『ワシントン・ポスト』『ロイター』などの英文メディアは、ドナルド・トランプ米大統領が連邦政府予算から１５０億ドルを削減する案を提案する予定であり、そのうちの半分が児童医療保険プログラムから削減されると政府が発表したと伝えている。

匿名の政府高官が明かした話によると、２０１８年の会計予算が成立したばかりだが、その一部を凍結、撤回を求めて、トランプ氏は議会に削減案を提出する予定だという。２０１８年会計予算は約１．３兆ドルだが、そのうち未執行の予算項目１５０億ドルの歳出削減を求めており、そのうち約半分の７０億ドルは低所得者向けの児童医療保険プログラム（CHIP）も対象となっている。CHIPは低所得世帯で無保険の児童８００万人に対し、医療保険を提供する制度で、民主党ら超党派から支持されていた。...

匿名の政府高官が明かした話によると、２０１８年の会計予算が成立したばかりだが、その一部を凍結、撤回を求めて、トランプ氏は議会に削減案を提出する予定だという。２０１８年会計予算は約１．３兆ドルだが、そのうち未執行の予算項目１５０億ドルの歳出削減を求めており、そのうち約半分の７０億ドルは低所得者向けの児童医療保険プログラム（CHIP）も対象となっている。CHIPは低所得世帯で無保険の児童８００万人に対し、医療保険を提供する制度で、民主党ら超党派から支持されていた。

米国の予算は共和党の主張する国防費の増額と、民主党の主張する社会的弱者への対策費の増額で膨れ上がっている。共和党からは小さな政府を目指し財政の健全化が求められているが、民主党も弱者を切り捨てるような予算の削減方法に抵抗を見せている。CHIPから予算が削られることについて、民主党上院議員のチャック・シュメル氏は「トランプ大統領と共和党は、中産階級や低所得世帯の子どもたちを傷つけ、超党派から認められたこのプログラムを分裂させようとしている」と述べた。

一方政府幹部は、予算が削減されてもCHIPの運営自体には影響はないと主張している。その理由として７０億ドルのうち５０億ドルは、承認期限の切れた分であり、２０億ドルは使用予定のない緊急用の積立金であることを挙げた。