軍事司令部長官、ロイド・オースティン国防長官という米軍の最上級の軍人たちが28日、アフガニスタンの米軍撤退に関する公聴会で証言した。仏
『レゼコー』によると、彼らの口からは「私たちは、アフガニスタン軍の崩壊というリスクを完全に過小評価していた。」という発言が何度も聞かれた。
タリバンが数ヶ月、あるいはそれ以前から、地元の役人を集めたり、脱走させたりする交渉を行っていたのに対し、ミリー統合参謀本部議長は、アメリカの諜報機関が、タリバンがカブールを占領する11日前になっても、「1975年のサイゴンにはならない」と考え、政権が冬、ないしは春まで持ちこたえると確信していたことを認めた。そのため、アメリカ人や協力者たちの具体的な国外退避計画も立てられていなかったという。
一方、情報機関は、2020年2月のトランプ大統領とタリバンのドーハ合意後、アメリカの撤退後にタリバンの台頭は「避けられない」という結論に達していた。そのため、今年の春、ミリーとマッケンジーがバイデン大統領に、2500人から3500人の米兵をアフガニスタンに配備し続けるよう提言していたという。
しかし、バイデン大統領は8月19日のテレビインタビューで、大統領が提案した8月末のアフガニスタン撤退に対し反対した軍事顧問は一人もおらず、約2500人の米兵を駐留させることを誰も望んでいなかったと主張していた。米『ナショナルレビュー』によると、インタビューでは、「軍事顧問らは、8月末の撤退について警告していた。彼らは約2500人の兵力を維持することを望んでいた」はずだとの指摘に対し、バイデン大統領は「 いや、提言はされなかった。意見は分かれていた。それは真実ではない。」と答えていた。インタビュアーに「あなたの軍事顧問は、2500人の部隊を残すべきだとは言わなかったのか。ここ数年、安定した状況が続いている。今後もそうすることができる、と言われなかったのか?」と問い直されたところ、「思い出せる限りでは、誰もそんなことは言わなかった。」と回答していた。
『ナショナルレビュー』は、軍事顧問らの証言がバイデン大統領の発言と食い違っていることに対し、「最も単純な説明は、バイデンが単に嘘をついたということだ。しかし、数ヶ月前、大統領の任期中の最も重要な決定を下す際に、軍事顧問が何を推奨したか、バイデンが本当に覚えていないという可能性もある。大統領がテレビインタビューで嘘はつかなかったと主張するならば、バイデンが会議で提言されたことを覚えているかどうかを問うことは許されるのだろうか。」と報じている。
仏『BFMTV』も、米軍幹部らがアフガニスタンからの撤退は「戦略的失敗」であったことを認め、20年にわたる戦争の後、タリバンが戦わずして勝利することになったのは、判断ミスであったことを認めたと伝えている。ミリー統合参謀本部議長は、「カブールでは敵が権力を握っている。他に表現のしようがない。」と述べ、アルカイダやイスラム国グループがアフガニスタンで再結成されることは「非常に現実的な可能性」であると警告した。タリバンは「昔も今もテロ組織であり、2001年の戦争のきっかけとなった9.11同時多発テロをアフガニスタンから仕掛けたアルカイダとの関係をいまだに断ち切っていない」と振り返った。
なお、米『アクシオス』は、バイデン大統領が8月20日に、アフガニスタンからテロ組織がいなくなっているために、米国はもうアフガニスタンには関心がないと主張していたことに対して、ミリー将軍は「アルカイダはまだアフガニスタンにいる。8月中旬にも彼らはそこにいた」と反論していたことも指摘している。この点に関しても、軍事顧問とバイデン大統領の間で見解の隔たりがあることが露わになった。
そして、米軍幹部らは、アフガニスタンから逃げ遅れた米国人の数を把握していないことも認め、4千人程度残っている可能性があるという見解を示した。
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