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ついに実現!伊藤美誠VS張本智和・卓球界に新しい風(1月18日)
18歳の伊藤美誠と15歳の張本智和。ともに対戦を熱望していた二人の試合後の表情は対照的だった。卓球の全日本選手権4日目、混合ダブルス決勝で森園政崇・伊藤美誠組が張本智和・長崎美柚組を破り優勝。2連覇を成し遂げた。「本当に全く緊張せずに試合ができた」と喜びを露わにしたのは伊藤。記者から笑いが起こると真面目な顔で「本当にこんなに楽しく試合ができたのは初めてです」と感想を語った。
一方の張本は「混合ダブルスの悔しさをほかの2種目(男子単・複)でぶつけられるよう頑張りたいです」と口元を引き締めた。...
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18歳の伊藤美誠と15歳の張本智和。ともに対戦を熱望していた二人の試合後の表情は対照的だった。卓球の全日本選手権4日目、混合ダブルス決勝で森園政崇・伊藤美誠組が張本智和・長崎美柚組を破り優勝。2連覇を成し遂げた。「本当に全く緊張せずに試合ができた」と喜びを露わにしたのは伊藤。記者から笑いが起こると真面目な顔で「本当にこんなに楽しく試合ができたのは初めてです」と感想を語った。
一方の張本は「混合ダブルスの悔しさをほかの2種目(男子単・複)でぶつけられるよう頑張りたいです」と口元を引き締めた。準決勝まで1ゲームも落とさずに勝ち上がってきたディフェンディングチャンピオンからこの大会初めてのゲームを奪った張本ペア。1-1のタイとした3ゲーム目でも先にゲームポイントを奪い勢いを感じさせたが、ここからが王者組の貫禄だった。伊藤が厳しいスマッシュで連続ポイントを重ね逆転。そのまま第4ゲームも連取して勝利をもぎ取った。「中国の選手に勝ったりするのでどうゆうボールなのか受けてみたかった」という伊藤。張本得意のチキータを封じ込めての完勝にも、「対戦できたことが一番良い経験だった」と念願の公式戦初対決を評していた。わずか2週間の急増ペアにもかかわらず 決勝まで勝ち上がった張本・長崎ペア。張本は伊藤の印象については「中国選手に勝っているのは何故かなというのも少しわかったと思う」として次戦でのリベンジを誓っていた。
東京五輪では正式種目となることで注目を集めた混合ダブルス。一昨年の世界選手権を制した吉村真晴・石川佳純組が3回戦で大学生ペアに敗れるという波乱もあった。日本卓球界にはいま新しい世代が次々と登場している。ジュニアの部では今大会最年少の10歳、張本の妹・美和や、張本以来となる小学5年生でのベスト8進出を決めた松島輝空(そら)などが会場を沸かせた。平成最後の日本選手権は、まさにそこまで来ている新たな時代の到来を予感させてくれている。
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横綱・稀勢の里、完全燃焼した最後の四日間(1月17日)
「私の土俵人生において一片の悔いもございません」会見で声を詰まらせて語った第72代横綱・稀勢の里が土俵を去る。進退のかかったこの初場所。三日目の栃煌山戦で寄り切られた直後、小さく頷いたのは決意を固めた瞬間のように見えた。この取組を見終えた、テレビ解説の北の富士勝昭氏が「最後は諦めましたね…」と一言。それはこの一番だけのことではなく、もっと重い決断について感じ取っていたのだろう。綱を張ることの責任と重圧に向き合い続ける心境というものは、横綱経験者でなければ理解できないに相違ない。...
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「私の土俵人生において一片の悔いもございません」会見で声を詰まらせて語った第72代横綱・稀勢の里が土俵を去る。進退のかかったこの初場所。三日目の栃煌山戦で寄り切られた直後、小さく頷いたのは決意を固めた瞬間のように見えた。この取組を見終えた、テレビ解説の北の富士勝昭氏が「最後は諦めましたね…」と一言。それはこの一番だけのことではなく、もっと重い決断について感じ取っていたのだろう。綱を張ることの責任と重圧に向き合い続ける心境というものは、横綱経験者でなければ理解できないに相違ない。
かつて稀勢の里は非常に怪我の少ない力士で知られていた。天性の頑丈な肉体に加え、稽古量の多さに裏打ちされた努力の賜物だと言える。それが悲願の横綱昇進を果たした直後に力士生命に関わる負傷をしてしまうとは何と皮肉なことか。いまにして思えば、あの場所前の稽古でこめかみを11針も縫う裂傷を負っていたことも不吉な前触れだったのかもしれない。或いはそれが微妙に彼の相撲に狂いを生じさせていたと考えられないだろうか?…どれも今更あれこれ推定してみたところで詮無いことではあるのだが。
ちなみに冒頭の会見での言葉は、稀勢の里が土俵入りの化粧まわしに採用するほど愛読していたマンガ、「北斗の拳」の作中の台詞から引用したものだ。登場人物の三兄弟のキャラクターをあしらったうち、自身の化粧まわしに選んだのは主人公ではなく、最強の宿敵である長兄のラオウ。主人公ケンシロウとの闘いに敗れたラオウは「我が生涯に一片の悔い無し」の言葉を遺し絶命する。稀勢の里もまた白鵬の前に最強となる夢は果たすことが出来なかった。しかし、やり残したことは何一つない。傷つきながら、土に塗れながらも最後まで懸命に力を絞り尽くしたこの四日間。それは土俵にかけた“漢(おとこ)”の完全燃焼の散り際であった。
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2019野球殿堂入り発表・権藤博氏の偉大な功績(1月16日)
国内のプロ野球などで顕著な活躍をした選手や監督、また野球の発展に大きな功績のあった人物を表彰する野球殿堂の今年の表彰者が発表された。プレーヤー部門は中日ドラゴンズで22年間プレーした立浪和義。エキスパート部門は元・横浜監督で日本一を達成した権藤博。そして特別表彰にアマチュア球界から元高野連会長の脇本春夫という3名が殿堂入りを果たした。
立浪はPL学園主将として春夏連覇を達成。ドラフト1位でドラゴンズに入団し、ルーキーイヤーから開幕戦でスタメン出場を果たし新人王を獲得した。...
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国内のプロ野球などで顕著な活躍をした選手や監督、また野球の発展に大きな功績のあった人物を表彰する野球殿堂の今年の表彰者が発表された。プレーヤー部門は中日ドラゴンズで22年間プレーした立浪和義。エキスパート部門は元・横浜監督で日本一を達成した権藤博。そして特別表彰にアマチュア球界から元高野連会長の脇本春夫という3名が殿堂入りを果たした。
立浪はPL学園主将として春夏連覇を達成。ドラフト1位でドラゴンズに入団し、ルーキーイヤーから開幕戦でスタメン出場を果たし新人王を獲得した。以後ドラゴンズ一筋で走攻守にわたりチ-ムをけん引。通算2480安打はNPB歴代8位、2塁打487本は日本記録である。また、脇本元高野連会長は学生野球とプロの関係改善に尽力し、元プロ野球選手が高校生らに直接指導を行うきっかけを作った人物。それまでプロ選手との接触が厳しく制限されていた学生野球に大きな変化をもたらした。いまでは元プロ選手が名門校野球部の指導者となることも珍しくなくなった。日本の野球界にとってこの功績は特筆すべきものだろう。
ここで注目したいのは権藤氏だ。現役時代は中日でプレー。立浪と同じくドラゴンズで1年目からエースとしてマウンドを任され、シーズン429イニングに登板。なんと35勝をあげた。近年のシーズン最多登板イニング数があらかた200イニングに満たないことを考えると途轍もない過酷な登板数であることがわかる。連投は当たり前、当時その様子は「権藤・権藤・雨・権藤」と評された程だった。新人2年目も同様の起用で30勝をマークしたものの肩の酷使で投手人生はわずか5年で幕を下ろすこととなる。その時の苦い経験が指導者として投手分業制の確立を生んだと言われる。横浜の監督を退任後も2017年のWBCで投手コーチを78歳にして努めるなど長きにわたって球界に尽力した。現在80歳の権藤氏。会見では「一世一代の晴れ舞台」と喜びを表した。もっと早く殿堂入りされてしかるべき功労者であったろう。今後も球界に金言を賜りたい存在だ。
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新春高校スポーツ風物詩・サッカー&バレー選手権(1月15日)
平成最後の成人の日。第97回高校サッカー選手権決勝が行われ全国4058校の頂点が決定した。年末年始にかけて集中して行われる高校スポーツの選手権もこれでほぼ終了。今週の三連休にかけて行われたサッカーとバレーボールを中心に振り返ってみたい。
大会歌「ふり向くな君は美しい」でお馴染みの高校サッカー選手権。昨年の流行語にもなった「大迫、半端ないって」が生まれたのもこの大会である。今年の決勝の観客数は5万4000人を超えた新春最大の高校スポーツイベントだ。...
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平成最後の成人の日。第97回高校サッカー選手権決勝が行われ全国4058校の頂点が決定した。年末年始にかけて集中して行われる高校スポーツの選手権もこれでほぼ終了。今週の三連休にかけて行われたサッカーとバレーボールを中心に振り返ってみたい。
大会歌「ふり向くな君は美しい」でお馴染みの高校サッカー選手権。昨年の流行語にもなった「大迫、半端ないって」が生まれたのもこの大会である。今年の決勝の観客数は5万4000人を超えた新春最大の高校スポーツイベントだ。決戦に臨んだのは青森山田と流通経済大柏。今大会で最多14得点を挙げた青森山田、対する流通経済大柏はここまでわずか1失点と鉄壁のディフェンスを誇る。対照的な顔合わせとなったが、柏のDF・関川郁万(いくま)が頭で合わせ先制。しかしその8分後にコンサドーレに内定が決まっている青森のMF・檀崎竜孔(りく)が同点弾を決め1-1で前半を折り返した。後半にも檀崎が勝ち越し点をあげ、青森山田が2年ぶり2度目の栄冠に輝いた。一方、悔し涙に濡れた関川はアントラーズに入団が決まっており、2人のライバルストーリーはJの舞台で続くこととなる。
一方、インドアスポーツの風物詩は春高バレー、第71回バレーボール選手権。1月開催に移行してから9年目だが、今年は聖地代々木や東京体育館ではなく、武蔵野の森スポーツプラザに舞台を移して熱戦が繰り広げられた。男子は世代を代表するアタッカー大塚達宣を擁する洛南、女子はエース・西川有喜&宮部愛芽世の二枚看板が活躍した金蘭会が頂点に立った。今年はW杯イヤー。若手の抜擢にも期待が持てそうだ。
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土俵人生の正念場・稀勢の里、初場所黒星発進(1月14日)
「場所を全うできるのか不安になる」初場所初日を終えた横綱審議委員会・北村委員長の表情は険しかった。異例の“激励”勧告を受け進退がかかる横綱・稀勢の里は小結・御嶽海に完敗。いきなり暗雲漂うスタートとなってしまった。
立合いでやや当たり負けしていたようにも見えたが足は前へ出ており、そのまま押し込んでいけば十分に勝機はあっただろう。だが、稀勢の里は左を差そうと強引に御嶽海の脇をこじ開けようとムキになった。...
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「場所を全うできるのか不安になる」初場所初日を終えた横綱審議委員会・北村委員長の表情は険しかった。異例の“激励”勧告を受け進退がかかる横綱・稀勢の里は小結・御嶽海に完敗。いきなり暗雲漂うスタートとなってしまった。
立合いでやや当たり負けしていたようにも見えたが足は前へ出ており、そのまま押し込んでいけば十分に勝機はあっただろう。だが、稀勢の里は左を差そうと強引に御嶽海の脇をこじ開けようとムキになった。これが墓穴を掘ってしまったように感じる。この夜のNHKサンデースポーツではスタジオゲストの尾車親方が解説。「左差しにこだわりすぎている」と指摘した。
この日は大関陣(栃ノ心、豪栄道、高安)が立て続けに黒星を喫した。花道で引き上げてくる弟弟子の高安とすれ違った時には表情を変えず、嫌な空気を感じていたようには見えなかった。しかし、その後休場明けの両横綱・鶴竜、白鵬が完勝。結びの一番で土俵に上がった時に、「絶対に勝たなくては」とより一層大きな重圧を感じてしまったのだろうか?
九州場所に続く黒星発進。実は最高位の東正横綱で初日の結びの一番で勝ったことはこれまで一度しかない。横綱昇進後ではこれで初日は2勝6敗となり、負けた場所はすべて途中休場している。再び土俵際に追い込まれた形だが、過去にはここから二けた勝利まで持ち直した実績もある。その頃の自分の相撲を思い出せるかが鍵であろう。史上最長の8連続休場となってしまった昨年、「もう一度あの場所で勝負がしたい」と決意し土俵に戻ってきた稀勢の里。覚悟を決めて、思い切った相撲を取ってもらいたい。
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