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“黄金の左“第54代横綱・輪島の輝かしい軌跡(10月10日)
また一人昭和の大横綱が逝ってしまった。第54代横綱で“蔵前の星”と謳われた輪島大士氏が亡くなった。共に昭和の相撲に輪湖(りんこ)時代を築いた北の湖の逝去から3年。70歳の若さで、まるで後を追うかのような旅立ちだ。
輪島は学生相撲出身で最高位まで上り詰めた史上初の横綱である。幕下付け出しデビューからわずか3年での横綱昇進は当時大きな反響を呼んだ。また、四股名をつけず本名のまま横綱を務めたのも彼が唯一の例である。...
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また一人昭和の大横綱が逝ってしまった。第54代横綱で“蔵前の星”と謳われた輪島大士氏が亡くなった。共に昭和の相撲に輪湖(りんこ)時代を築いた北の湖の逝去から3年。70歳の若さで、まるで後を追うかのような旅立ちだ。
輪島は学生相撲出身で最高位まで上り詰めた史上初の横綱である。幕下付け出しデビューからわずか3年での横綱昇進は当時大きな反響を呼んだ。また、四股名をつけず本名のまま横綱を務めたのも彼が唯一の例である。金色の廻しがトレードマーク。その代名詞は「黄金の左」と称賛された左下手投げだ。角界には「下手投げは下手(へた)投げ」という言葉がある。四つ相撲は上手を取ることこそ上策とされ、「下手投げの得意な力士は大成しない」とまで言われていた。そんな通説を一蹴し、積み重ねた幕内優勝は14回を数える。何かと型破りな稀代の名力士であった。
現役引退後の人生も破天荒だった。1985年、継承した花籠部屋で年寄株の借金担保騒動を起こし角界を追われる。転身先は何とプロレスの世界。全日本プロレスに入門しジャイアント馬場から自身のテーマ曲まで譲られる厚遇を得た。だが、38歳でのデビューということもあり、当初はなかなかリングに適応できずに悪戦苦闘の日々が。特に相撲には無い後方への受け身には苦労したという。リング上では角界からの先達として成功を収めていた天龍源一郎から徹底的に厳しい洗礼を浴びた。 試合では“かわいがり”と形容できるほど容赦ない数々の攻撃を受け続けたが、やがてレスラーとしても開花。喉輪落とし・ゴールデンアームボンバーでプロレス界に新風を吹き込んだのである。引退後はアメフトやアマチュア相撲の指導者としても高い評価を得た輪島氏。バラエティ番組でもその憎めないキャラクターがお茶の間の人気を博した。行く先々で数多の黄金の輝きを放ち続けた波乱万丈の生涯。心よりご冥福をお祈りしたい。
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平成最後の「体育の日」に思うスポーツ未来図(10月9日)
台風一過の晴天が広がった三連休最終日の9日。この日は平成最後の「体育の日」だった。日本各地で様々な催しが開かれ、トップアスリートやパラアスリートたちとの交流が行われていた。今年もそのイベントをいくつか紹介してみよう。
東京・北区のナショナルトレーニングセンターでは、恒例の「スポーツ祭り2018」が開催。家族連れなど1万7000人が来場した。屋外の競技場ではプロフィギュアスケーターの小塚崇彦やリオ五輪重量挙げ銅メダリスト・三宅宏実らが子供たちと一緒にスポーツに参加。...
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台風一過の晴天が広がった三連休最終日の9日。この日は平成最後の「体育の日」だった。日本各地で様々な催しが開かれ、トップアスリートやパラアスリートたちとの交流が行われていた。今年もそのイベントをいくつか紹介してみよう。
東京・北区のナショナルトレーニングセンターでは、恒例の「スポーツ祭り2018」が開催。家族連れなど1万7000人が来場した。屋外の競技場ではプロフィギュアスケーターの小塚崇彦やリオ五輪重量挙げ銅メダリスト・三宅宏実らが子供たちと一緒にスポーツに参加。大玉ころがしや約2キロのジョギングなどで汗を流した。室内のプールでは競泳リオ五輪金の萩野公介とアジア大会6冠・池江璃花子が水泳教室を開催。池江は「自分の泳ぎを見て学んでくれているのが嬉しかった」と笑顔。未来のスイマー達からもらった元気を自分のものにしていきたいと抱負を述べた。
一方、札幌市での「北海きたえーる」には陸上短距離走の桐生祥秀が登場。子どもたちとのかけっこ競争を行い、速く走るコツを分かりやすく伝授していた。そのほかも様々なスポーツの体験会などが実施され、秋空のもと参加者は体を動かす喜びを味わったことだろう。
1964年の東京五輪開会式の10月10日を記念し制定された「体育の日」は、次の五輪の2020年、「スポーツの日」と改称されることが決まっている。平成の30年間、多くの災害に見舞われたこの国でスポーツが多くの人々の心に希望を与えてくれた。障害者スポーツをめぐる社会環境・認知度も向上してきたと言える。新しい時代にスポーツが誰にも身近なものとして、より一層親しまれることを期待したい。
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帰ってきた高橋大輔・新たなる輝きを求めて…(10月9日)
“氷上の貴公子”が帰ってきた。日本の男子フィギュアスケートで数々の歴史を切り開いてきた高橋大輔が4年ぶりの復帰戦の舞台に立った。
満員の観客で膨れ上がったフィギュアスケート近畿選手権大会。この大会は昨年までは入場無料だったが、今回の高橋の復帰により人気が殺到。急きょ2000円の入場料が設定された。詰めかけたのは彼の熱心なファンたち。その手にある公式応援グッズのタオルには「D1SK」(ダイスケ)のロゴが施されているが、これは彼自身がデザインしたものである。...
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“氷上の貴公子”が帰ってきた。日本の男子フィギュアスケートで数々の歴史を切り開いてきた高橋大輔が4年ぶりの復帰戦の舞台に立った。
満員の観客で膨れ上がったフィギュアスケート近畿選手権大会。この大会は昨年までは入場無料だったが、今回の高橋の復帰により人気が殺到。急きょ2000円の入場料が設定された。詰めかけたのは彼の熱心なファンたち。その手にある公式応援グッズのタオルには「D1SK」(ダイスケ)のロゴが施されているが、これは彼自身がデザインしたものである。フィギュア界の多くのスター選手の中でも特に高橋のファンは温かいことで知られ、何度も怪我に苦しんできたその背中にずっと声援を送り続けてきた。
自身「こんなに緊張したのは初めて」という復帰戦。しかしショートの演技では20歳前後の新進気鋭の若手選手を相手に貫録の首位をキープ。次いで臨んだフリーでは2度のジャンプを転倒するなどのミスが響いて順位を落としたものの総合で3位に入り久々の表彰台に上った。
「いやあ、最低ですね」演技後のインタビューで苦笑いを見せた高橋。いきなりスタート直後の振り付けを間違えたことで動揺してしまったと明かした。また、長いフリーの演技でのスタミナ面の課題も口にしていた。だが、世界最高峰のステップはいまも健在だ。表現力の高さは圧巻の輝きを放っていた。今回の結果により来月名古屋で開かれる西日本選手権への出場権を獲得。その先には羽生、宇野らが待ち受ける全日本選手権が控えている。28歳で現役引退した貴公子の時計の針が、いま再び動き出す。
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「世界最強」への答え・井上尚弥、WBSS参戦!(10月8日)
「団体が増えたいま、1本のベルトの価値が落ちてきていると思う」16戦目で三階級を制覇した井上尚弥だからこそ言える歯に衣着せぬコメントだ。日本ボクシング界で認定している主要団体は4つ(WBA・WBC・WBO・IBF)。その団体がそれぞれに世界王者を認定し、さらにはスーパー王者、暫定王者が並立するようになっている現在。世界のボクシングファンが待ち望んだ「誰が本当に一番強いのか?」への答えを出す大会、それがワールドボクシング・スーパーシリーズ、WBSSである。...
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「団体が増えたいま、1本のベルトの価値が落ちてきていると思う」16戦目で三階級を制覇した井上尚弥だからこそ言える歯に衣着せぬコメントだ。日本ボクシング界で認定している主要団体は4つ(WBA・WBC・WBO・IBF)。その団体がそれぞれに世界王者を認定し、さらにはスーパー王者、暫定王者が並立するようになっている現在。世界のボクシングファンが待ち望んだ「誰が本当に一番強いのか?」への答えを出す大会、それがワールドボクシング・スーパーシリーズ、WBSSである。
WBSSでは各団体の現役世界王者や、世界ランカー8人が1年をかけてトーナメント戦で争う。その第2回大会で日本が誇る最強王者・井上尚弥が初参戦を果たした。相手は元WBA世界バンタム級スーパ―王者、フアンカルロス・パヤノ。ところが井上はなんと開始わずか70秒でパヤノをKO。この試合で始めて出したワンツーで歴戦の王者をリングに沈めてみせた。日本人世界戦における歴代最速のKO劇である。準決勝ではIBF王者エマヌエル・ロドリゲスと指名挑戦者の勝者との対決が予定されている。
一方この日同じ会場でWBC世界Lフライ級4度目の防衛を決めた拳四朗も「是非WBSSに呼んでいただけたら僕も参加する」と力強いアピールを行った。続報を待ちたい。
今年に入ってボクシング界では日本ボクシング連盟会長の辞任騒動のほか、今月に入り国際ボクシング協会(AIBA)がリオ五輪の不正疑惑等でIOCから五輪競技からの除外を示唆されるなど悪いニュースが続いた。そんな逆境を吹き飛ばすような胸躍るマッチメイクで、再びボクシング熱を巻き起こしていってもらいたい。
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MLBポストシーズン開幕・田中と前田への期待(10月7日)
日本のプロ野球より一足早く、海の向こうメジャーリーグではレギュラーシーズンの全日程が終了。4日からナ・リーグ、5日からア・リーグの地区シリーズが始まっている。
日本人メジャーリーガーで今季のポストシーズンへ出場を決めたのはロサンゼルス・ドジャースの前田健太とニューヨーク・ヤンキースの田中将大の2人だ。ここで両者の今シーズンの記録を簡単におさらいしておこう。まずは前田から。今季は8勝10敗2セーブ。...
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日本のプロ野球より一足早く、海の向こうメジャーリーグではレギュラーシーズンの全日程が終了。4日からナ・リーグ、5日からア・リーグの地区シリーズが始まっている。
日本人メジャーリーガーで今季のポストシーズンへ出場を決めたのはロサンゼルス・ドジャースの前田健太とニューヨーク・ヤンキースの田中将大の2人だ。ここで両者の今シーズンの記録を簡単におさらいしておこう。まずは前田から。今季は8勝10敗2セーブ。渡米3シーズン目で初めて二桁勝利に手が届かなかった。開幕から先発ローテ入りし20試合に登板。先発での成績は6勝7敗だったが、8月中旬から先発を外れ、主にセットアッパーとしての起用が続いた。抑えで2セーブをあげたが、一発を浴びることも多く3敗を喫している。シーズン終盤にも決勝弾を浴びる場面が見られ、安定感に欠ける場面もあったと言えよう。
だが、1日に西地区優勝決定戦では4番手で登板し無失点の好投。チームの6年連続の地区優勝に貢献を果たした。ロバーツ監督の期待に応え、ポストシーズンでの活躍も期待できそうだ。
一方、ヤンキースの田中の今季成績は12勝6敗。MLB5年連続の二桁勝利は黒田博樹以来日本人二人目の快挙だ。防御率も3.75と昨年より1点近く改善し、勝率は1年目に次ぐメジャー移籍後2番目の.667をマークしている。昨季の様に中盤で大崩れする試合が少なかったのが要因だろう。地区シリーズでは6日の第2戦の先発を任された。今季、メジャー新記録の265本塁打を放ったヤンキース打線。攻撃力は全く申し分ない。9年ぶりのワールドシリーズ制覇に向け、田中が投手陣を牽引することになる。
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