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野球の概念を変える“コリジョンルール”前篇(5月20日)
“走者が捕手に強引に体当たりをすることの禁止”“捕手が本塁をふさぐこと(ブロック)と走者の進路を妨げることの禁止”それが日本プロ野球(NPB)で今季から始まった新ルール「コリジョンルール(衝突ルール)」である。アメリカ・メジャーリーグに倣い導入されたこの試みは、ファンの間にも浸透してきたが、評価は賛否が分かれているというのが実感だ。
5月11日のタイガースvsジャイアンツの伝統の一戦では、このジャッジが勝敗に大きく影響した。...
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“走者が捕手に強引に体当たりをすることの禁止”“捕手が本塁をふさぐこと(ブロック)と走者の進路を妨げることの禁止”それが日本プロ野球(NPB)で今季から始まった新ルール「コリジョンルール(衝突ルール)」である。アメリカ・メジャーリーグに倣い導入されたこの試みは、ファンの間にも浸透してきたが、評価は賛否が分かれているというのが実感だ。
5月11日のタイガースvsジャイアンツの伝統の一戦では、このジャッジが勝敗に大きく影響した。3回表2死二塁で脇谷のセンター前の当たりを、大和が本塁へ送球。走者・小林にアウトが宣告されたが、ビデオ判定の結果、捕手の原口が走者の進路上にいたとして判定が覆りセーフに。セリーグでは初めてのコリジョンルール適用となった。タイミングは完全にアウトの送球。しかもこの時に原口がいたのは本塁の真後ろだった。ベースをふさぐ形にはなっておらず、一見問題の無いようにも見えたが、「三塁と本塁の進路の延長線上」にいたことがルールに抵触してしまった。金本監督は猛抗議したものの却下され、試合はジャイアンツが勝利した。
その6日後、今度はジャイアンツがこのルールに泣かされることに。ベイスターズとの対戦で6回表、一塁手ギャレットの本塁送球はアウトのタイミングだったが、三塁走者の倉本が捕手・小林のタッチを上手くかいくぐり生還。コリジョンの適用を警戒し、大きく進路を空けていたことが仇になってしまった。この失点で今季初登板の内海は初勝利を逃している。
導入から2か月のコリジョンルール。否定派には「クロスプレーの醍醐味が失われる」「矢のようなレーザービームによる捕殺が減る」といった意見が多い。だが、肯定派の主張にも「成る程」と思わされる点がある(この項続く)
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バレーボールでレッドカード!!まさかの結末(5月19日)
試合時間はバレーボールでは異例の3時間弱。東京体育館は、思いもよらない展開に困惑しつつも興奮のるつぼと化していく。女子世界最終予選兼アジア予選、日本の4戦目はとんでもない激戦、いや混乱した荒れた戦いに。その原因となったのはある新ルールの影響だった。
前日、アジアでの最大の強敵韓国に1-3で敗戦。今予選で初黒星を喫した火の鳥NIPPONはタイと対戦。試合は第一セットから完全にタイのペースで進んでいく。...
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試合時間はバレーボールでは異例の3時間弱。東京体育館は、思いもよらない展開に困惑しつつも興奮のるつぼと化していく。女子世界最終予選兼アジア予選、日本の4戦目はとんでもない激戦、いや混乱した荒れた戦いに。その原因となったのはある新ルールの影響だった。
前日、アジアでの最大の強敵韓国に1-3で敗戦。今予選で初黒星を喫した火の鳥NIPPONはタイと対戦。試合は第一セットから完全にタイのペースで進んでいく。名セッター・ヌットサラのトス回しに翻弄され、レセプション(サーブレシーブ)を崩される日本。若き司令塔・宮下遥は二段トスを多用せざるを得ない状況に追い込まれ、長岡、石井の両ウイングスパイカーのアタックも不発。何とかフルセットに持ち込むも、連続ポイントを決められ3-9と絶望的な点差に。ここで殆どの観客やTVの前で応援していた人たちは連敗を覚悟したであろう。…ところが、ここから信じられないことが起こる。日本の必死の追い上げに、タイが選手交代を要求。これが手違いで認められず、監督が猛抗議。すると、これが遅延行為とみなされ、レッドカードが提示され日本側に1点が加点。さらにその後も同様の行為に再度レッドカードが出され、遂に日本がマッチポイント。騒然とした状況の中、日本が大逆転勝利を収めた。
この騒動の伏線は、試合中に多用されたビデオ判定「チャレンジ」の際のトラブルにあった。インプレー中のチャレンジ申請で混乱が多発。試合は幾度となく中断された。両チームの監督だけではなく、主審にも相当の困惑があったように感じられる。バレーは試合のリズムが重要な競技である。これ程頻繁に試合が中断し、ゲームに支障が出るというのは如何なものか?五輪出場のかかる重大な試合だけに課題が残った。
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厳しい登板間隔(ロ-テーション)に挑むサムライたち(5月18日)
海の向こうのメジャーリーグで、日本を代表する2大エースが苦しんでいる。ヤンキース田中将大は17日現在、8試合に登板して未だ1勝。15日のホワイトソックス戦では5回を投げ8被安打4失点。チームは逆転勝利したものの、田中に勝敗はつかなかった。開幕戦からこれまでの登板では、打線の援護が乏しく勝ちに結びつかない試合も多かったが、最近は序盤での失点が多く自責点も増加傾向にある。防御率は3.51とトップ20から滑り落ちてしまった。...
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海の向こうのメジャーリーグで、日本を代表する2大エースが苦しんでいる。ヤンキース田中将大は17日現在、8試合に登板して未だ1勝。15日のホワイトソックス戦では5回を投げ8被安打4失点。チームは逆転勝利したものの、田中に勝敗はつかなかった。開幕戦からこれまでの登板では、打線の援護が乏しく勝ちに結びつかない試合も多かったが、最近は序盤での失点が多く自責点も増加傾向にある。防御率は3.51とトップ20から滑り落ちてしまった。
一方、鮮烈なメジャーデビューを飾ったドジャースの前田健太。16日、地元ロサンゼルスでのエンゼルス戦に登板したが4失点を喫し、これまでの最短の4回で降板。これで4試合勝ち星から見放されている。抜群の安定感を示していた序盤戦から比べると、ここ数試合は手痛い場面で一発を喫する場面が目につくようになっているのが気がかりだ。11日のメッツ戦でも相手投手・シンダーガードから2打席連続本塁打を浴びるというまさかの展開に。開幕戦で自らの初ヒットを本塁打で飾った日本から来たルーキーは、逆に痛烈な洗礼を浴びせられた。
田中は昨シーズンオフに肘にメスを入れたが、全くその影響はないと自身では話している。しかし、ヤンキースは現在20連戦中。メジャーでも厳しい中4日での登板が続いており、調整にやや不安を感じざるを得ない。前田についても、初めての日本とは異なる短いローテーションでの先発のなか、次第に疲れも出てくるころだろう。入団前のメディカルチェックで、「イレギュラー(異常個所)」が発見され、将来的には腱移植手術・トミージョンを受けることを公言しているマエケン。広島時代も厳しいローテは経験済みだが、うまく順応できるだろうか?肘に爆弾を抱える両投手。ここからが正念場だ。
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女子サッカー・地方から始まるなでしこ新時代(5月17日)
先月、サッカーフル代表では初めての女性監督となる高倉麻子監督の就任が発表され、新たに再起へのスタートを切った日本女子サッカー。国内のなでしこリーグは3月の開幕から1か月を終えた。ここまでのなでしこたちの戦いぶりはどうなっているだろうか?
3月に行われた最終予選でリオ五輪への出場権を逃し、女子サッカー人気への影響が懸念されたが、幸いここまでは観客動員に大幅な落ち込みは見せていない。協会関係者はひとまず胸をなでおろしていることだろう。...
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先月、サッカーフル代表では初めての女性監督となる高倉麻子監督の就任が発表され、新たに再起へのスタートを切った日本女子サッカー。国内のなでしこリーグは3月の開幕から1か月を終えた。ここまでのなでしこたちの戦いぶりはどうなっているだろうか?
3月に行われた最終予選でリオ五輪への出場権を逃し、女子サッカー人気への影響が懸念されたが、幸いここまでは観客動員に大幅な落ち込みは見せていない。協会関係者はひとまず胸をなでおろしていることだろう。首位を走るのは昨年女王の日テレベレーザ。一方で、台風の目となっているのが、今季2部から昇格してきたばかりのAC長野パルセイロレディースだ。
昨シーズン2部リーグを制し、初のトップリーグに挑むパルセイロレディース。2部で断トツの得点王に輝いたFW横山久美を擁し、ここまで、上位チーム相手に善戦。何よりもその観客の多さに驚かされる。去年こけら落としになった南長野運動公園総合球技場には先季を大きく上回る観客が押し寄せ、平均観客動員数は3779人を誇る。これは現時点でINAC神戸を抑え、リーグ10チーム中トップだ。
GW最終日にホームで行われた、第8節ではINAC神戸に前半で2点のリードを奪われながら、横山らの活躍で3-2の逆転勝利。観客も最多の6733人を記録してみせた。続く第9節では首位・ベレーザを迎え撃つも、1-5と完敗。力の差を見せつけられた格好になったが、現在4位につけており、まだまだ優勝争いに絡んでくるであろう。
シドニー五輪で出場を逃した直後は、観客数の減少やチームの廃部が相次ぎ冬の時代を迎えたなでしこたち。しかし、その裾野の広がりは確かに地方にも根を下ろしつつあるようだ。
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OQT開幕!前回の最終予選をプレイバック(5月15日)
バレーボールのリオデジャネイロ五輪出場をかけた世界最終予選兼アジア予選(OQT)。15日から女子の大会が東京体育館で開幕している。8か国総当たりで行われるリオへの戦い。アジア最上位1チーム、それを除く上位3チームの合計4か国にオリンピック出場権が与えられる。
前回のロンドン五輪では84年のロサンゼルス大会以来のメダルを手にした全日本女子。しかし、その出場権獲得への過程は非常に厳しいものだった。まず全勝のロシアが最初に五輪出場の切符を獲得。...
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バレーボールのリオデジャネイロ五輪出場をかけた世界最終予選兼アジア予選(OQT)。15日から女子の大会が東京体育館で開幕している。8か国総当たりで行われるリオへの戦い。アジア最上位1チーム、それを除く上位3チームの合計4か国にオリンピック出場権が与えられる。
前回のロンドン五輪では84年のロサンゼルス大会以来のメダルを手にした全日本女子。しかし、その出場権獲得への過程は非常に厳しいものだった。まず全勝のロシアが最初に五輪出場の切符を獲得。それに続き、OQTでのアジア最大のライバルと目されていた韓国が2か国目の権利を手にした。残る二枠は最終日の最終試合、日本vsセルビアの結果に持ち越され、日本はセルビアにフルセットで敗れたものの、第3セットまでに2セットを奪った時点で4位以内が確定していたため、ロンドン行きを決める事が出来た。結局セルビアが3位。日本は全体の4位という、ギリギリの出場獲得であった。
今回の全日本メンバーには多くの新戦力とともに、前回のOQT経験メンバーも顔を揃える。出産・育児を経験し、1年間の休養後、競技復帰を果たした荒木絵里香(31)もその一人だ。2014年に、Vリーグで二部に当たるチャレンジリーグから昇格したばかりの上尾メディックスに入団。ママさんバレーボーラーとして、チームを優勝争いに導く活躍を見せ、ブロック賞とベスト6の二冠に輝いた。だが、その荒木をもってしても、4年前のOQTはプレッシャーのあまり「ご飯が喉を通らず、味すら感じなかった」程だという。五輪でのメダル獲得が義務付けられ、期待と重圧のなか過酷な戦いに挑む火の鳥NIPPON。2015-16シーズンも2年連続でブロック賞を獲得した、頼れるミドルブロッカー・荒木の手腕に期待したい。
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