食品に関連した温室効果ガス排出量を調査したイギリスの最新調査によると、男性は女性より地球温暖化にかかわる排出量が40%高いと指摘されている。これは男性がより肉食を好むことと関係性があると指摘されている。
11月23日付
『Yahooニュース』(AFP通信)は「男性は肉消費量が多いためカーボンフットプリントが女性より大きい」との見出しで以下のように報道している。
食品に関連した温室効果ガス排出量を調査したイギリスの最新調査によると、男性は女性より温暖化にかかわる排出量が41%高いと指摘されている。これは男性がより肉食を好むことと関係性があると指摘されている。
食肉生産が環境に大きな影響を与えていることは周知の事実である。...
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11月23日付
『Yahooニュース』(AFP通信)は「男性は肉消費量が多いためカーボンフットプリントが女性より大きい」との見出しで以下のように報道している。
食品に関連した温室効果ガス排出量を調査したイギリスの最新調査によると、男性は女性より温暖化にかかわる排出量が41%高いと指摘されている。これは男性がより肉食を好むことと関係性があると指摘されている。
食肉生産が環境に大きな影響を与えていることは周知の事実である。畜産業は地球の温室効果ガス排出量の15%を占め、環境汚染の主な原因の一つとされる。これは家畜のえさ(CO2を出す)や消費過程でメタンガスが発生し、環境に放出されることが要因とされる。そのため動物性食品を食べることは環境汚染につながり、特に赤肉(生産過程で鶏肉の5倍の排出)の影響が大きいとされる。
科学レビュー「PLOS One」に掲載された研究では、212人を対象に3200以上の特定食品や飲料を調査。全食品中で動物性由来製品が温室効果ガス排出の半分を占めており、肉の31%、乳製品の14%、飲料の15%、ケーキやクッキー菓子類の8%を動物性由来が占めているという。肉中心の食品は菜食中心より59%多い排出量となり、男女別では男性の食事は女性より41%排出量が多くなった。
男女の食生活の違いが環境汚染に与える影響については、昨年スウェーデンの研究で、同じ金額でも男性は16%多く温室効果ガスを排出すると指摘されている。今月開催された国連会議COP26でも、世界的にみて「気候変動の影響をまともに受けるのは女性や少女である」と指摘されている。
11月22日付英国『Guardian』は「肉の消費量の違いで、男性の排出量が女性より40%高い」との見出しで以下のように報道している。
地球温暖化の原因となる排出量について、男女別では肉中心の食事により男性が女性より40%多いとする研究が発表されている。また、食品に関係した排出量の4分の1はコーヒーやアルコール、スイーツ等の嗜好品が要因となっているとされ、植物由来の食品を中心としたサステイナブルな食生活を推奨する政策が求められている。
固定観念と違い、西欧諸国では、菜食中心のビーガン食の方が通常の食事より3分の1費用が安く済む。所得のより多い国でビーガン食がより求めやすい価格となり、普通の食事と比べ価格が21~34%低く、緩やかな菜食主義(たまに肉食も取り入れる)の場合も14%安くなる。一方、魚中心の魚菜食主義(ペスクタリアン)では2%高くなる。
これまでの研究では、気候変動対策として家畜飼育に由来するメタンガス発生や砂漠化を食い止めるため、富裕国の肉食習慣を大幅に軽減しなければならないと指摘されてきた。今回の最新研究では、食品が原因となる温室効果ガスの半分は動物性食品が関係していることが突き止められた。
男性のモノの購買行動については、支出額はそれほど変わらなくとも、女性の購買行動より16%排出量が多いことも指摘された。これは車のガソリンや軽油への支出がより多いからだという。男性がより肉を消費する理由については調査されていないが、女性より食事量も多く、より伝統的な肉中心食が多いからだと推測されている。
世界野生生物機構の調査では、イギリス人の7割以上が環境により良い食品を摂るべきだが、6.5割がサステイナブルな嗜好品は高額だと回答。現在富裕国の平均的な食事は、肉食の割合が推奨レベルを上回り、栄養ガイドラインを満たしていない。今回の研究で、健康によい食事は環境にもよいということが更に後押しされる結果となった。
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