【あの一言】
最新情勢を分析・日韓・香港・G7
中央大学教授・泉川泰博 共同宣言が出されるかどうかは非常にシンボリックだが、重要な問題。そもそもG7、あるいはG8というのは非常に長い間、政治ショー化していて、実質が伴わないという批判があったが。議長国が中心となって色んな声明を出してきたというところに、ある意味、G7の存在意義があった。現在、国際秩序が動揺していると言われていて、特に欧州と米国の間でイランの核合意の問題とか貿易、世界経済の問題において非常に亀裂が深まっている実態がある中で、形としてもそれができないということになると非常に大きな問題。来年は議長国が米国になるが、今年出せないと来年は一体どうなるんだということが、非常に大きく懸念される。
2019/08/25 NHK総合[日曜討論]
中央大学教授・泉川泰博 北京の政府にとって難しいのは、この事態が長期化すること、それに対して北京政府が圧力をかけるということになると、台湾情勢にも大きなインパクトを与えることになる。台湾では総統選挙が来年に迫っている。中国側が民主化運動に対して圧力をかけると、台湾において台湾の自主性を主張する現政権に対する支持率が上がる。北京政府にとっては面白くない。こういった難しさもあるので、北京政府としては対応に困っているのが実情。
2019/08/25 NHK総合[日曜討論]
中部大学特任教授・元経済産業省貿易管理部長・細川昌彦 香港に対して米国議会の方も超党派で、人権民主主義で米国が影響力を行使すべきだという声になっている。オール米国は相当、前のめりだが、トランプ大統領自身は米中の貿易交渉でこれをどういうディールに使うかという発想で両者の折り合いが今後、どうなっていくのかがこれからのポイントになる。
2019/08/25 NHK総合[日曜討論]
東京大学准教授・佐橋亮 米国は1989年6月4日の天安門事件で1番ショックを受けた外国の1つ。米国人にとって人権と民主主義は非常に大きな意味を持っており、米国の議会とメディアがこの問題を非常に注視している。議会は1992年、返還の前に香港政策法を作っていて、香港の人権状況と一国二制度の将来をしっかりと見ていくと法律で義務付けている。中国政府は今回の運動の背景に米国がいると批判しているが、これはあたらない。
2019/08/25 NHK総合[日曜討論]
東京大学准教授・佐橋亮 米国では対中強硬論が貿易交渉を超えて非常に強く根を張っている。それ見たことかと、貿易だけじゃないんだと。軍事でも人権でも価値でも対中強硬に行かなくちゃいけないと、そういう雰囲気を結果的に作っていくことは十分ある。
2019/08/25 NHK総合[日曜討論]
日本国際問題研究所理事長・前駐米大使・元外務次官・佐々江賢一郎 この問題は大きく言えば一国二制度。香港の民主主義、人権をどういう風に守るかということで、長期化する問題。この問題は最終的には、いかに自分たちの(独立的な)自由を維持するのかというそこへの危機感が出てきている。
2019/08/25 NHK総合[日曜討論]
中部大学特任教授・元経済産業省貿易管理部長・細川昌彦 今の状況は人権、民主主義に対してどう向き合うかという問題にまで行き着く。中国側から見れば、チベットとかウイグルの問題への飛び火を警戒している。これを徹底的に抑え込みたいという思いがある。ただ軍とか武装警察を投入するということになれば、国際社会から相当非難を受ける。中国経済が瀬戸際に追い込まれない限りなかなかできない選択肢。香港警察を通じて間接コントロールしていく可能性が高い。自分たちの傀儡として香港政府を動かしていくというやり方で、これから先も締め付けを強めていく。企業に対する締め付け。集会、デモを不許可にしていく条例をどんどん活用していくとか。香港警察を強化していくとか。色んな手段をレベルアップしていくところが、これから先の中国の取りうるやり方。
2019/08/25 NHK総合[日曜討論]
防衛大学校長・国分良成 香港の行政トップが辞任することで問題はおさまらない。辞任したら今度は本土が新しい行政長官を決めることになる。そこのルールに香港の住民は怒っている。結局、解決方法がなくなってきている。天安門事件30年ということで軍は使えない。人民武装警察部隊という軍と警察の中間の部隊を目の前にやっている。十分、今の中国側の面子が壊れていると思いだしている。ただ発砲はしないでどうやって圧力を加えて入っていくか。しかしそれだけでおさまるかどうかという話になってきて、非常に危険な状況。
2019/08/25 NHK総合[日曜討論]
中部大学特任教授・元経済産業省貿易管理部長・細川昌彦 文在寅大統領自身が日米韓の連携よりも南北融和を優先するという基本思想の人で、それが露呈したということ。
2019/08/25 NHK総合[日曜討論]
日本国際問題研究所理事長・前駐米大使・元外務次官・佐々江賢一郎 北朝鮮はGSOMIAはいらないと言っていたわけだから、結果的にはそれに沿うような決定を韓国は下した。さらに中国からすれば、日韓、日米韓の安全保障上の協力が進むことについては快く思っていないので内心では良いことだと思っている。一方、米国の苛立ちは相当深く失望以上のものがある。関係悪化の連鎖を断ち切る努力は必要で、冷却期間を少し置いて水面下の話し合いをしていくべき。政治レベルの対話に持っていって決着する努力が必要。
2019/08/25 フジテレビ[日曜報道 THE PRIME]
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