習近平国家主席(シー・チンピン、70歳、2012年就任)は、就任以来特に汚職摘発に注力してきている。この意を汲んで、中国裁判所も共産党幹部はもとより実業界重鎮に対しても汚職容疑者らに厳しい判決を下している。そしてこの程、収賄容疑の金融界幹部にまたしても死刑判決が下された。
5月29日付フランス
『AFP通信』、香港
『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』紙、5月28日付中国
『環球時報』等は、収賄罪の金融幹部に対してまたしても死刑判決が下ったと報じている。
習近平国家主席は就任以来、「反腐敗運動」に特に力を入れてきていて、これまでも共産党幹部はもとより実業界のトップらも容赦なく断罪された。
しかし、同国家主席としてはまだ不十分と考えている模様で、今年初めに開催された中国共産党中央規律検査委員会(1927年前身設立)全体会議において、汚職の取締りに関し、“依然として厳しく複雑な情勢に直面していて、決して過去を振り返ったり気を緩めたりしてはならない”と強調している。...
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5月29日付フランス
『AFP通信』、香港
『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』紙、5月28日付中国
『環球時報』等は、収賄罪の金融幹部に対してまたしても死刑判決が下ったと報じている。
習近平国家主席は就任以来、「反腐敗運動」に特に力を入れてきていて、これまでも共産党幹部はもとより実業界のトップらも容赦なく断罪された。
しかし、同国家主席としてはまだ不十分と考えている模様で、今年初めに開催された中国共産党中央規律検査委員会(1927年前身設立)全体会議において、汚職の取締りに関し、“依然として厳しく複雑な情勢に直面していて、決して過去を振り返ったり気を緩めたりしてはならない”と強調している。
そうした中、中国華融資産管理(CHAMC、1999年設立)の幹部に対して、巨額賄賂を受け取っていた罪で死刑判決が下された。
天津市第二中級人民法院(高裁に相当)が5月28日に行ったもので、被告人はCHAMC
資産運用部長だった白天慧(バイ・ティアンフイ、53歳)である。
判決文によると、プロジェクト買収や企業金融等で便宜を図る代わりに、11億人民元(1億5,190万ドル、約238億4,800万円)もの賄賂を受け取っていたという。
同法院は、中国共産党はもとより中国人民に大きな損害となる程の巨額賄賂を受け取っていたことから、極刑に値すると断罪している。
CHAMCについては、2018年に同社董事長(会長に相当)の頼小民(ライ・シャオミン、1962~2021年)が17億9千億人民元(2億6千万ドル、約408億2千万円)の収賄容疑で逮捕され、2021年に死刑が確定し処刑されていたことから、習指導部として取り締まりを強化してきていた。
習国家主席支持者らは、「反腐敗運動」によって清廉な統治を促進すると主張するが、一方で、同国家主席に政敵を粛清する力を与えているに過ぎないと非難する声も上がっている。
なお、この1年内でも次の金融界幹部が汚職容疑で摘発されている。
・劉連舸(リウ・リャンゲ、63歳):中国銀行(1912年設立、中国第3位の商業銀行)の元董事長(2019~2023年)
・李暁鵬(リ・シャオペン、64歳):中国光大集団(1983年設立、中国光大銀行・中国光大証券等保有)の元董事長
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