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【Globali】
麻薬取引:太平洋が麻薬の密輸ルートとなり、周辺国に脅威を与える(2024/09/19)
『フランス・ルモンド誌ル』9月18日付けは、南太平洋上の多くの諸島が麻薬密売業者の密輸ルートの中継基地として利用され、同時に各諸島での麻薬常習者の増加が社会問題となっていることを伝えている。
太平洋の東側には中南米の麻薬カルテルが、北西には中国マフィアや東南アジアの犯罪組織があり、南西にはオーストラリアのギャング組織があり、これらが太平洋を取り囲んでいる。そのため、南太平洋諸島は麻薬犯罪ネットワークの中央部に位置しており、トルコブルーの群島で観光客を魅了すると同時に、麻薬取引の拠点としての側面を強めている。そのため、太平洋は、過去数年間で、‘麻薬密売の大動脈’との異名を持つまでになっている。...
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太平洋の東側には中南米の麻薬カルテルが、北西には中国マフィアや東南アジアの犯罪組織があり、南西にはオーストラリアのギャング組織があり、これらが太平洋を取り囲んでいる。そのため、南太平洋諸島は麻薬犯罪ネットワークの中央部に位置しており、トルコブルーの群島で観光客を魅了すると同時に、麻薬取引の拠点としての側面を強めている。そのため、太平洋は、過去数年間で、‘麻薬密売の大動脈’との異名を持つまでになっている。
とりわけ、太平洋の島々の首長たちにとっては、各島での麻薬消費の急激な、増加が大きな心配事となっている。特に、フィジー諸島、トンガ、パプアニューギニアやマーシャル諸島が最も麻薬密売の影響を強く受けている地域となっている。例えば、フィジー諸島西部のナンディ市の地元警察によると9月11日水曜日に4.8トンのメタンフェタミン(覚せい剤) (市場末端取引価格1600億円相当)が空港近くの2か所の私有地で発見されている。
警察当局によると、最近になって大量の麻薬がフィジー諸島などを中継基地として、大消費国で高値に取引されるオーストラリアやニュージーランドに向けてヨットなどで密輸されるという。オーストラリアへの年間の麻薬密輸規模は、69億ユーロ(=約1.1兆円)相当で、ニュージーランドへは11億ユーロ(=約1760億円)相当と推定されている。さらに、島の倉庫に保管された麻薬は、キャンベラやウィリントンなどの大都市を追われた麻薬密売経験者たちが各諸島に移り住んで、地域の密売者をとおして地域の消費者にも売買されていると見られる。NGO団体の‘ドラッグ・フリー・ワールド・フィジー′によると、メタンフェタミン(覚せい剤)いがいにもマリワナ、ヘロイン、麻薬性吸入ガスなどの麻薬常習者がフィジー諸島など各諸島に広まっているという。
太平洋の各諸島の政府は、麻薬密売の悪弊に立ち向かうため、密売取締り、治安体制強化や麻薬中毒者の治療体制などのインフラ整備に取り組む必要に迫られている。
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