『AP通信』
米海軍幹部が3月20日、南シナ海南部のスプラトリー諸島内に展開する中国が建設した人工島上空を監視飛行したところ、少なくとも3つの人工島が完全に軍事拠点化されていることを確認した。
米海軍インド太平洋軍司令官のジョン・アクィリノ海軍大将(60歳、2021年就任)が視察したもので、同司令官の搭乗した偵察機に同乗した『AP通信』記者のインタビューに答えて、ミスチーフ礁(最も東側)、スビ礁(中央北部)、ファイアリー・クロス礁(西側)の3つの人工島が既に完全武装化されていると語った。...
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『AP通信』
米海軍幹部が3月20日、南シナ海南部のスプラトリー諸島内に展開する中国が建設した人工島上空を監視飛行したところ、少なくとも3つの人工島が完全に軍事拠点化されていることを確認した。
米海軍インド太平洋軍司令官のジョン・アクィリノ海軍大将(60歳、2021年就任)が視察したもので、同司令官の搭乗した偵察機に同乗した『AP通信』記者のインタビューに答えて、ミスチーフ礁(最も東側)、スビ礁(中央北部)、ファイアリー・クロス礁(西側)の3つの人工島が既に完全武装化されていると語った。
同司令官は、それらの人工島には、対艦ミサイル・対空ミサイル・レーザー兵器・電波妨害機器・戦闘機が配備されていることから、かつて中国が軍事拠点化しないと宣言していたことに対する明らかな約束違反だ、と非難した。
同偵察機は人工島空域を飛行したが、中国側からはラジオ無線で、“中国主権内に違法侵入しているので、不測の事態が起きないよう即刻退去”するよう何度も警告してきた。
米軍機パイロットは、“どの島嶼国の領空も侵犯していない空域での合法的な飛行であり、国際法で認められている”と通告した。
同司令官によると、ファイアリー・クロス礁近海には40隻余りの中国軍艦が確認でき、その他2つの人工島とも、ミサイル発射設備・戦闘機格納庫・レーダー兵器等の設備に加えて、戦闘機・爆撃機等も視認できるという。
従って、同司令官は、“人工島空域を飛行する軍機のみならず旅客機も、容易にミサイル攻撃の餌食にされる恐れがある”として、“中国が、南シナ海海域の周辺国や同海域を航行する国々に脅威を与えている”と非難した。
同司令官は最後に、米国は同海域の平和と安定を保つために抑止力で以て“紛争ぼっ発を回避する”としながらも、“万が一抑止力が奏功しない場合、自身の使命として、避けられない戦争にも準備を怠らず勝利する”と強調した。
なお、同司令官が率いるインド太平洋軍は38万人の兵員を擁している。
『AFP通信』
中国は3月22日、米海軍司令官が、南シナ海における人工島の完全軍事拠点化を非難する声明を発表したことに対して、中国主権海域を擁護するために必要不可欠な対応だと反論した。
中国外交部(省に相当)の汪文斌報道官(ワン・ウェンビン、50歳、2020年就任)が定例記者会見で答えたもので、“主権擁護のために必要な軍装備を施すことは国際法に適った措置である”と強調した。
更に、同報道官は、“米国の軍事行動こそが地域の安定を損なわせている”とし、“度重なる米軍艦・軍機の活動によって、中国の他、南シナ海周辺国にとっても脅威となっている”と非難している。
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