黒人男性が警察官に撃たれ死亡・署長辞任も…大規模抗議デモ(6月15日)
全米で抗議デモが続く中、南部ジョージア州で黒人男性が警察官に撃たれ死亡した。
抗議デモが過熱する懸念が広がっている。警察官は運転手の男性が居眠りをしているとの通報を受け飲酒運転の疑いで拘束を試みたものの運転手の黒人男性が抵抗し警察官のスタンガンを奪って逃走したため追いかけた警察官に撃たれ死亡した。
アトランタの市長は正当な武力行使とは考えられないと述べ、警察署長の辞任を発表し発砲した警察官も解雇した。...
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全米で抗議デモが続く中、南部ジョージア州で黒人男性が警察官に撃たれ死亡した。
抗議デモが過熱する懸念が広がっている。警察官は運転手の男性が居眠りをしているとの通報を受け飲酒運転の疑いで拘束を試みたものの運転手の黒人男性が抵抗し警察官のスタンガンを奪って逃走したため追いかけた警察官に撃たれ死亡した。
アトランタの市長は正当な武力行使とは考えられないと述べ、警察署長の辞任を発表し発砲した警察官も解雇した。
現場近くでは大規模な抗議デモが起きているほか、現場となったファストフード店が炎上するなどしている。
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米国の底辺に深刻な差別意識(6月14日)
警察の改革を求めて全米で抗議活動が続く中、南部ジョージア州で黒人男性が警察官に撃たれ死亡した。またしても黒人をめぐる痛ましい事件が起きてしまった。
警察改革を求める抗議活動が全米で続く中、警察への批判がさらに強まっている。新型コロナウイルスが米国の抱える闇をあぶりだしたともいえる。鬱積した黒人の思いはフロイド氏暴行をきっかけに表面化しており収束する気配は見えない。
米国初の黒人大統領であるオバマ氏でさえ手をつけることができなかったほど米国における黒人をめぐる差別構造には根深いものがあり、そもそも黒人への「動物のよう」「大きくて怖い」「愚鈍」「性的暴力をふるう」ステレオタイプなイメージは1910年代の映画によって意図的に形成された。...
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警察の改革を求めて全米で抗議活動が続く中、南部ジョージア州で黒人男性が警察官に撃たれ死亡した。またしても黒人をめぐる痛ましい事件が起きてしまった。
警察改革を求める抗議活動が全米で続く中、警察への批判がさらに強まっている。新型コロナウイルスが米国の抱える闇をあぶりだしたともいえる。鬱積した黒人の思いはフロイド氏暴行をきっかけに表面化しており収束する気配は見えない。
米国初の黒人大統領であるオバマ氏でさえ手をつけることができなかったほど米国における黒人をめぐる差別構造には根深いものがあり、そもそも黒人への「動物のよう」「大きくて怖い」「愚鈍」「性的暴力をふるう」ステレオタイプなイメージは1910年代の映画によって意図的に形成された。
南北戦争前後の時代を白人目線で描いたD・W・グリフィス監督の無声映画「国民の創生」がその一翼を担っている。映画が公開されてから100年以上経過しているにも関わらず、白人が黒人を奴隷的な目線で見るという基本的な構造は今も変わっていない。
映画で死ぬのは黒人ばかりなのはその象徴的な一例である。手錠をかけられ連行される黒人のイメージがテレビや映画を通じて繰り返し流され、黒人=犯罪者というイメージが作り上げられた。
ジョージア州オーガスタ市のデービス市長は「白人がマスクをつけて店に入るのと黒人がマスクをつけて店に入るのではまったく違う意味で受け取られる」と語った。つまり黒人がマスクをつけて入るのは犯罪を行うためだとして警戒されてしまうのである。
イリノイ州のスーパーでは黒人男性が白人警官にマスク着用をとがめられる事態も発生している。人種差別反対デモの今後の展開を引き続き注視しなければならない状況である。
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米国で黒人男性が警察官に撃たれ死亡(6月14日)
米国で黒人男性が警察官に首を押さえつけられて死亡した事件に抗議するデモが各地で続く中、ジョージア州アトランタで警察の取り締まりから逃走した黒人男性が、警察官に拳銃で撃たれて死亡した。
警察改革などを求める声が、さらに強まることも予想される。
一方、トランプ大統領は陸軍士官学校の卒業式で演説し、暴動などに備え警備にあたった州兵に謝意を示した。
抗議デモをめぐっては、一時連邦軍の派遣も辞さない考えを示したトランプ大統領と、反対する国防総省の間で足並みの乱れが表面化し、演説の内容に注目が集まっていたが、今後の対応について具体的な言及はなかった。
トランプ再選危うし、バイデンに不安も(6月14日)
人種格差、医療格差などでたまっていた黒人層の不満がコロナ禍、白人警官による黒人男性ジョージフロイド暴行事件をきっかけにして大爆発した。
ミネソタ州で黒人男性ジョージフロイドが白人警官に暴行され死亡した事件を受けて、南部アラバマ、ケンタッキーなどでは19世紀の南北戦争で奴隷制度を支持した南軍司令官リー将軍の銅像が撤去された。
米国の動画配信サービス(HBO Max)は1860年代の南北戦争を舞台にした映画「風と共に去りぬ」について、「人種に対する偏見を含んでいる」として配信を停止した。...
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人種格差、医療格差などでたまっていた黒人層の不満がコロナ禍、白人警官による黒人男性ジョージフロイド暴行事件をきっかけにして大爆発した。
ミネソタ州で黒人男性ジョージフロイドが白人警官に暴行され死亡した事件を受けて、南部アラバマ、ケンタッキーなどでは19世紀の南北戦争で奴隷制度を支持した南軍司令官リー将軍の銅像が撤去された。
米国の動画配信サービス(HBO Max)は1860年代の南北戦争を舞台にした映画「風と共に去りぬ」について、「人種に対する偏見を含んでいる」として配信を停止した。
同映画は、米国が北と南に分かれて戦った奴隷制の時代を代表するハリウッド映画であるが、人種差別を肯定しているとして長年、批判されてきた。
アマゾンドットコムはAIを使った顔認証サービスについて、警察に提供することを1年間停止すると発表した。アマゾン側は停止理由を明らかにしていないが、白人に比べ黒人の識別精度が悪く黒人が犯罪者にされやすいというのが理由のようだ。人種差別への抗議・警察批判の高まりを受けて停止に踏み切ったのが真相である。
人種差別主義や植民地主義を否定する動きは世界でも相次いでいる。英国では奴隷貿易や植民地支配に関する人物の銅像を撤去する動きが出ている。オックスフォード大学のカレッジの前には1000人を超える学生や市民が集まり、建物の外壁にあるセシルローズの銅像を撤去するよう訴えた。
セシルローズは英国の植民地だった現在の南アフリカでダイヤモンドや金を採掘した人物である。ブリストルでも反人種差別デモが行われ、奴隷貿易会社の幹部だった王立アフリカ会社幹部・エドワード・コルストンの銅像が引き倒されて川に落とされた。コルストンは農園で500人以上の黒人奴隷を働かせていたという。
ジャマイカでも奴隷を使い砂糖プランテーションを経営していたロバートミリガンの銅像が撤去された。ベルギー・アントワープではアフリカ中部コンゴで多くの黒人を死亡させた元国王・レオポルド2世の像が汚され撤去された。
11月に大統領選挙を控えたトランプ大統領は事態の鎮静化を図ろうとして必死になって動いている。自身の支持を表明する黒人団体の幹部や著名人を突如としてホワイトハウスに招き、黒人に寄り添う姿勢を示したが、大統領選挙で人種差別問題が争点になることは避けられそうもない。
何よりトランプ大統領の両肩に重くのしかかっているのは11万人という先進国で群を抜いた死者の数である。この数の多さは初動対応の失敗という以外には説明がつかない。経済を守ることが自身の政権の決定的な功績になると考えてきたトランプ大統領だったが、その経済もうまくいっていない。FRBパウエル議長が「2020年末までに失業率は9%を超えるだろう」と予測し、良くなる兆しはみじんも見えない。
トランプ大統領は外交で突破口を開こうと、「G7は時代遅れだ」とした上で、ロシア、韓国、オーストラリア、インドの4か国を招待したいと表明したが、枠組みの変更に関しては、「メンバー国を増やすにはすべて参加国の支持が必要だ」として全てのメンバー国が反対しており外交でも向い風が吹いている。大統領選まで半年を切る中、トランプ大統領は焦りの色を濃くしている。
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黒人男性死亡事故・トランプ大統領・警察官が首を絞める行為“原則禁止”(6月13日)
米国・トランプ大統領は黒人男性が死亡した事件をきっかけに問題となっている警察官が取り押さえの際に首を絞める行為について12日、FOXテレビのインタビューで「やむをえない場合もあり慎重に考えるべきだ」としたうえで「首を絞めるのはよくない。終わらせるべきだ」と述べ原則として禁止するよう自治体に呼びかける考えを明らかにした。
米国では警察改革を求める声が強まっている。ニューヨーク州では12日、クオモ知事が署名して新たな条例が成立した。...
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米国・トランプ大統領は黒人男性が死亡した事件をきっかけに問題となっている警察官が取り押さえの際に首を絞める行為について12日、FOXテレビのインタビューで「やむをえない場合もあり慎重に考えるべきだ」としたうえで「首を絞めるのはよくない。終わらせるべきだ」と述べ原則として禁止するよう自治体に呼びかける考えを明らかにした。
米国では警察改革を求める声が強まっている。ニューヨーク州では12日、クオモ知事が署名して新たな条例が成立した。条例には警察官が容疑者を拘束する際に首を絞める行為を刑事罰の対象とすることや、容疑者を死亡させた場合に独立検察官が捜査にあたることなどが盛り込まれている。さらに今各地で広がっているのが、15世紀のイタリアの探検家であるコロンブスの像を引き倒すなどの動きである。
コロンブスはヨーロッパと米国を結ぶ航路を開拓したことへの歴史的な評価がある一方、先住民族の虐殺を招いたとして非難する見方もありニューヨーク中心部にある円形広場「コロンバスサークル」ではコロンブス像が柵で囲われるなど警察による警備が強化されている。
また、英国のロンドンではチャーチル元首相の銅像が人種差別主義者と落書きされた。
チャーチル元首相は偉大な政治家として尊敬を集める一方、人種差別的な考えの持ち主だったとする見方もあり市当局は今週末のデモを前に元首相の銅像を保護する措置を取ったことを明らかにした。
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