1月17日付GLOBALi「ロシア；野党勢力代表ナワルニー氏帰国を警戒して、まず同氏右腕を投獄」で報じたとおり、プーチン政権はアレクセイ・ナワルニー氏（44歳）及びその支持者らによる反政府運動高揚を警戒している。そうした中、1月17日に帰国した途端に逮捕・拘留された同氏の即時釈放を求めて、ロシア全土でのデモが盛んになっている。そこで、ロシア当局は違法デモと断じて取り締まりを強化し、1月23日のデモでは4千人余りを拘束した。そして、見せしめのためか、デモに参加したある教師は罰金刑を科せられただけでなく、勤務先の学校を馘首されている。

1月29日付『ロイター通信』：「モスクワの演劇教師、ナワルニー氏釈放要求デモ参加は“不道徳”だとして学校から馘首」

アーチョム・ナザロフ氏（44歳）は、1月23日にモスクワ目抜き通りで行われた、ナワルニー野党勢力代表の即時釈放を訴えるデモに参加して、他の数千人の参加者とともに逮捕された一人である。

彼は、1月25日まで拘束され、裁判所から1万ルーブル（132ドル、約1万3,700円）の罰金刑を科されただけでなく、勤務先のモスクワ舞台芸術学院（前身は1878年設立、ロシアで最も大きくかつ歴史ある芸術学校）から馘首されてしまった。...

1月29日付『ロイター通信』：「モスクワの演劇教師、ナワルニー氏釈放要求デモ参加は“不道徳”だとして学校から馘首」

アーチョム・ナザロフ氏（44歳）は、1月23日にモスクワ目抜き通りで行われた、ナワルニー野党勢力代表の即時釈放を訴えるデモに参加して、他の数千人の参加者とともに逮捕された一人である。

彼は、1月25日まで拘束され、裁判所から1万ルーブル（132ドル、約1万3,700円）の罰金刑を科されただけでなく、勤務先のモスクワ舞台芸術学院（前身は1878年設立、ロシアで最も大きくかつ歴史ある芸術学校）から馘首されてしまった。

ウラジーミル・プーチン大統領（68歳）支持者であるドミトリー・トムリン学院長は、“教師は如何なる理由があれ、道徳上また倫理上、犯罪に関わることは許されず、今回の行為は「反道徳的行為」と判断される”と馘首理由を述べている。

ナザロフ氏は『ロイター通信』のインタビューに答えて、息子が参加するというので付いて言ったが、傍観者ではいられないと思ってデモに参加したと表明した。

更に同氏は、“ロシアは欧州の一国であるはずなのに、（当局や学校の対応には）本当に恥ずかしく残念に思う”とコメントした。

なお、警察当局は、デモは違法行為と断定しており、監視団体によると、逮捕者はロシア全土で4千人余りになるとする。

一方、米ホワイトハウスのジェン・サキ大統領報道官（42歳）は1月28日、ジョー・バイデン大統領（78歳）が就任後初めてプーチン大統領と電話会談した際、“ナワルニー氏やその支持者らに対するロシア当局の対応について、大いに懸念している”と伝えたとし、バイデン大統領は決してうやむやにするつもりはないと強調している。