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【Globali】
米研究、飛行機内での伝染病感染リスクを発表(2018/03/24)
米科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載されたのは伝染病に罹患している患者の距離に基づいて、他者にうつる確率を定量化したものだ。研究は米エモリー大学とジョージア工科大学によって行われ、米大陸を横断飛行する10便を対象に行われた。その中でもエコノミークラスに搭乗する乗務員と乗客の動き追跡し、インフルエンザやSARS(重症急性呼吸器症候群)のような空中に浮遊したり、物の表面に付着したりして飛沫感染する代表的な呼吸器感染の確率を調べた。...
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米科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載されたのは伝染病に罹患している患者の距離に基づいて、他者にうつる確率を定量化したものだ。研究は米エモリー大学とジョージア工科大学によって行われ、米大陸を横断飛行する10便を対象に行われた。その中でもエコノミークラスに搭乗する乗務員と乗客の動き追跡し、インフルエンザやSARS(重症急性呼吸器症候群)のような空中に浮遊したり、物の表面に付着したりして飛沫感染する代表的な呼吸器感染の確率を調べた。その結果、対象者の前後1列、横2席以内の乗客に感染する確率は80%以上だが、その他の乗客については3%未満だという。対象者の周辺以外の範囲だと、窓側の座席が最も感染の可能性が低いこともわかったと報告されている。さらに感染者が乗務員だった場合、通路を移動することが多いため、周りへの影響は4人から5人だと予想される。感染者が乗員であった場合は平均2人とされるため、それよりは多く見積もられているが、乗務員は勤務を辞退する、薬を飲むなどのリスク管理がしっかりしているため、確率はさらに下がると予想されている。
座席のテーブルやシートベルトなどにウィルスが見られなかったことから、感染のほとんどが咳やくしゃみによるものだと考えられる。感染は機内だけでなく、空港内や飛行機の乗り降りをしている際に起こる可能性もあるため、研究者らは衛生管理に注意するよう呼びかけている。また報告書では、年間30億人も飛行機で移動することを鑑みれば、伝染病にかかった人が旅行することは、公衆衛生上の重大な問題であると指摘した。
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