弁護士によれば、エジプトの治安部隊は、令状の提示や説明なしにカイロ郊外にあるワエル・アッバス氏のアパートに夜明け前、押し入った。アラブ人権情報ネットワーク(ANHRI)弁護団の声明によると、アッバス氏は目隠しされ、パジャマのままどこかへ連行された。ノートパソコン、電話、書籍などが押収された。
アッバス氏はフェイスブックに「今、逮捕されている」との短いコメントを残し、これがSNSで広まった。...
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弁護士によれば、エジプトの治安部隊は、令状の提示や説明なしにカイロ郊外にあるワエル・アッバス氏のアパートに夜明け前、押し入った。アラブ人権情報ネットワーク(ANHRI)弁護団の声明によると、アッバス氏は目隠しされ、パジャマのままどこかへ連行された。ノートパソコン、電話、書籍などが押収された。
アッバス氏はフェイスブックに「今、逮捕されている」との短いコメントを残し、これがSNSで広まった。
「アッバス氏は批判的な言葉や反対意見を持っている人物として知られていた。これは、犯罪化したり報復したりすることではない。」とANHRIは声明を出した。
アッバス氏(43歳)は、当時のエジプト指導者ホスニ・ムバラク大統領の下で、エジプトの警察が行っていた拷問慣行を文書化した最初の一人であった。その功績が讃えられ、2007年の国際ジャーナリストセンター(ICFJ)のナイト・インターンショナル・ジャーナリズム賞を含む、いくつかの賞を受賞した。
エジプト当局は3月の大統領選挙でシシ大統領が再選(*脚注)されて以降、批判的で独立したジャーナリストに対する反対運動を強化している。政府に批判的との疑いを持たれた人物が拘束され、ホームページが閉鎖されている。政府は、国家の安定を維持し、イスラム国によって率いられている反政府活動と闘うために、このような措置が必要だとしている。
アッバス氏が逮捕された状況は、シェイディ・アブ・ゼイド氏のそれに類似していると、ANHRIは指摘する。風刺的なビデオを投稿するブロガーであったアブ・ゼイド氏も今月初め、夜明け前に私服役人に自宅を襲われ、逮捕された。間違ったニュースを広め、テロ集団に加わったことで告発されている。
他にも、長年にわたる労働問題専門の弁護士だったハイタム・モハメディーン氏は、カイロの地下鉄駅で、運賃の値上げを理由に控えめに抗議をしていたところを逮捕された。地下鉄の運賃上昇に対して違法な抗議を扇動したことに基づき、「禁止された団体」に参加し、「テロ行為を誘発した」として告発されている。
オンライン活動家のアマル・ファーティ氏は、エジプトの大多数の女性が直面しているセクシャルハラスメントを含むさまざまな理由で、国を非難する動画を投稿して逮捕された。彼女は間違ったニュースを広め、エジプトの国家機関を侮辱したことが理由で告訴されている。
*4月3日付Globali「エジプトのシシ大統領の再選が確定、投票率は下がる」ご参照。
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