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スペシャル あの一言
2024年11月18日(月)
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【あの一言】
米国はどこへ・世界は・一般教書演説から読み解く
東京大学教授・小原雅博
中国は核戦力でも追い上げをしている。潜水艦からの弾道ミサイルの発射も実験が成功した。中国はこれまで先制不使用という政策を持っていたが、そうした核政策にも影響を与えるような核の軍拡競争がこれからもっと激しくなる可能性がある。こういう時にこそ、国際社会が国際協調という形でマルチの枠組みを新しく作っていく努力が必要。
2019/02/10 NHK総合[日曜討論]

早稲田大学教授・中林美恵子
米国でも、自国を守るためには核戦力を見直して弾頭の小型化も開発していかなければいけないという状況になっている。欧州も今回のINFの問題について恐れている。ロシアが欧州の方に色んな口出しをしてくるきっかけを与えてしまうかもしれない。日本は、北東アジアの部分でロシアがこちらに色んな配備をするようなことになるかもしれない。米国は、日本の国内事情によってなかなか核を地上に置くことができないので、潜水艦だとかそういったものを海の周りに巡らすような環境がくるかもしれない。懸案は高まっている。
2019/02/10 NHK総合[日曜討論]

慶應義塾大学教授・渡辺靖
政治的に見ると、米中交渉が決裂すると株価に大きく影響を与える。米国では畜産業とか農業の関係者が『このまま貿易戦争が続くとやってられない』ということで、地元の議員たちに陳情が相次いでいる。今回の一般教書演説でも、これまで中国を批判してきたお決まりのフレーズは並べたものの、あえてそれ以上は踏み込まなかったが、2020年の大統領選挙を意識して岩盤支持層を刺激するようなことを言いたくなかったという事情がある。
2019/02/10 NHK総合[日曜討論]

東京大学教授・小原雅博
中国経済は非常に深刻。中小企業は倒産しているし、民間企業が公共企業に買収されたり、不動産も危険水域にある。株価も低迷している中で習近平国家主席としては、なんとか米国と合意したい。ただ、米中対立の背景には中国製造2025に象徴されるような構造問題があり、これをやめることは中国にとっては経済体制を変えることに等しい。一方、米国側には、約束をしたことを本当に中国ができるのかという懐疑心がある。
2019/02/10 NHK総合[日曜討論]

早稲田大学教授・中林美恵子
一時は2月にもう1回、首脳会談が行われて話が進むのではないかと期待されていたが、ここにきて、もしかしたらきちんとした本当の協定はもう結べないかもしれないというかなり悲観的な声も聞こえてきている。合意文書のようなものを作って、最後の本当に厳しいところだけ先延ばししていくという話も出ているが、トランプ大統領は切羽詰まっていて、貿易問題で負けというようなサインを米国国内に出すことはもうできない。勝ったと言うためには一旦、関税を上げて、ある目的に達したらそれを下げていくという約束の仕方をするかもしれない。
2019/02/10 NHK総合[日曜討論]

キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・元外交官・宮家邦彦
米朝がこのまま上手く行くとは思えない。上手く行かなくなった時に日本に1つのチャンスが出てくる。もう1点、大事なことは、米朝でどのような議論があるかというのは、米国国内のトランプ大統領の政治的な苦境の度合いにかなり大きな影響を受けるということ。トランプ大統領が苦し紛れに何かしでかすことが十分あり得るというのは、米国の専門家も心配している。
2019/02/10 NHK総合[日曜討論]

東京大学教授・小原雅博
ある意味で米朝からすれば核を開発するよりは経済に重心を移し、非核化を進めたい。この点で障害になっているのが制裁であり、制裁緩和というのが1つの理屈にはなってくる。
2019/02/10 NHK総合[日曜討論]

未来工学研究所特別研究員・小泉悠
非核化をするための具体的な話ができてない。例えば米ロの核軍縮条約などでは、役人同士がガチガチに話を詰めていた。新STARTという米ロの核軍縮条約があるが、整備のために工場に送り返して分解したミサイルをどうカウントするかとか、そこまで専門的なことを詰める。北も核軍縮しよう、ミサイルを廃棄しよういった時に、本当はそういう話を役人同士でしなきゃいけない。今のままでいくとカッコつきの非核化にしかならない。むしろ、非核化のようなものをやっている政治ショーさえできていれば、トランプ大統領が満足なんだということであれば、そもそも細かいところに踏み込むインセンティブ自体がなくなる。
2019/02/10 NHK総合[日曜討論]

南山大学教授・平岩俊司
米国がすぐに制裁を解除することは難しいが、段階的に南北の民族間での、例えばケソン工業団地、金剛山観光のようなこれまでの南北間の経済交流をもう1度再開するというようなことになるのかもしれない。去年の年末、韓国が主張した南北の鉄道の連結、道路の連結といったものについても、今回の米朝首脳会談が進展し、米国側がそれを許容すれば、すぐにでもできるような準備を韓国側もしている。そこを風穴にして米国に対して姿勢変化を求めていくというのが、今の北朝鮮の姿勢。
2019/02/10 NHK総合[日曜討論]

早稲田大学教授・中林美恵子
トランプ大統領は今回の一般教書演説の中で、『偉大な国家は終わりのない戦争はしない』と言っている。一般的には中東のことを言っているのではないかと思われがちだが、北朝鮮との終戦宣言を考えている。
2019/02/10 NHK総合[日曜討論]

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