スウェーデンの科学者らの研究チームが英医学誌「BMJ」に12日に公表した研究結果によれば、クリスマスイブは、心筋梗塞などの心臓発作を起こす可能性が最も高くなる日で、発作のピークは午後10時頃であることが判明した。
米
『ニューヨークタイムズ』や英
『インデペンデント』『テレグラフ』などのメディアが報じた本研究は、クリスマスなどの祝祭の季節を控え、休日のストレスや過度の飲食などが死につながることがあるとして警告している。スウェーデンの研究者らは、同国で1998~2003年の間に報告された28万3,014件の心臓発作の症例を分析し、祝祭日やスポーツイベント、曜日や時間帯別などの観点で、いつ発作が起きやすいかを調査した。
これによると、平均で1日あたり50件の症例が記録されているが、クリスマスイブの12月24日は、前後2週間より37%増の69件と一年で最も多く、中でも丸一日親戚と過ごし、食べたり飲んだりし過ぎた後の午後10時頃が発作のピークであることが分かった。75歳以上で心臓病や糖尿病の持病のある人は特に注意が必要であるという。
クリスマスの25日も29%増と高く、英国やカナダ、豪州など英連邦中心に祝われる26日の休日、ボクシングデーでも22%高くなる。スウェーデンでは主にイブがクリスマスを祝う日だが、国によって過ごし方が違うため、ピークの日時は若干異なるかも知れない。
12月31日の大晦日は、カウントダウンなどにより、欧米では元日よりお祝いムードが盛り上がる日だが、発作のリスクは余り高くない。研究者らは大晦日には発作の兆候がアルコール摂取で抑えられていると指摘する。そして多量の飲酒や食事をし、夜の寒さに身をさらし、睡眠不足になるなどして、翌日の元日は20%ほどリスクが増加する。
曜日別には月曜の朝、特に8時頃にリスクが高まる。また、インフルエンザが流行する寒い季節も、特に65歳以上で心臓に持病のある人には危険だ。スウェーデンの夏至祭りも12%高くなった。一方、春のイースター(復活祭)の休日や、ワールドカップなどの大きなスポーツイベントでは、リスクの上昇傾向は確認できなかった。
研究にあたったスウェーデン・ルンド大学のDavid Erlinge博士は、伝統的な休日、特にクリスマスイブから3日間がピークであることが判明したとして、休日の過度の飲食や長距離の移動、親戚への気遣いなどが、怒り、不安、悲しみなどの感情やストレスの高まりを助長し、発作のリスクを高める原因となる可能性があると警告した。
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