1月にトランプ米大統領が就任後ブレナン前米CIA長官は辞任したが、2016年夏にロシアが米大統領選挙を妨害しようとしていることが明らかになり、露連邦保安庁(FSB)のトップに対しブレナン前米CIA長官は、これに強く抗議しこのような行為は米露関係を傷つけると警告した。
米国の諜報機関は1月に、プーチン露政権がトランプ候補を勝たせようとして米大統領選挙期間中、米民主党大統領候補の幹部の電子メールをハッキングするなどして妨害したと結論づけた。...
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1月にトランプ米大統領が就任後ブレナン前米CIA長官は辞任したが、2016年夏にロシアが米大統領選挙を妨害しようとしていることが明らかになり、露連邦保安庁(FSB)のトップに対しブレナン前米CIA長官は、これに強く抗議しこのような行為は米露関係を傷つけると警告した。
米国の諜報機関は1月に、プーチン露政権がトランプ候補を勝たせようとして米大統領選挙期間中、米民主党大統領候補の幹部の電子メールをハッキングするなどして妨害したと結論づけた。プーチン露政権はこれを否定している。
トランプ米大統領も共謀を否定しているが、トランプ米大統領とロシアの問題についてのFBIと議会の調査は大きな問題となっている。トランプ米大統領とプーチン露政権の共謀等に関する証拠についてブレナン前米CIA長官は、露高官とトランプ米大統領選挙候補陣営との接触や交流等、共謀等が行われていたかどうかを判断するためにFBIが調査する価値のある情報を見たと述べている。ただこの人物名を含め情報は機密文書扱いとなっているとし詳細を述べることを拒否した。
また米大統領選挙運動でプーチン露政権がロシアの為に働く米国人を仲介業者やその他の偽装手段を使いロシアからの仕事と悟られないように募集していたのではないかと指摘した。フリン前米国家安全保障問題担当大統領補佐官等が米大統領選挙の終盤7ヶ月間にプーチン露政権関係者と少なくとも18件の電話とメールで連絡したと報じられている。
ブレナン前米CIA長官はその後8月と9月にロシアの米大統領選挙干渉に関する米諜報機関が発見したことについて米議会の指導者に説明したと述べた。トランプ米大統領がラブロフ露首相とキスリャク駐米露大使に高度な機密情報を開示したと報じられたことに対し、トランプ米大統領はプーチン露政権がイスラム国と戦うために情報を共有したと述べている。
米大統領は最高機密の情報でも自由に開示する権限を持っているが、その場合でも情報を提供した同盟国に事前に相談することなく開示したことが問題だと指摘する声もある。ブレナン前米CIA長官はこの問題に関し、トランプ米大統領が機密情報をラブロフ露首相とキスリャク駐米露大使に渡したのが真実なら、国家間の諜報協定に違反すると述べた。
またトランプ米大統領は3月にコーツ米国家情報長官とロジャーズ米国家安全保障局長(NSC)に対しロシアとトランプ大統領が共謀しているとの疑惑を否定するよう要請したが両者ともこれを不適切と考え拒否したと報じられている。米上院軍事委員会の聴聞会でコーツ米国家情報長官はトランプ米大統領がこのような要請をしたことを否定しなかった。
関係者によると、ロジャーズ米国家安全保障局長とのトランプ米大統領の会話は、NSAの内部メモで記録された。コーツ米国家情報長官によって同様のメモが作成されたかどうかは不明である。このメモは現在ロシア問題の調査を監督しているミュラー米特別顧問とトランプ米大統領がFBIの作業を妨害しようとしているかどうかを調査する米議会の両方が利用できる。
この問題に対し米民主党は、米大統領による捜査の停止や捜査妨害であり、刑事訴追や正義の妨害となる証拠となると主張している。
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