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菊池涼介、松田宣浩を襲った悪夢のワンプレー（３月２３日）
「１点が遠かったです」試合後、小久保監督は唇を噛んだ。ＷＢＣ準決勝、日本はアメリカに１－２で敗れ、世界一奪還の夢が潰えた。勝敗を分ける決め手となったのは、イレギュラーな要素から生じたほんの僅かな守備の綻びだった。
６戦全勝で東京ラウンドを突破し、迎えた決勝ラウンド。小久保監督は好調の菅野と千賀の投入で、終盤までアメリカの強力打線を封じるプランを立てた。「ガンガン攻めていきたい」と、死球も辞さない程の覚悟でマウンドに上がった菅野は、初回からほぼ完ぺきなピッチングを展開。...
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「１点が遠かったです」試合後、小久保監督は唇を噛んだ。ＷＢＣ準決勝、日本はアメリカに１－２で敗れ、世界一奪還の夢が潰えた。勝敗を分ける決め手となったのは、イレギュラーな要素から生じたほんの僅かな守備の綻びだった。
６戦全勝で東京ラウンドを突破し、迎えた決勝ラウンド。小久保監督は好調の菅野と千賀の投入で、終盤までアメリカの強力打線を封じるプランを立てた。「ガンガン攻めていきたい」と、死球も辞さない程の覚悟でマウンドに上がった菅野は、初回からほぼ完ぺきなピッチングを展開。小雨の降りしきる悪コンディションのなか、内野の守備陣も軽快に打球を捌いていく。
ところが、３回表、思いがけない事態が起きる。強烈な打球をサード・松田が抑え、併殺に仕留めたプレーにアメリカがビデオ判定を要求。実は、このファイナルではフォースプレーに対して何度でもチャレンジが行えるルールになっていた。確認の結果、セカンド・菊池の足がベースから離れていたため、二死ランナー無しが一死二塁のピンチへと覆った。ここは菅野が踏ん張り無失点に抑えたが、この特別ルールにより、内野には必要以上に慎重にならざるを得ない嫌な緊張が生じた。それはこの日の雨粒のように、冷たく静かに選手の心理に浸み込んでいった。
そして４回表、幾度も超美技でジャパンの危機を救ってきた菊池にまさかのエラーが。８回にも松田に打球処理でのファンブルが出て、共に失点に繋がってしまった。「ミスで負けてしまったというのは僕の野球人生の中でも教訓になった」と厳しい表情の菊池。一つのプレーの怖さを侍たちに刻み付けた今回のＷＢＣだった。
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新時代のエース・古賀紗理那とＶ半世紀の歴史（３月２２日）
この三連休、バレーボールＶプレミアリーグの男女ファイナルが東京体育館で行われた。今季は国内リーグ発足から５０周年のメモリヤルイヤー。開幕直前には男女ともに全日本の監督交代が発表された。また、一時代を築いた人気選手が現役を引退するなど、日本バレー界が過渡期を迎えたことを印象付けるシーズンだった。
今シーズンは２試合制となったファイナル。女子はＮＥＣレッドロケッツと久光製薬スプリングスの対決に。...
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この三連休、バレーボールＶプレミアリーグの男女ファイナルが東京体育館で行われた。今季は国内リーグ発足から５０周年のメモリヤルイヤー。開幕直前には男女ともに全日本の監督交代が発表された。また、一時代を築いた人気選手が現役を引退するなど、日本バレー界が過渡期を迎えたことを印象付けるシーズンだった。
今シーズンは２試合制となったファイナル。女子はＮＥＣレッドロケッツと久光製薬スプリングスの対決に。連覇を狙う久光は全日本のエース・長岡望悠を負傷で欠くなか、ファイナル第１戦でミドルブロッカー・岩坂名奈も肩を痛めて欠場する苦しい陣容。対するＮＥＣは成長著しい２年目の古賀紗理那がチームをけん引する。試合は２日間ともフルセットの熱戦となったが、ともにＮＥＣが競り勝ち、２シーズンぶりの優勝を果たした。今季引退した全日本キャプテン・木村沙織の後継者として期待が高まる古賀。奇しくも木村の最後の対戦相手は、エース古賀を擁するこのＮＥＣだった。「自分も沙織さんみたいにチームを引っ張っていけるように頑張りたい」これまでは引っ込み思案で遠慮がちだった二十歳のエース。このシーズンで精神面でも大きく成長したその姿は、とても力強く映った。
一方、久光の黄金期を築いてきた中田久美総監督はこれがラストゲーム。４月からはいよいよ全日本女子を率いることとなる。試合後、闘将は「走り抜けるしかない」と力強く決意を誓った。２０２０東京に向け、中田新体制の「火の鳥NIPPON」で、古賀は一層光り輝くことだろう。
５０年の節目を終えた日本バレー界。昨秋にはプロ化に向け“スーパーリーグ構想”も掲げている。新時代に向けて、大きく飛翔してほしい。
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天国に捧げる日本初の栄冠・小野塚彩那の涙（３月２１日）
「素直にうれしい。とりあえず感無量でした（小野塚彩那）」スペイン・シエラネバダで１２日間にわたって繰り広げられたスノーボード＆フリースタイルスキー世界選手権が幕を閉じた。１８日にはスキーの女子ハーフパイプでソチ五輪銅メダリストの小野塚彩那が快挙を達成。男女通じて日本人初となる金メダルを獲得した。
決勝では演技構成を変更する決断を下した小野塚。予選では６回飛んでいた回転技を５回に減らす賭けに踏み切った。...
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「素直にうれしい。とりあえず感無量でした（小野塚彩那）」スペイン・シエラネバダで１２日間にわたって繰り広げられたスノーボード＆フリースタイルスキー世界選手権が幕を閉じた。１８日にはスキーの女子ハーフパイプでソチ五輪銅メダリストの小野塚彩那が快挙を達成。男女通じて日本人初となる金メダルを獲得した。
決勝では演技構成を変更する決断を下した小野塚。予選では６回飛んでいた回転技を５回に減らす賭けに踏み切った。これが功を奏し、より完成度を高めることに成功。２回転半の大技「９００（ﾅｲﾝﾊﾝﾄﾞﾚｯﾄ）」も決めて、８９・８０点を獲得した。奇しくもこの日は祖父の命日。小野寺は試合後「最後の最後に勝てて良かった」と涙。華麗なスピンは天にも届いたことだろう。
今回の大会ではスキー勢の快挙が相次いだ。モーグルでは１９歳の新鋭・堀島行真が日本人男子初となる金メダルを獲得（３月１０日記事参照）。翌日には２選手が同時に滑るデュアルモーグルでも優勝を果たし、見事二冠を達成した。
一方、スノーボードでは１１日、女子ハーフパイプで松本遥奈が８４・７５点を記録し、銀メダルに輝いた。この種目での日本人のメダル獲得は１０年ぶりのことだ。松本は帰国後の１９日には全日本選手権でも２年ぶりの優勝を果たしている。女子スロープスタイルでは前回大会で最年少優勝（１６歳３か月）の鬼塚雅が銅メダルに食い込んだ。連覇こそ逃したものの「平昌五輪につながる経験はできた」という収穫の多い大会だったようだ。平昌五輪まであと１０か月余。日本代表“ＳＮＯＷ ＪＡＰＡＮ”の更なる飛翔に期待したい。
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１５歳本田真凜・今シーズン最後の圧巻の演技（３月２０日）
世界選手権に先駆け、台湾で行われたフィギュアスケートの世界ジュニア選手権。女子は全日本ジュニア優勝の坂本花織、準優勝の白岩優奈とともに、昨シーズン世界ジュニア選手権女王の本田真凜が、日本人初の連覇に挑んだ。
昨年一気に同世代のトップに躍り出た本田真凜。さらに人気子役として活躍する本田望結と、６歳年下の紗来という２人の妹もフィギュアスケーター。美少女「本田三姉妹」に、マスコミの注目は一気に過熱していく。...
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世界選手権に先駆け、台湾で行われたフィギュアスケートの世界ジュニア選手権。女子は全日本ジュニア優勝の坂本花織、準優勝の白岩優奈とともに、昨シーズン世界ジュニア選手権女王の本田真凜が、日本人初の連覇に挑んだ。
昨年一気に同世代のトップに躍り出た本田真凜。さらに人気子役として活躍する本田望結と、６歳年下の紗来という２人の妹もフィギュアスケーター。美少女「本田三姉妹」に、マスコミの注目は一気に過熱していく。そんななか、今シーズンはなかなか優勝を果たせず、悩める日々が続いていた。昨年１１月の全日本ジュニア選手権ではフリーの演技で着氷が乱れ総合３位に沈んだ。「すごく今は悔しいです」試合後の会見では、あふれる涙を止められなかった。しかも、１２月のジュニア・グランプリファイナルは、開催地のマルセイユに到着後にインフルエンザを発症というアクシデントに見舞われてしまい、直前で大会を棄権。２０１６年は１５歳の少女にとって辛い試練の年となってしまった。
それから３か月「全部吹っ切れて、今はすごくワクワクしている」今大会前、彼女は心境をそう語っていた。その言葉通りＳＰは完璧な演技でシーズンベストを記録。ロシアの超新星１４歳のＡ・ザギトワに２．２３点差に迫った。続くフリーの演技でも最高評価「レベル４」を獲得し、ジュニア日本人初の２００点超えとなる２０１．６１をマーク。惜しくも連覇はJr.世界歴代最高得点のザギトワに阻まれたものの、今シーズン最高の演技で有終の美を飾った。「自分ができることはできたので。この気持ちを大切にしたいと思います」もうその眼に涙は要らない。ここから本田真凜の新しい挑戦が始まる。
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Ｗ杯最終予選・監督が語る本田圭佑の存在理由（３月１８日）
２３日に再開するロシアＷ杯アジア地区最終予選を前に、日本代表メンバーが発表された。今回注目が集まったのが、今年に入ってリーグ戦出場０の本田圭佑が選出されるかどうかだった。
昨年後半からＡＣミランでの出場機会が激減していた本田。今シーズンの出場はわずか５試合にとどまり、ベンチを温めている状態が続く。移籍の噂もメディアを賑わし、中国リーグの有力クラブが獲得を検討しているとの報道も流れた。発表直前の１５日には「インフルエンザを発症」とのリリースもあり、今回の招集から外れるのは濃厚ではないかとの予測もされていた。...
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２３日に再開するロシアＷ杯アジア地区最終予選を前に、日本代表メンバーが発表された。今回注目が集まったのが、今年に入ってリーグ戦出場０の本田圭佑が選出されるかどうかだった。
昨年後半からＡＣミランでの出場機会が激減していた本田。今シーズンの出場はわずか５試合にとどまり、ベンチを温めている状態が続く。移籍の噂もメディアを賑わし、中国リーグの有力クラブが獲得を検討しているとの報道も流れた。発表直前の１５日には「インフルエンザを発症」とのリリースもあり、今回の招集から外れるのは濃厚ではないかとの予測もされていた。
だが、ふたを開けてみれば、やはり本田の名前はメンバーの中にあった。ハリルホジッチ監督はその存在価値を強く訴える。「代表で２０試合戦ってきたが、常にホンダの存在はそこにあった。クラブで試合に出ていなくとも、今の代表は彼を必要としている」次戦は２次予選の初戦、ホームで敗れた相手ＵＡＥ。敵地で行われる厳しい試合について、指揮官は「メンタル」と「経験」を重要視したのだ。インテルで出場機会に恵まれていない長友佑都の選出も同様の理由だろう。ハリル監督が信念を持って腹を括った以上、両名には結果で応えてくれることを期待するしかあるまい。
一方で、欧州勢で絶好調な若手もメンバー入り。久保裕也（ヘント）は今季の移籍後７試合で５得点を挙げている。ハリル監督も「勇気や思い切りの良さ」を高く評価した。ケルンの大迫勇也もクラブ月間最優秀選手に選出され勢いに乗っている。チーム内の「経験」と「勢い」。この両輪が噛み合い、相乗効果が出ることを願う。
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