フィンランドは議院内閣制を敷いていて、議会が国権の最高機関であり、首相が行政府のトップとして政治を切り盛りしている。ただ、外交及び安全保障政策では大統領が強い影響力を持っていて、サウリ・バイナモ・ニーニスト大統領(75歳、中道右派の国民連合党所属、2012年就任)主導で、中立・非同盟主義から北大西洋条約機構(NATO、1949年設立)への加盟という歴史的大転換を成し遂げた。そしてこの程、現大統領の任期満了に伴って、二候補の間で決選投票が行われるが、どちらが勝っても、対ロシア強硬姿勢は不変とされている。
2月8日付
『ロイター通信』、
『AFP通信』、及び2月9日付
『AP通信』は、2月11日に実施されるフィンランド大統領選決選投票では、どちらの候補が勝っても現大統領が主導したNATO加盟、対ロシア強硬姿勢に変更はないだろうと報じている。
フィンランドでは2月11日、同国現職大統領の任期満了に伴う投票が行われる。
第一回投票は、1月28日に実施(投票率74.9%)されたが、8人の立候補者のいずれも過半数の得票を得られず、上位二者による決選投票が行われることになったものである。...
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2月8日付
『ロイター通信』、
『AFP通信』、及び2月9日付
『AP通信』は、2月11日に実施されるフィンランド大統領選決選投票では、どちらの候補が勝っても現大統領が主導したNATO加盟、対ロシア強硬姿勢に変更はないだろうと報じている。
フィンランドでは2月11日、同国現職大統領の任期満了に伴う投票が行われる。
第一回投票は、1月28日に実施(投票率74.9%)されたが、8人の立候補者のいずれも過半数の得票を得られず、上位二者による決選投票が行われることになったものである。
下記候補者が決選投票に臨むが、同国大統領として影響力を有する外交及び安全保障政策では、ほとんど差異がみられない。
従って、どちらが勝っても、サウリ・バイナモ・ニーニスト現大統領の主導で歴史的転換となったNATO加盟(2023年4月正式加盟)、対ロシア強硬姿勢に変更はないとみられる。
● アレキサンデル・ストゥブ氏(55歳、国民連合党所属):1月28日の第一回投票における得票率は27.2%で第1位。
・2004~2008年欧州議会(欧州連合立法府)議員。
・2008~2011年外相。
・2011~2014年欧州及び貿易担当相。
・2014~2015年首相。
・2015~2016年財務相。
・2017年欧州投資銀行(1958年設立)副総裁就任。
・2024年2月1、2日に発生した大規模労組ストライキについて、遊説中に出された記者団の質問に対して、“内政は首相・議会が担うとする同国政治体制より、労働市場の問題に干渉する意向はない”と表明。
● ペッカ・ハービスト氏(65歳、環境政党である緑の同盟所属):第一回投票での得票率は25.8%で第2位。
・1995~1999年環境相。
・2012年及び2018年の大統領選に立候補したが、いずれもニーニスト氏に敗北。
・2013~2014年国際開発担当相。
・2019~2023年外相。ロシア友好・非同盟という長い歴史に見切りをつけ、NATO加盟に向けて主体的活動。2022年5月、NATO加盟申請書に署名。また、同年11月にウクライナ首都を訪問し、“ロシアによるウクライナ軍事侵攻を猛烈に非難する”と表明。
・大規模ストについての記者団質問に対して、“大統領としては表には立てないものの、少なくとも、舞台裏で当事者を招いて対話を促す意向だ”と発言。
・ゲイであることを公表しており、もし当選すると、同国初のLGBTQ(性的少数者の総称)大統領となるが、外交戦略等で対立候補との差異がみられないことから、ゲイであることで同国の開放性及び寛容さを高めるのに貢献しているとの評価があり、追い風となる場合もある。
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