G20の大舞台で見せた習近平主席のあのワンシーンが象徴することとは(7月4日)
G20大阪サミットが無事終わった。成果に対する各国の反応は様々だが、万端整った態勢で迎えた主催側のホストぶりだけは非常に光って、概ね賞賛が得られた。
映像を通じて映し出された各首脳の一挙手一投足のシーンには、印象深いものもあった。中でも、最初の集団撮影のため各国首脳がカメラ陣の前に立ち始めたその瞬間、習近平主席がトランプ大統領のところに近寄って挨拶を交わす一幕が繰り返しテレビ画面にアップされているが、しかもその部分は中国では放送されていないという事実である。...
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G20大阪サミットが無事終わった。成果に対する各国の反応は様々だが、万端整った態勢で迎えた主催側のホストぶりだけは非常に光って、概ね賞賛が得られた。
映像を通じて映し出された各首脳の一挙手一投足のシーンには、印象深いものもあった。中でも、最初の集団撮影のため各国首脳がカメラ陣の前に立ち始めたその瞬間、習近平主席がトランプ大統領のところに近寄って挨拶を交わす一幕が繰り返しテレビ画面にアップされているが、しかもその部分は中国では放送されていないという事実である。
このワンシーンから、米中関係が最悪なこの時期にもかかわらず、そのような態度をあえて世界の目に曝す中国の最高指導者が居ることを認識させられ、米中関係が厳しいなかで、世界中の人々は、さぞ胸を撫で下ろしたことであろう。当然、これが中国の対トランプ戦術ではないかという見方にもなってもいる。
日本から見ると意外であるが、中国における、習近平人気の最大な秘訣は、何と言ってもこのシーンで見られるように、「優しく近寄りやすい」というイメージ作りにある。青年時代を貧しい農村で過ごした経験が彼を謙虚な性格にさせた、と持ち上げるプロパガンダを通して、彼の一面は、中国人に共感を与えている事も事実である。
中国メディアも、こうしたシーンをクローズアップして一般国民にもっと見せれば好感度が上がるだろうが、そこはやはり、われわれが知り得ない複雑な計算があるのだろう。習近平主席の名言と称して取り上げられている語録の数々を見ていると、分かりやすい言葉使いや、平民目線で物事を語るという特徴が、確かにある。たとえば、反腐敗で実績を上げているキャンペーン用語の「トラも蠅もたたく」とか、共産党員幹部の持つべき心構えとして「初心を忘れず、使命を忘れぬ」とか、多くの中国人も納得するようものもある。
こうしたリーダーを擁した中国と日本はこれからも付き合っていかなければならず、なかなか手強いとも言える。
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米中首脳会談の行方(6月29日)
(G20・米中首脳会談・米国、追加の関税の上乗せ見送り)
世界37の国と地域、国際機関を招いて行われる世界規模のイベント・G20サミットが大阪で開幕した。最大の焦点は米中貿易戦争であり、その当事者が直接対峙する米中首脳会談が7か月ぶりに開催された。会談冒頭で習主席が「我々は協力と対話の方が対立するよりずっと良い。最近、大統領と私は電話や書簡の交換をするなどして対話を増やしている。今日、私は根本的な問題、両国の関係に関する方向性で意見を交換したいと思っている」と語ると、トランプ大統領は「私たちは友人となった。...
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(G20・米中首脳会談・米国、追加の関税の上乗せ見送り)
世界37の国と地域、国際機関を招いて行われる世界規模のイベント・G20サミットが大阪で開幕した。最大の焦点は米中貿易戦争であり、その当事者が直接対峙する米中首脳会談が7か月ぶりに開催された。会談冒頭で習主席が「我々は協力と対話の方が対立するよりずっと良い。最近、大統領と私は電話や書簡の交換をするなどして対話を増やしている。今日、私は根本的な問題、両国の関係に関する方向性で意見を交換したいと思っている」と語ると、トランプ大統領は「私たちは友人となった。私は習主席と協力ができることを楽しみにしている。すばらしい関係が構築できるだろう。私は貿易に関してさらなる対応を中国に求めていきたいと思っている。私たちは少しうまくいかなかった部分もあるが、公平な貿易を築くことは歴史的なことであり、私は中国との建設的な話し合いを楽しみにしている。両国にとって素晴らしい成果を期待している」と述べた後、テレビカメラは会場からシャットアウトとなった。両者は時折、笑顔をみせるものの、ぎこちない対応をみせていたが、中国国営メディアは、「米国は会談の中で中国からの輸入品に対して追加の関税の上乗せを見送る」と伝え、その上で、「両国の交渉チームは具体的な問題について、今後議論を行う」と報じた。大きな進展は難しいと踏んでいたので中国にとっては想定内の結果だったとみられる。
(米中貿易戦争に対し各国から懸念の声)
今回、G20参加各国、地域、国際機関からは米中貿易戦争に対する懸念の声が相次いでおり、G20会議の冒頭挨拶では、G20ホスト国の議長である安倍首相でさえ、米中を念頭に「貿易制限措置の応酬はどの国にとっても利益にならない」と訴えた。28日のデジタル分野での特別会合の席では安倍首相をはさんでトランプ大統領と習近平国家主席が並んですわるという緊迫した場面も見られた。5Gというハイテク分野をめぐり、米中が早くも火花を散らした格好となった。この席で習主席が「データは石油と同じだ。公平で差別のない市場を作るべきであり、人的に市場に介入するのはいかがなものか。ドアを閉めるべきではない」とトランプ大統領をけん制したのに対し、トランプ大統領は「自由なデータの流通のためには5Gの安全性と頑丈さが不可欠だが、ファーウェイ製品を使えば、中国政府に機密情報が筒抜けになってしまう」「米国はデータの囲い込みに反対する」などと反撃し、習主席が一瞬表情をこわばらせる場面もみられた。当初、習主席はこの会合に欠席する意向だったというが、前日の日中首脳会談で安倍首相が習主席に参加を求め、参加が決まった。安倍首相はトランプ大統領、習主席と個別に会談したが、習主席に米中貿易摩擦による緊張緩和を促したのに対し、習主席は貿易不均衡問題への是正については前向きともみられる姿勢を示した一方で体制の根幹に関わる問題については、頑なな姿勢を崩しておらず、両国の溝は大きいと言わざるを得ず、米中の対立は長期に渡って続くものとみられる。
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G20焦点の米中首脳会談・協議再開で合意・米国制裁関税も見送り(6月29日)
G20大阪サミットにあわせて米国・トランプ大統領と中国・習近平国家主席が首脳会談を行った。習主席は1979年の米中国交正常化への道を開いたピンポン外交に触れた上で対話を続ける重要性を強調した。
習主席は「争えばともに傷つくことであり、摩擦より協力の方がいい、対立より対話の方がいい」、トランプ大統領は「公正な貿易合意ができれば歴史的なこと。非常に生産的な会談になるだろう」と述べた。
両者は貿易協議を再開することで合意し、トランプ大統領は中国からのほぼ全ての輸入品を対象とする制裁関税第4弾を見送ることを決めた。...
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G20大阪サミットにあわせて米国・トランプ大統領と中国・習近平国家主席が首脳会談を行った。習主席は1979年の米中国交正常化への道を開いたピンポン外交に触れた上で対話を続ける重要性を強調した。
習主席は「争えばともに傷つくことであり、摩擦より協力の方がいい、対立より対話の方がいい」、トランプ大統領は「公正な貿易合意ができれば歴史的なこと。非常に生産的な会談になるだろう」と述べた。
両者は貿易協議を再開することで合意し、トランプ大統領は中国からのほぼ全ての輸入品を対象とする制裁関税第4弾を見送ることを決めた。
米国が求める中国の補助金制度廃止など、産業構造の改革をめぐっては中国側は譲らない姿勢を改めて強調していて、今後の協議で妥結できるかは不透明である。
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G20大阪サミット開幕・米中貿易摩擦など念頭・世界経済の下方リスク指摘(6月28日)
G20が開幕。初日のきょうは、世界経済や貿易などをテーマに討議が行われた。
各国の首脳からは、米中の貿易摩擦などを念頭に、世界経済の下方リスクを指摘する意見が相次ぎ、議長を務める安倍総理大臣は、世界経済の持続的な成長に向けてG20の結束を呼びかけた。
現地では、各国の首脳同士が相次いで会談が行われた。
トランプ大統領は、ロシアのプーチン大統領とも会談した。
今回のサミットでは海洋汚染の原因となっているプラスチックごみの対策も、主要な議題として取り上げられることになっている。...
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G20が開幕。初日のきょうは、世界経済や貿易などをテーマに討議が行われた。
各国の首脳からは、米中の貿易摩擦などを念頭に、世界経済の下方リスクを指摘する意見が相次ぎ、議長を務める安倍総理大臣は、世界経済の持続的な成長に向けてG20の結束を呼びかけた。
現地では、各国の首脳同士が相次いで会談が行われた。
トランプ大統領は、ロシアのプーチン大統領とも会談した。
今回のサミットでは海洋汚染の原因となっているプラスチックごみの対策も、主要な議題として取り上げられることになっている。
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G20大阪サミットきょう開幕・安倍首相・意見集約図れるか(6月28日)
G20大阪サミットがきょう開幕する。中国・習近平国家主席は就任以来初の訪日。米国・トランプ大統領はきょう安倍首相と首脳会談に臨む予定である。
G20メンバーは、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ、アルゼンチン、オーストラリア、インドネシア、メキシコ、韓国、サウジアラビア、トルコ、EUである。
自由貿易や気候変動など世界規模の課題への対応で各国の意見の隔たりが明確になる中、議長を務める安倍首相にとっては意見集約を図れるかが問われる。...
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G20大阪サミットがきょう開幕する。中国・習近平国家主席は就任以来初の訪日。米国・トランプ大統領はきょう安倍首相と首脳会談に臨む予定である。
G20メンバーは、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ、アルゼンチン、オーストラリア、インドネシア、メキシコ、韓国、サウジアラビア、トルコ、EUである。
自由貿易や気候変動など世界規模の課題への対応で各国の意見の隔たりが明確になる中、議長を務める安倍首相にとっては意見集約を図れるかが問われる。
安倍首相は「一致点や共通点を見いだしていきたい」とコメントした。
安倍首相は各国首脳らと相次いで会談した。
日中首脳会談では、習主席の国賓としての訪日を来年春に実現することで一致した。
米中貿易摩擦についても、習主席が現状を説明したのに対し、安倍首相は対話を通じた問題解決が重要だと指摘した。
この会談に合わせて、日本にある銀行口座を使って中国の通貨・人民元の取引ができる初の日本の金融機関に三菱UFJ銀行が指定された。
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