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笑顔であふれたバレー人生・最後のスマイル(3月6日)
「自分でも最後という実感が正直あんまり無くて」試合の感想を問われると、彼女はそう悪戯っぽく微笑んだ。いつものサオリンスマイルだ。
バレーボールVリーグ女子は4日、ファイナルステージの山場を迎えた。6チーム中、上位3チームのみが準決勝に進める。今季限りで引退を表明している木村沙織の東レは最下位で残り2試合。勝ち残りには2戦ともストレート勝ちか3-1以上での勝利が最低条件という正念場。対戦相手は木村の成徳学園時代の先輩で、かつて東レでともに黄金時代を築いた荒木絵里香を擁するトヨタ車体。...
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「自分でも最後という実感が正直あんまり無くて」試合の感想を問われると、彼女はそう悪戯っぽく微笑んだ。いつものサオリンスマイルだ。
バレーボールVリーグ女子は4日、ファイナルステージの山場を迎えた。6チーム中、上位3チームのみが準決勝に進める。今季限りで引退を表明している木村沙織の東レは最下位で残り2試合。勝ち残りには2戦ともストレート勝ちか3-1以上での勝利が最低条件という正念場。対戦相手は木村の成徳学園時代の先輩で、かつて東レでともに黄金時代を築いた荒木絵里香を擁するトヨタ車体。こちらもファイナル進出がかかる絶対に負けられないゲームだ。木村は痛めたふくらはぎに応急処置を施しながら両チーム最多20得点をあげる活躍。3-1でギリギリの勝利をおさめ、5日の試合に臨んだ。
対するは現在首位のNEC。今季レギュラーラウンドで一度も勝てなかった強敵に、後のない東レは必死に食らいつき第1セットを先取する。第2セットもジュースにもつれる熱戦となったがNECに奪い返されると、続く第3セットも落としてしまい、この瞬間ファイナル6敗退が確定。それでも木村は第4セットもスタメン出場したが、途中で足がつってしまい無念の途中交代。バレー界に一時代を築いた全日本のエース現役最後のゲームはここで幕を閉じた。
試合を終えた木村はマスコミの取材に応じた。冒頭の言葉通り、そこには全く涙はなく、明るい木村の性格そのままの会見だった。春高バレーで全国的な人気を集め、全日本女子に28年ぶりのメダルをもたらしたエースがコートを去る。笑顔と感動をありがとう木村沙織。
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「神の左」V12達成!・伝説の記録へあと1(3月4日)
WBC世界バンタム級タイトルマッチが両国国技館で行われ、チャンピオン・山中慎介が7ラウンドTKO勝ちで12度目の防衛を果たした。これで歴代日本人世界王者単独2位の防衛記録を達成。具志堅用高が持つ不滅の記録「V13」まであと一つに迫った。
試合は初ラウンドから山中のペース。WBCルールの4ラウンド終了時の公開採点でジャッジ3名ともに山中リードのアナウンスが流れると、会場のボルテージは一気に上昇。...
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WBC世界バンタム級タイトルマッチが両国国技館で行われ、チャンピオン・山中慎介が7ラウンドTKO勝ちで12度目の防衛を果たした。これで歴代日本人世界王者単独2位の防衛記録を達成。具志堅用高が持つ不滅の記録「V13」まであと一つに迫った。
試合は初ラウンドから山中のペース。WBCルールの4ラウンド終了時の公開採点でジャッジ3名ともに山中リードのアナウンスが流れると、会場のボルテージは一気に上昇。5ラウンド開始早々に最初のダウンを奪うと山中はラッシュをしかけた。試合前「KOで決めたい」と語っていた王者は明らかにこの回で仕留めようと狙っていたのだろう。続けざまに2度目のダウンを奪い攻めかかったが、ここで挑戦者カールソンの必死の反撃でカウンターをもらってしまう。一転ピンチに陥った山中はクリンチに逃れ、何とかこのラウンドを凌ぎきった。この時の攻防で左まぶたを出血させられたが、その後はペースを取り戻し、更にダウンを奪いタフな挑戦者をマットに沈めた。終わってみれば公約通り「神の左」炸裂で圧勝のV12戦だったが、ややヒヤリとさせられた部分もあったのは事実だ。試合後、解説のV10防衛の元世界王者・長谷川穂積も「厳しくなるところもあったのでパンチをもらわないように」と課題を指摘した。次戦は大記録への挑戦となるが、対戦相手には同級2位のルイス・ネリーらが候補に挙がっている。
具志堅のV13は1976年10月から81年3月までの4年5か月間。無敗を誇ったその野性味あふれるファイトは当時、列島中を熱狂させた。37年ぶりに「神の左」は“カンムリワシ”の伝説に届くだろうか?
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投壊危機に二筋の光明・菅野と石川への期待値(3月3日)
世界一を奪還するというその思いに全く変わりはない」(小久保裕紀)。WBC・ワールドベースボールクラシック開幕までいよいよ一週間を切った。しかし、侍ジャパンはソフトバンクホークスと台湾選抜との壮行試合でよもやの連敗。出足でいきなり足元をすくわれた格好に。開幕前の壮行試合での連敗は初の失態である。
1日、再び台湾リーグ選抜との雪辱戦に臨む先発のマウンドに立ったのはジャイアンツの菅野智之だ。得意のカットボール、スライダーともに球が走り、4イニングを58球・無失点のピッチングを披露。...
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世界一を奪還するというその思いに全く変わりはない」(小久保裕紀)。WBC・ワールドベースボールクラシック開幕までいよいよ一週間を切った。しかし、侍ジャパンはソフトバンクホークスと台湾選抜との壮行試合でよもやの連敗。出足でいきなり足元をすくわれた格好に。開幕前の壮行試合での連敗は初の失態である。
1日、再び台湾リーグ選抜との雪辱戦に臨む先発のマウンドに立ったのはジャイアンツの菅野智之だ。得意のカットボール、スライダーともに球が走り、4イニングを58球・無失点のピッチングを披露。シングルヒット4本を喫したものの無四球の安定した投球内容だった。続く2番手はマリーンズの石川歩。3回を投げ1点を失ったが6奪三振。決め球のシンカーで6回には3者連続三振を奪う力投を見せた。本人は「もう少し精度を上げて本番に臨みたい」と反省の言葉を口にしたが、小久保監督は「菅野、石川が非常に良いピッチングをした」と称賛。待望の初白星にも「万全に仕上げて開幕戦に臨みたい」と決意を新たにしていた。
前の2試合では投手陣が本来の力を発揮できず炎上。特に2戦目は17被安打、8失点と撃ち込まれた。過去のWBCでの1試合最多失点、最多被安打を更新と不安を残しただけに、二人のエースの仕上がりに光明を見た気がする。小久保監督は初戦のキューバに石川、2戦目のオーストラリア戦に菅野を先発させる構えのようだ。大敗した2戦目では劣勢にもかかわらず一部の選手がベンチで笑顔を見せていたことに対して、元代表の解説者から辛辣な批判も聞かれた。壮行試合はあと2試合ある。侍たちには世界最高峰の戦いへ向け闘志に火をつけて欲しい。
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「四横綱時代」復活!・さらなる土俵の充実を(3月2日)
大相撲春場所の番付が発表され、稀勢の里が日本出身力士として19年ぶりに綱の地位に就いた。第72代横綱として臨む場所を前に会見を行い「優勝争いが使命」と決意を語った。昇進後の祝賀会やパレードなどイベント続きで調整不足と思うが、これまで稀勢の里は猛稽古を重ねてきたことで知られている。場所には間に合わせるよう、きちんと仕上げてくるだろう。
四横綱(白鵬、日馬富士、鶴竜、稀勢の里)が実現したのも17年ぶりのこと。...
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大相撲春場所の番付が発表され、稀勢の里が日本出身力士として19年ぶりに綱の地位に就いた。第72代横綱として臨む場所を前に会見を行い「優勝争いが使命」と決意を語った。昇進後の祝賀会やパレードなどイベント続きで調整不足と思うが、これまで稀勢の里は猛稽古を重ねてきたことで知られている。場所には間に合わせるよう、きちんと仕上げてくるだろう。
四横綱(白鵬、日馬富士、鶴竜、稀勢の里)が実現したのも17年ぶりのこと。先輩の三人の横綱にとっても大きな刺激にならない筈がない。京都市上賀茂神社で奉納土俵入りを行った東の正横綱・白鵬は、新横綱の誕生について「本当に良かったと思う。さらに四横綱で輝いていきたい」と新時代の到来に期待を込めた。
日馬富士は先場所右脚の故障で途中休場となってしまった。回復は順調の様子で春場所の出場に問題はなさそうだ。稀勢の里に対して「お互い10代から稽古してきている。共に責任を持って頑張りたい」とエールを送った。同じく初場所は五勝六敗四休と不本意な成績に終わった鶴竜も復活。1日には時津風部屋まで出稽古し、若手成長株の正代や、新入幕の期待がかかる小柳らを相手に気迫のこもった相撲を見せた。二場所ぶりの優勝に向け、調整に抜かりはない。
前回の四横綱時代(貴乃花、曙、武蔵丸、若乃花)はわずか五場所で幕を閉じている。しかもいずれかの横綱が必ず休場しており、一度も全横綱が皆勤となる場所はなかった。折角の豪華な番付も歯抜けのような星取表では盛り上がらないというもの。是非とも横綱揃い踏みで、千秋楽まで土俵を盛り上げていって欲しい。
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信州生まれの“プレミアムゴールド“小平奈緒(3月1日)
カナダ・カルガリーで行われたスピードスケートの「世界スプリント選手権」。短距離の世界一を決めるこの大会は500mと1000mのレースを2日間行い、4レースの合計獲得ポイントで争われる。この大会で26日、日本のエース・小平奈緒が総合優勝を決めた。日本人の総合優勝は1987年の黒岩彰以来実に30年ぶり。日本人女子としては初めての快挙だ。
今季絶好調の小平。21日には北海道・帯広で行われていたアジア冬季大会で二冠を獲得したばかりだが、カルガリーでもその力強い滑りは健在。...
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カナダ・カルガリーで行われたスピードスケートの「世界スプリント選手権」。短距離の世界一を決めるこの大会は500mと1000mのレースを2日間行い、4レースの合計獲得ポイントで争われる。この大会で26日、日本のエース・小平奈緒が総合優勝を決めた。日本人の総合優勝は1987年の黒岩彰以来実に30年ぶり。日本人女子としては初めての快挙だ。
今季絶好調の小平。21日には北海道・帯広で行われていたアジア冬季大会で二冠を獲得したばかりだが、カルガリーでもその力強い滑りは健在。初日の500m、1000mではいずれも日本記録を更新するタイムで1位を獲得。500mでは日本女子選手初の36秒台をマークした。「女子で36秒台ということは、陸上で例えると100mで9秒台を出すという感じ」と、長野五輪銅メダリストの岡崎朋美もTV局の取材で舌を巻く。2日目の500mでも再び36秒80で優勝し、二日間の合計ポイントは世界新記録となる146.390に。今季の500mレースでは未だ無敗の圧巻の強さを証明した。
ソチ五輪後には単身オランダに渡り、長野五輪金のマリアンヌ・ティメルから教えを乞うた(12月12日記事参照)。そこで「怒った猫(BOZE KAT)のポーズ」と評される背中を丸めながらも、頭は上げる新フォームを身に着けることに成功。重心は低く、かつスケートの刃の抵抗が減ったことで好タイムが生まれたのだ。
「ようやく実がなり始めたところ。熟すにはまだ時間がかかる」試合後、自らをリンゴの木に例えた小平は現在30歳。信州生まれの最高級リンゴが五輪で立派な実を生らす日はもう近い。
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