【あの一言】
相次ぐ市民殺害・深刻化するウクライナ危機
静岡県立大学客員教授・東郷和彦 米国と欧州ではちょっと(ウクライナに対する捉え方が)違う。バイデン大統領が副大統領としてウクライナでいろいろなことをした。そこで一番学んだことは「プーチンは悪党であり、これを排除しないといけない」ということだった。ウクライナの中には2つのウクライナがあり、「民主主義でウクライナを統一させる必要がある」というのが、バイデン大統領の核心にあり、民主主義ウクライナを梃にしてプーチンを叩き潰すという核心がある限り、この戦争はなかなか終わらない。
2022/04/10 NHK総合・東京[日曜討論]
日本国際問題研究所理事長・元駐米大使・佐々江賢一郎 民主主義対権威主義の問題として捉えると、民主主義国ではない国が多い中で、今は構造的な世界の分水嶺。ここで頑張らないとロシアのようなことをしても多少は許される世界になってくる。プーチン体制は当分の間、揺るがないと思う。これは中長期の戦いであり、内心ではプーチン体制が終わらない限り、プーチン的なやり方は変わらない。
2022/04/10 NHK総合・東京[日曜討論]
東京大学専任講師・小泉悠 戦況と交渉とは密接にリンクする。現状ロシア軍は動ける地上兵力を全部投入してもほぼ勝てていない状況。それでもロシアは諦めない。東部攻勢は地上兵力を再構成してなんとか優位な方向に持っていこうとしているが、それでも勝てない場合、大量破壊兵器の使用も拭えない懸念としてある。
2022/04/10 NHK総合・東京[日曜討論]
筑波大学准教授・東野篤子 もともとこの戦争が始まった時点からプーチン排除というものが、望ましいと考えられていたことは事実。例えば「この男は権力の座に居続けてはならない」というバイデン大統領の発言は失言とされているが、米国、欧州の正直な感情でもある。こういった侵略戦争を欧米諸国は想定しておらず彼らの想定を軽々と超えてしまうことをロシアはやってのけた。リーダーとしてプーチンには居てほしくないというのが本音のところだが、具体的にプーチンを政権の座から引きずり下ろすのかと言えば、そういう内政干渉をするつもりはなく、経済制裁をきっちりやって足元を長期的に掘り崩していくことしかないと欧米諸国は考えている。
2022/04/10 NHK総合・東京[日曜討論]
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