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2024年11月18日(月)
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【あの一言】
激論!“米中対立”・ファーウェイ問題
立教大学大学院・金子勝特任教授
DARPA国防高等研究計画局を含めて日本がGDP2位だった時に、半導体やスーパーコンピューターなどにどんどん日本製の半導体が入り込んで米国が使っていることはけしからんということで日米半導体協定で抑えられてしまった。ところがG7など自由貿易・自由主義陣営に入っていないのに中国は叩きにかかられている。5Gという通信はファーウェイだけでなく中国企業が3分の1以上を持っているまだら模様の状況。あとはスウェーデンのエリクソンやフィンランドのノキアが強く、米国は実は1割ぐらいしか特許を持っていない。中国のクラウドではアマゾン、グーグル、マイクロソフト、IBM、オラクルなどが独占状態で、唯一世界で対抗できているのはアリババ含めて中国だけ。こういう状態でまだらができているが、半導体のところが非常に弱いので中国が資本で多数を占めている英国のアームーをうまく取り込もうとした。ところがこれを米国が差し止められてしまった。ADBなどによってアジア、アフリカでは中国製のネットワーク、サーバーが配られていて、これに米国は危機感を持った。その時にDARPAみたいな軍事に加えて人工衛星の問題がある。暗号通信は米国が3つの人工衛星でわれわれのスマホからも読んでいて、情報が取れるが、中国もほとんどこの寸前まで来ている。もともと英国が戦争に勝った時もレーダーとチューリングの暗号解読が功を奏したが、そういう意味で軍事と商業がむすびついて国家主導で情報通信技術が進められてきたことを肝に銘じるべき。
2019/06/29 テレビ朝日[朝まで生テレビ!]

拓殖大学・森本敏総長
英国は中央系はファーウェイをコントロールしてもよいが、末端は企業の自由に任せている。ドイツはズブズブで上から下まで全部ファーウェイのシステムの中に入ってしまっている。フランスとイタリアはその中間。アジアはオーストラリア、日本が一番進んでいて、ファーウェイを排除する米国の基本的な政策に乗ろうとしている。これはWTOの原則からいうとおかしなこと。ファーウェイのビジネスをすることで米国の知的財産が結局は中国の中に入って軍事利用され、「中国製造2025」、いわゆる軍民融合・デュアルユースを使い軍事力を近代化している。この問題の根底にあるのは技術と軍事。デジタルのように見えるが軍事的覇権をどちらが取るのかということの手段として議論されている。表面上はファーウェイとかZTE、監視カメラと言っているが、技術と情報の背後にある軍事力の覇権をどっちが握るかという話。米国から見ると積み重ねてきた知的財産がどんどん中国に取られており、米国はこれにどうしても歯止めをかけたい。
2019/06/29 テレビ朝日[朝まで生テレビ!]

神田外語大学・興梠一郎教授
中国は革新的技術の部分がまだまだ国産化できていないと言っている。だから「中国製造2025」というものがでてきて米国を刺激している。米国はロボットからバイオから国産化してしまうというこのプランが一番嫌い。「1000人計画」といって大量の留学生を米国に送っているが、FBIはこのリストを基にいろんな大学とかにプレッシャーをかけて、研究所によっては中国人留学生が解雇されたり、ビザを更新する期間を短くしたりしている。現時点では米国は中国の先を行っているが、こういった「1000人計画」のようなことをやられていると技術を抜かれてしまう。企業間でも強制的技術移転の問題が起きているし、ハッキングの問題もある。現時点では「中国製造2025」「1000人計画」というプランを出しているぐらいなのでまだ米国より遅れていると中国は考えている。
2019/06/29 テレビ朝日[朝まで生テレビ!]

キヤノングローバル戦略研究所・瀬口清之研究主幹
技術的には基本的に米国の方が強い。ただしファーウェイは例外。あそこまで基礎研究を自社内でやっている企業はほとんどない。だから米国に叩かれた。一般的に中国の人はすぐにもうかる仕事には手を出すが、基礎研究みたいなものには関心がない。今ある技術を応用してすぐに儲かることの方に集中する。シンセンなんかでは米国が持っている技術をうまく活用して最終製品の最後のところをうまく活用して、世界の中で競争力をどんどん高めている。一番コアな技術は中国の中ではまだそんなに強くない。
2019/06/29 テレビ朝日[朝まで生テレビ!]

外交ジャーナリスト・手嶋龍一
ヨーロッパも日本も米中対決でどちらにつくべきなのかをまさに見ている。今は全体としては米国の方が中国に勝っているが、例えば宇宙の分野については量子暗号衛星など絶対に破られない(暗号システムだが)圧倒的に強い分野においては明らかに中国の方が勝っている。その中国の軍門に下り、中国と組んだ方が有利だというような分野もある。一帯一路は海と陸と北極海の(氷の)とかいうが、今一番重要な分野は宇宙の一帯一路。こういう分野では中国が勝っている。宇宙ではロシアも劣後して米中の時代になっている。とりわけ中国が圧倒的に有利。
2019/06/29 テレビ朝日[朝まで生テレビ!]

国際ジャーナリスト・山田敏弘
論文では中国の方が多いが、米国に頼らなければならない部分が多い。ZTEという企業は昨年、エンティティリストに入れられた。これをやられたことでまったく自分たちの商品が売れなくなった。それで習近平国家主席に泣きついてきたので習主席がトランプ大統領に電話をしたところ、これはディールだとして凄まじい条件を出してきて飲ませた。ファーウェイの機器が広がって世界中に設置されると、そこは「ファーウェイ=中国」の支配下に入る。
2019/06/29 テレビ朝日[朝まで生テレビ!]

国際政治学者・三浦瑠麗
オーストラリアが先に5Gを巡る中国勢の締め出しを決めている。安全保障に強いコミュニティという話になると皆は一致団結して中国排除に向かう。これは安全保障の専門家からすると企業に対するフェアネスはどうでもよくなる。やはり基幹インフラや集積していく情報を中国に取られたくないと考えている。
2019/06/29 テレビ朝日[朝まで生テレビ!]

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